自分の体について正しい知識を。そして悩みを相談する場があることを知っていただきたい。

荒川区社会福祉協議会 三宅様/OGP薬局荒川店 鈴木様

ファミワンでは経済産業省 令和3年度「フェムテック等サポートサービス実証事業費補助金」における補助事業者に採択され、社会福祉法人荒川区社会福祉協議会の後援のもと「看護師と薬剤師が答える!妊娠前・妊活中に知っておきたい話」を2022年2月19日に開催いたしました。

本セミナーには、ファミワンの不妊症看護認定看護師の西岡有可と、OGP薬局荒川店の薬剤師の鈴木怜那先生が登壇。鈴木薬剤師は荒川区において女性ヘルスケアや性教育を地域へ伝える活動をしていらっしゃいます。今日は鈴木先生と荒川区社会福祉協議会の三宅様にお話を伺いました。

町の薬局でも妊活や不妊治療における相談を受けることが増えてきた

セミナー実施前から感じていた妊活に関する課題はありましたか? 

鈴木先生(以下敬称略):4月からの保険適用実施にともない、昨年からちらほら薬の飲み方の相談や、保険適用後どのタイミングで治療していけばよいかなどのご相談を受けることが増えてきました。私はこれまで、特に不妊治療に特化してご相談に乗ってきたわけではなく、新聞で報道されている内容を知る程度でした。妊娠前ということで、薬の飲み方のアドバイスはしてきましたが、ファミワンさんと共に妊活についてのセミナーを開催する、ということで自分自身の勉強にもなると思いましたし、自分の中ではとても大きなことでした。

三宅様は地域の福祉に携われる中で、妊活に特化したことではないと思いますが、普段の生活の中からも感じていた妊活の課題などありましたか?

三宅様(以下敬称略):社協では高齢の方の介助など有償で活動してくださっているボランティアさんがいらっしゃいます。その方が、妊活を理由に活動停止されたということがありました。声を大にして理由を言えなかったり、ソーシャルワークとしても、不妊治療と活動の両立が難しくなったりする部分もあるのだと感じたことがあります。個人的には精神的負担を感じる方が多いのかなと思っていて、仲間や友人がご懐妊されたりする時に心からおめでとうと言えない、といった現状があると思いますね。

薬剤師向けの勉強会など不妊治療について学ぶ機会が増え、患者さんを専門家へ繋ぎやすくなっている

気持ちを打ち明ける場や仲間が欲しい、という悩みもファミワンに寄せられることもあります。社協様のボランティアの方でも活動と治療の両立に悩まれる方がいて、三宅様としても身近に、その課題を感じられたということですね。前述の課題に対して取り組んでいたこと、トライしたことなどありますか?

鈴木:これまで妊活に特化はしていませんでしたが、プレコンセプションケア、妊娠前の体づくりについては若い女性への啓蒙を薬局で実施していました。薬局で排卵検査薬や男性向けの精子検査キットを販売したり、「パートナーと一緒に妊活できるといい」というお話をさせていただいていました。また、以前から個人活動の中で勉強会を開催していましたが、所属する女性ヘルスケア団体でも薬剤師向けの不妊治療の勉強会が行われるようになり、専門家へお繋ぎしやすくなってきたと感じています。

三宅:法人としては、時代背景に合わせた職場づくり、例えば仕事と育児や介護、病気などの通院を両立しやすくするような動きはあります。社協としての取り組みとして妊活に特化するような行動はこれから、という状況ですね。

今回のセミナー開催後の反響や、感想などはありましたでしょうか?

鈴木:元々薬局に来ていた中でこのセミナーを知り、その後地域イベントにも来てくださり、サプリメントの相談をしていただいた方がいらっしゃいました。また、不妊治療に向き合うことは時として、精神的にしんどくなってしまうこともあるので、もともと薬局に来てくださっていた人に、一つの吐き出しの場として薬局をご利用いただけることをお伝えすることができました。

HPVワクチンの解説で『娘が将来できたら接種を考えたい』との声を受けて

セミナー参加者の方からはHPVワクチン、風疹・麻疹ワクチンについてなど、妊活前からできる体づくりの質問も多かったですね。

鈴木: HPVワクチンについては、妊活前に接種するのが理想的です。ワクチン接種について詳しく聞いたことがないという妊活・不妊治療中の方も多いのではと考えていましたが、想定以上に知られていない印象でした。

ワクチンを打ちたかった人も多いように感じましたが、知識のないまま、知らないままに接種時期を過ぎてしまう人が多数いらしたように感じます。『娘が将来できたら接種を考えたい』、という前向きな感想もありましたので、講演させていただいたことは、知っていただくという意味で有意義だったなと思いました。

ワクチンについては妊活に向き合う中で改めて認識した部分があり、驚きました。私にとっても、とても勉強になりました。三宅様は妊活前のヘルスケアについて、地域で福祉活動される中で何かお感じになることはありますか?

