【インタビューご担当者さま】
常見久美子様 コクヨアンドパートナーズ株式会社 事業サポート部 副部長
ご担当業務:採用、教育、人事制度改革 等
【会社紹介】
長年働く空間や働き方を研究・提案してきたコクヨの強みを活かし、2016年に事業会社化し、オフィスの運用を担う「オフィスサービス」をはじめ「ナレッジワークサポート」、「コワーキング・コミュニティスペース事業」といった、働き方改革をサポートする幅広いサービスを提供。
社員の約9割が女性を占めており、厚生労働省が発行するえるぼし認定を2021年6月に取得。女性に限らず、男女ともに働きやすく、働きがいのある会社を目指している。
– はじめに、自己紹介と御社の簡単な紹介をお願いします。
常見様:弊社はコクヨグループのひとつで、総務業務を始めコワーキング運営などのアウトソーシングサービスを提供しています。私は人事部門で主に採用と教育の企画を担当し、社員の成長支援と働きやすさ向上に取り組んでいます。
– ありがとうございます。続いて御社従業員さまの働き方について教えていただけますか?
常見様:社員の大部分がクライアント先に常駐し、コンシェルジュやコミュニケーターと呼ばれ、クライアントの生産性向上や、コミュニケーション促進に貢献しています。
社員は、「一歩さきゆく気づき・くふう」という行動指針のもと、ただ言われたことをこなしていく働き方ではなく、オフィスや業務の課題を見つけ、解決のアイデアをクライアントへ積極的に提案しています。
– ファミワンを導入されたきっかけについて教えていただけますか?
常見様:弊社には、「提案制度」というものがあり、社員からの意見や提案を常時募っています。その中で「妊活をしている社員をサポートしてほしい」という声がありました。この提案をきっかけにファミワンを導入することになり、妊活中の社員が抱える課題をサポートする取り組みを始めました。
– 提案制度はどのように運用されているのでしょうか?
常見様:会社のPCや携帯から社内システムにアクセスすれば、いつでもどこからでも提案を投稿することができます。社員の大多数がクライアント先に常駐しているため、良いアイデアが埋もれないよう簡単に投稿できる仕組みにしています。「もっとこうすれば会社が良くなる」「もっとこうすればサービス品質が上がる」など、現場目線ならではのアイデアが寄せられ、私も「はっ」とすることがとても多いです。
– それでは、ファミワンのサービス導入時に期待していたことをお聞かせください。
常見様:妊活に関するサポートには病院選びのアドバイスなど、当事者に直接必要なサポートもありますが、会社としては社員間の理解を深めることも重要なサポートだと感じていました。
例えば、妊活に関連する問題として、通院のためにどうしても休みを取る必要があると思うのですが、同僚や上司の理解が不足し、肩身の狭い思いをしていることがあげられます。数年前までは、不妊治療をしていることをオープンにできる雰囲気は社内になく、当事者がいることや、その困りごとも認識できていない状態でした。
そこで、ファミワンさんによる妊活/不妊治療をテーマにしたセミナーを開催し、当事者側とその周りの社員がお互いどう感じているのか、これまで言い出せなかったであろうことについても触れていただきました。
– 妊活はプライベートなことなので、職場で言い出しづらい方が多いと思います。実施したセミナーの効果はいかがでしたか。
常見様:一番大きいのは「妊活」に悩む人がいる、ということを当事者以外も知ることができたということでしょうか。当事者ではない方も妊活や不妊治療のことを正しく知り、また当事者側も「あえて隠すことでもない」という認識になったように感じています。
実際にセミナー後に実施したアンケートでは、妊活に関する知識を持っていた社員が40%だったのが、セミナーを受けた後は90%以上の社員が知識を得たと回答しました。また、セミナーを通じて妊活を支援する社内文化が少しずつ根付き、当事者が休みの申請などがしやすい風土になりつつあると実感しています。
– ファミワンを導入して良かったことをお聞かせください。
常見様:「何かあればファミワン」という感じで、健康に関することであればメンタル面もフィジカル面も、さらにキャリア相談もできる窓口として活用させていただいています。ファミワンさんからの利用報告の中で、「ファミワンを使って妊娠することができた」という弊社社員の報告と御礼メールがあったことを伺いました。ファミワンさんのサポートがあって一つの命が誕生したということに本当に感動し、導入して良かったと強く思った出来事です。
– 今後の課題や展望についてお聞かせください。
常見様:これまで、社員が妊活によってキャリアをあきらめることのないよう、 不妊治療と仕事の両立支援のために「ファミワン」の導入など、制度の整備を進めてきました。
新たな課題としては、妊活当事者を支えるために周囲の社員に過度な負担がかからない仕組も必要だと感じています。 社員の理解や思いやりは大切ですが、そこだけに頼るのではなく、仕組や 制度の整備も並行して進めていくことが必要不可欠だと考えています。
また、不妊治療に限らず、妊娠・出産、育児、介護、更年期など、 社員の人生にはいくつかのターニングポイントがあると思います。それらのターニングポイントで離職しなくてもいいよう、社員の抱える課題を一過性の「点」ではなく、繋がっている「線」の上で起きる課題と捉え、社員の人生に寄り添った継続的なサポートができたらと思っています。
– 最後に、今後の目標やメッセージがあればお願いします。
常見様:コクヨ&パートナーズでは、社員一人ひとりが、やりがいを持って長く楽しく働ける環境を提供することが何より大切だと考えています。キャリアを途絶えさせないための制度や仕組みをより充実させ、社員と一緒に会社も成長し続けたいと思います。