不妊治療のステップアップとは?

みなさんこんにちは。
今回担当させて頂くのは生殖医療相談士・看護師の石橋です。

今回のテーマは不妊治療のステップアップです。

不妊治療はタイミング療法、人工授精、体外受精の大きく3つのステップに分けられています。
それぞれ治療法も料金もそして身体への負担も異なってきます。

しかしこのステップをどのように進めていくのか、受診していてもわからないことがあると思います。
そこでこれから病院への受診を始める方はもちろん、すでに病院を受診している方も治療のステップアップをどのように進めたら良いのかを知る機会にしていただけたらと思います。

不妊治療それぞれのステップについて

まずはそれぞれの治療について簡単に説明します。

ステップ1:タイミング療法

タイミング療法は基礎体温や排卵検査薬、超音波検査で排卵日を予測しながら性交渉と行い妊娠を目指す方法です。

確率を上げる目的や排卵を規則的に起こすために誘発剤なども使用されます。

排卵前に排卵日を予測することがポイントとなります。

ステップ2:人工授精

タイミング療法と同様に排卵日を予測し、排卵日の少し前に子宮内に直接、精子を注入する方法です。

通常の性交渉では膣内に精子が射精されます。その精子の数は約1億匹と言われていますが、実際に卵子と出会えるところまで辿りつける精子は100〜200匹程度になります。この数値からもわかるようにかなり多くの精子が到達できていないため、その到達できる精子の数を増やし妊娠の確率を高める方法が人工授精です。

精子は注入前に人工授精で使用するために処理を行います。精子を注入する時に使用するチューブも細くて柔らかいためほとんど痛みはありません。

人工授精は保険適応外となり、自費診療となります。

ステップ3:体外受精

不妊治療の中で最も高度な治療といえます。

女性の卵巣から卵子を取り出し、取り出した卵子と精子を体の外で受精させ、受精卵を子宮内に戻す方法です。受精方法の違いで体外受精と顕微受精があります。

体外受精も自費診療となりますが、人工授精とは経済的負担はもちろん身体的負担も大きく違ってきます。

ステップアップの進め方

基本的にはタイミング療法から開始します。

しかし、同じ治療を繰り返しても妊娠に結びつかない場合は次のステップを考えます。

これは同じ方法を行なっていても時間を要する、もしくはその方法では助けることができないところに原因があるのではないかと考えられるからです。

一般的には6ヶ月でステップアップをすることが望ましいとされていますが、女性の年齢が35歳以上の場合は3ヶ月を目安として考えます。

これは女性の年齢が妊娠に大きな影響を与えるからです。

不妊治療は、かならず順番にステップアップするの?

実は先ほどお伝えしたように全てのカップルが順番にステップアップするわけではありません。

検査を進めていく中で、明らかになった結果や女性の年齢など、背景によって進め方は異なってきます。

例えば卵管に何か問題があった場合や、精子数が少なかった場合は体外受精から提案されることも珍しくありません。

また女性の年齢が高い場合も、タイミング療法から開始したとしてもスピードを上げステップアップを進めていくことを推奨されます。

このように、みなさんが同じように進めていくわけではなく、カップルの検査結果や背景で治療の進め方は異なります。

まとめ

不妊治療は「一つずつ時間をかけて行い、そしてその方法で妊娠しない原因が明らかになったら次のステップを考える」と思っている方も珍しくありません。

実際にはそうではなく、結果が出ないから次のステップを考えます。同じ方法を繰り返すことで、いつか結果が出るかもしれませんがその保証はなく、時間が経過し更に妊娠しにくい状況を作っている可能性もあります。

しかし実際にステップアップを進める時には不安もありますよね。

そのため不妊治療の専門病院の多くは、専門スタッフによるカウンセリング体制を整えています。

また私たちファミワン ではステップアップについてのご相談や、アドバイスが可能です。「ステップアップするなら転院を検討したいな」という方も少なくありません。ファミワンでは病院選びを含んだご相談も可能です。

不安や疑問からステップアップを上手く進めていけないカップルは珍しくありません。

正しい情報と判断からお二人にとって最適な治療を進めていけるよう願っています。

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