2023年12月
ー今回、「性別や年代にかかわらず、プレコンセプションケアを知り理解する」「自身の妊孕性について意識を向ける」「精液検査キットやAMH検査キットを使用し現在の状態を知る」ことを目的にプレコンセプションケア企画をご導入いただきましたが、ご導入のきっかけや実施の決め手についてお教えください。
篠田様)不妊治療中の社員に向けた制度を整備するアイデアは固まっていたのですが、社会的課題の解決に貢献するといった観点からも、今後の少子化対策に繋がるような制度を考えていく中で、プレコンセプションケアという概念を知りました。子どもが欲しいと考え始めてからではなく、将来に向け、まず自身のからだの状態を知り、生活習慣や健康づくりと向き合うといった内容が新鮮で、当社でも新しい取り組みができないかと調べ始めたのがきっかけとなります。
最初は、ブライダルチェックなどの検査費用を会社が補助することを検討していましたが、病院を受診すること自体が高いハードルになってしまうと考えました。そうではなく、まずは手軽に自身のからだの状態を知ってもらう、プレコンセプションケアに意識を向けるセミナーを企画したいと考え、ファミワンに相談しました。その際、卵巣年齢チェックキットを紹介いただき、自宅で検査ができるのであれば「やってみよう」と思う社員も多くいるのではと考え企画を進めていきました。
ー企画を検討される前から、社内で感じている課題があったのでしょうか?
篠田様)そうですね。私自身も「6年目に計画転勤がある」ということを入社当時から言われていました。ライフプランを考える中でも大きな変化となるので、転勤の時までは妊娠・出産は遅らせようといった考えがありました。ただ、仕事の面で転勤のような大きなイベントがあると同時に、妊娠・出産にも適切な時期があるので、そのことについて知る機会を会社が提供して、社員自身が自らのキャリアとライフイベントのバランスを考えられる環境が作れると良いなと思っていました。
ー今回の企画は予想を超えるお申し込み数で終了となりましたが、社員の意識の変化や風土醸成など効果を感じられましたでしょうか?
篠田様)社員の声はプライベートなことなので、なかなかこちらには直接届かないのですが、セミナーを受けてもらいたいと思っている20代、30代の社員の参加が多かったことは良かったと思います。以前、e-ラーニングを実施した際は、「これから第2子の不妊治療を始めるところだったので、このタイミングで全社向けに不妊治療について学ぶe-ラーニングが実施されたことが非常に励みになりました。周りの人の理解も得やすくなり、ありがたいです。」という感想を社員から直接もらいました。少しずつ社内の認知度が高まってきているのは嬉しいなと思います。その一方で、「自分が今不妊治療中でつらい思いをしているから不妊というワードは控えて欲しい」という声もあるので、その辺のバランスはとても難しいですね。不妊治療は特別なことではないということが社員にもっと浸透していけば良いなと思っています。
ーファミワンを導入いただいたきっかけを教えていただけますか?
中平様)ファミワンの導入を検討していた頃、次世代育成支援対策推進法のくるみんマークに不妊治療に特化した取り組みをしている企業に対してプラスマークが付くということが話題となっており、不妊治療に対する社会全体の意識の変化を感じました。また、不妊治療の保険適用が開始された時期でもあったので、会社としても不妊治療で悩んでいる社員に向けた取り組みを進めるべきだろうと考えたのがきっかけです。
ーファミワンを選んだ決め手を教えてください。
中平様)私自身、不妊治療の経験があります。当時、気軽な相談先が限られていて、行政や地区には相談窓口がありましたが、役所に出向くこと自体に高いハードルを感じていたので、ファミワンのサービスはLINEで相談出来るというところに魅力を感じました。また、不妊治療だけではなく更年期症状やPMS(月経前症候群:生理前に起こる心やからだの不調)など広範囲の相談が可能という話を聞き、「これなら一部の社員に限定されず、より多くの社員に満足感を持って使ってもらえる」と思い導入を決めました。
ー導入から2年が経ちましたが、社員の方からお声などありましたか?
中平様)社員によるファミワンのサービス利用状況はプライベートに深く入り込んでる部分なので、会社として「ファミワンを使ってどうでしたか?」というアンケートは取っていません。「会社は誰が利用しているのか把握したいのではないか」「どこかで情報漏れてるのかな?」と心配せずに利用してもらいたいためです。
そのため、人事部に対して直接「すごく良かったです」という感想が届くことは今のところありませんが、私が一番導入してよかったと実感できたのは、人事担当者向けのセミナーを開催した時です。出席は必須にしておらず、業務時間中の開催でしたが、部署の責任者である社員も多く出席し「部下がどういう悩みを持ってるかを知りたい」「どういう対応が望まれてるのかを知りたい」と積極的に参加してくれた時に成果を感じられました。
ー今後社内で取り組みたい課題や実施したいことはありますか?
中平様)性別に関わらず、早い段階からライフプランについて考えるきっかけが提供できるように、今後は、新入社員などの若年層に対してアプローチをする機会を設けたいと考えています。
篠田様)「継続は力なり」という言葉もあるので、プレコンセプションケアに関しても出来る限り継続したいと考えています。社内でも、ようやく不妊治療に対しての理解が広まりつつあるところなので、このまま定着させていけるよう風土醸成に取り組み、当事者が安心して働ける環境に繋がる、良い循環を作りたいと考えています。これで終わりではなく次へ次へと社内の環境をより良くできればと思います。
ー導入にあたってのおすすめポイントがあれば教えてください。
篠田様)プレコンセプションケア企画については、「検査後のサポートをしてもらえる」という点が非常に心強いと感じています。当初は女性社員に外部の医療機関を受診してもらいその費用を会社が負担するというアイデアだったのですが、妊娠や不妊といったセンシティブな内容を実施するのに「会社が検査だけさせて終わりでいいのか?」と疑問を持ちました。また、「こんな結果が出るなら知りたくなかった」と落胆させるだけでは、会社の取り組みとして中途半端なものになってしまうので、もし望んでいない予想外の検査結果が出た時でもきちんとその先の相談に繋げる対応ができるところに非常にありがたさを感じていて、おすすめできる点だと思っています。
中平様)ファミワン導入前に出ていた案は「不妊治療や女性の健康課題に関する専門の相談窓口を設ける」という内容でした。しかし、取り扱うテーマが難しく、たとえベテランの社員が窓口の担当になってもセンシティブな内容の相談に乗ることが担当者にとって大きな負担になってしまうだろうと感じていました。ファミワンのサービスは一度導入すれば、LINEという簡単な手段を通して社員から専門家に直接相談できるところに、人事担当として非常に心強さを感じています。不妊治療は十人十色で様々な状況があるので、人事担当者として話を聞いただけで終わるのではなく「ファミワンのサービスを使えば、専門家の方に無料でLINE相談が出来るんですよ」と社員にすすめられる安心感を得られることもおすすめできる点です。
ー貴重なお話をありがとうございました。
皆様とご一緒に従業員様へのより良いサービスの提供を目指し、サポートを続けさせていただきます。