導入・提供事例

日本電気株式会社

健康課題で悩んでも働くことを諦めなくていい会社にしていきたい

ピープル&カルチャー部門・人事総務統括部 村岸ゆさ様

2023年5月

ファミワンは東京都主催のスタートアップ社会実装促進事業「PoC Ground Tokyo」の2022年度第1期に採択され、妊活に取り組む方のサポートと周囲の啓発による風土作りに加え、受診の促進や治療の促進まで行う、パーソナルケアサービス」として従業員を対象としたセミナーとファミワンプレミアムプランの提供を2022年3月まで行っていました。
今回は実証事業に参画いただいた日本電気株式会社(以下NEC)ピープル&カルチャー部門・人事総務統括部 村岸ゆさ様にお話を伺いました。

妊娠前のサポートに関して取り組みを応援する声から、改めてニーズや関心の高さを実感

当実証事業の参加背景についてお聞かせ下さい。

NECでは法制化以前から他社に先駆けて「育児介護の休暇制度」を導入しています。不妊治療に対する費用補助制度も2007年に導入、翌2008年には多目的に利用できる「ファミリーフレンドリー休暇」を有給休暇とは別で付与し、その取得事由に不妊治療を追加する等、妊娠前のサポートに会社として着目してきました。

2025中期経営計画では、多様なタレント人材の活躍を図るため「女性管理職比率20%」を目標に掲げており、健康経営においてもダイバーシティ対応として、昨年4月から女性特有の健康課題の取り組みをスタートさせています。取り組みは、女性特有の健康相談窓口の設置と株式会社Credleのサービス導入がメインではあるものの、「不妊治療や妊活のサポート」を求める従業員の声が一定数あるという話を弊社のダイバーシティ部門から聞いており、人事として課題認識がありました。

実際、不妊治療や妊活・卵子凍結に関するセミナー情報を社内に展開していくなかで、従業員の方から妊活・不妊治療のサポートを求める声や、取り組みを応援してくださる声が人事に続々と届きました。改めてニーズ・関心が非常に高い分野だということを実感していたところに、ファミワン代表の石川さんからPoC実証事業のお声がけをいただきました。まさに絶好のチャンスだと思い、すぐに上司に提案、参加を即決しました。

従業員へ直接的なサポートをしたいという想いがあった

本実証事業に参加される前から村岸様ご自身が感じられていたことはありますか

個人的には友人から妊活・不妊治療の大変さは聞いていましたが、人事担当者として従業員の方からダイレクトに声を聞くというのは取り組みが始まってからのことでした。社内に相談窓口を設置しているものの、「不妊治療はデリケートな内容となるため会社で相談しづらい」という声も一定数あり、外部に相談できる環境が必要だと感じていました。また、ネットで様々な情報が溢れている中で正しい情報へのアクセスが非常に難しいこと、ご自身で関心を持っていただかないとなかなか課題に気付きにくいことから、費用補助以外にも何か直接的にサポートしたいという想いがありました。

必要な方に必要な施策が届いたという実感が持てた

実証事業に参加されて何か社内で変化や効果はありましたか?

一番感じた効果は、チェックキットの人気の高さです。(※1)1回目のキット配布後、「再配布はないですか?」「これもう終わっちゃったんですか?」という声が従業員からダイレクトに届きました。実は、社内からそういった声が上がってくること自体が初めてで、非常に驚きましたね。(※1 子宮内フローラCHECKKIT、卵巣年齢チェックキットF checkの2種を配布)

従業員向けサービス告知画像

今回導入したチェックキットで、無自覚だった方がご自身の健康課題に気付くことができる、妊活について漠然と考えていたところから一歩前に出て考えるきっかけを与えてくれるものなのだ、と取り組み効果を実感できました。従業員の方が実際にチェックキットを手に取り、体験し、結果によって次の行動に移す、そういった「従業員体験」という意味でも非常によかったと感じています。

NECでは、チェックキットの人気を受けて追加募集を行ったのですが、その際の希望者へのアンケートで従業員の方からストレートな声を聞けたことも実証事業の効果として実感しています。特に印象的だったのは会社へのポジティブなフィードバックです。「有益な施策で感動しました」「相談しづらいジャンルでもフォーカスを当てていて良い会社だと思った」「女性特有の悩みは声に出してはいけないと思っていたがむしろ会社が前のめり、続けてほしい」など、ここまでストレートなポジティブなフィードバックは衝撃的でした。人事として、従業員の方に喜んでいただけた、必要な方に必要な施策が届いたという実感が持てました。

まだまだ従業員の方の声を拾い切れていない部分や施策に落とせていない部分もあるかと思いますが、「こういうサービスが欲しい」という声はぜひ従業員の方からも寄せていただきたいなと思っています。特に女性の健康への施策は、従業員の方の声をもとに検討していきたいなと思っています。

この会社で働いていてよかった、と思っていただけるようにしていきたい

今後やってみたい施策や取り組みはありますか

女性特有の健康課題の取り組み自体が始まってまだ1年しか経っていません。まだまだ女性が自分自身の健康課題に気付くことが難しく、気付いたとしても、通院のハードル・休みを取らないといけない・薬の副作用などもあり、なかなか対処に踏み切れないという現状も見えてきています。まずは、女性だけではなく男性も含め、リテラシーの向上を目指していければと考えています。

また、今後は行動変容につながるような施策も少しずつ考えていきたいなと思っています。今回のチェックキットのように、まず体験をして、ご自身の健康状態を知るということも大切ですし、その結果次第で病院に行くといった具体的なアクションで改善していただけるような施策をどんどん展開していきたいですね。

私自身、月経痛や妊娠出産で悩んだ経験があり、健康課題に関してとても他人事にはしておけません。従業員の方も、ライフステージにおいて病気や健康課題で様々に悩むことがあると思いますが、「NECで働く」ということを諦めてないでほしいなという想いがあります。

NECは変化に対してとてもポジティブで、従業員の挑戦を応援してくれる会社です。ぜひ会社の中で正しい情報にアクセスして症状を改善して、パフォーマンスを発揮して幸せな人生にしていただきたいですね。

社名
日本電気株式会社

業種

従業員数
単独 21,350名(2022年3月末現在)

TOPICS

・妊娠前のサポートに関して取り組みを応援する声から、改めてニーズや関心の高さを実感
・従業員へ直接的なサポートをしたいという想いがあった
・必要な方に必要な施策が届いたという実感が持てた
・この会社で働いていてよかった、と思っていただけるようにしていきたい

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