三宅:実は、鈴木先生とのご縁のおかげでヘルスケアに関して継続して啓発をして行けていると感じています。別団体へ、セミナーを実施することもできました。今回のセミナーで特に感じたことは、反響があった、ということはイコール知られていなかったこと、ということの現れだということです。セミナーを実施してよかったと思いますね。鈴木先生のおかげです!

思春期の頃から、そして大人になってからも自分の体のことを知る機会を

子どもを望む方、不妊治療や妊活に向き合う方にとって暮らしやすい社会・街とはどんなものでしょうか。また、それに向けて取り組みたいことはありますか。

鈴木:年齢性別に関係なく「知る」ことが大切だと思っています。日本では自分の体のことを知る機会がほとんどありませんよね。思春期の頃に学校の保健体育の授業で性教育を少し教わる程度です。例えば避妊については学びますが、不妊治療のことや女性は年齢とともに卵巣機能や卵子の質の低下があることなどを学ぶ機会は少ないかと思います。地域としては、このように学校教育から抜け漏れてしまう部分を外部の講師を入れるなどして、思春期の頃から伝えていけば、すごく変わってくるのではないでしょうか。あとは大人の方も学べる場所、これについては、会社単位で対策を打っていくことが重要だと考えています。女性の就業率も上がっていますし、どのようにサポートしていくことができるのかについては今後、さらに考えていきたいと思っています。

三宅:私もまずは知ってほしいと思っていますので、鈴木先生に引き続き、講座の担当をしていただきたいと考えています。街づくりという観点からは私たち社協が牽引していく部分でもあります。様々な角度からの周知が必要だと思っています。もちろん講演という手段もですが、子どもたちへの知識のインプットだけでなく、大人の方の理解も非常に重要だと思っています。様々な状況の人がいることを、街として、社会として、大きな枠でとらえ、それぞれの環境への理解を促していきたいですね。

違う立場の人がいることについて理解が深まり「お互い様」の精神が広がるのといいですね。

三宅:バックアップ体制も大切だと思いますし、そういった文化としても浸透させていきたいですね。

相談する場のひとつに「薬局に来ていただく」という選択肢を

将来妊娠希望する方、不妊治療に取り組む住民の方に伝えたいことはありますか?

鈴木:インターネット上ではたくさんの情報があり、選択するハードルがあるな、と最近つくづく感じています。情報がたくさんある中で、どの情報が信頼できるのか、どういう費用対価で考えていけばいいのか、ということを相談する場の選択肢として、薬局に来ていただくというのもいいのかなと思います。いろんな選択肢の中にファミワンさんやかかりつけ産婦人科など、相談場所を分散させて持っていていただきたいですね。自分に合った情報の選びかたを知ってもらいたいなと感じています。

三宅:今回の施策を通じて、ファミワンさんを初めて知りました。困っている人がいたら、相談できるサービスがあるのだということを伝えたいと思っています。そして荒川区には鈴木先生がいてくれる、ということを伝えたいとも思っています。また、二人目妊活の方には子育て交流サロンなどで職員にその時の気持ちなどをお話ししていただくなど、活用してもらえたらうれしいなと思っています。

今回ファミワンと一緒に取り組んでよかったことなどありましたらお聞かせください。

鈴木:先ほども申しましたが、私は自分自身が不妊治療専門、というわけではなかったので、ファミワンさんと今回ご一緒させていただくことで、不妊治療について学ばせていただけたのはとてもよかったと思っています。知識が深くなり、患者さんへの回答もこたえられる範囲が増えましたし、ファミワンさんとセミナーをご一緒できたことは貴重な機会だと思っています。ありがとうございました。

三宅:講座の後援としての視点は、参加者か多かったこと、反響が大きかったことという結果がありますので、やはり、開催してよかったと思っています。鈴木先生が地域に根差した活動をしてくださっていたので社協として、今後もご一緒に活動していけることを嬉しく思っています。ありがとうございました。

この記事に関連するプレスリリースはこちら

自治体
荒川区社会福祉協議会様、OGP薬局荒川店様

住民数
21.5万人

TOPICS

・町の薬局でも妊活や不妊治療における相談を受けることが増えてきた
・薬剤師向けの勉強会など不妊治療について学ぶ機会が増え、患者さんを専門家へ繋ぎやすくなっている
・HPVワクチンの解説で『娘が将来できたら接種を考えたい』との声を受けて
・思春期の頃から、そして大人になってからも自分の体のことを知る機会を
・相談する場のひとつに「薬局に来ていただく」という選択肢を

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