お産で入院する場合入院日数は経膣分娩の場合6日間、帝王切開の場合8日間が一般的です。これよりも入院日数が長くなる場合、入院費用として、医療費の他、お母さんのベット代、新生児管理料が追加で請求されます。新生児管理料については赤ちゃんの人数分加算されます。
お産はどのようなトラブルが起きるか予想がつかない部分があります。予期せず入院期間が延長されるケースもありますので、どのようなことが起きる可能性があるのかを説明していきます。まずはお母さん側の入院期間が延長される場合について説明します。
子宮の戻りがよくない
出産後子宮の収縮が良くなく、出血が多い場合には収縮を促す点滴を行います。出血の量や収縮の状況によっては輸血や手術が必要になることがあります。
産後に発熱がある
産褥熱は産後におこる感染症で、分娩時の傷からの細菌感染によって起こります。分娩後24時間を経過した10日間に38℃以上の発熱が2日間以上続く場合とされています。抗生剤を投与し治療します。
このように産後に誰にでも起きる可能性があり、入院期間が延長される可能性がある状態があり、入院日数が長引く場合があります。これからお産を迎える方が、少しでも安心してその日を迎えることができるように準備をしておくことも重要です。
次に赤ちゃん側の要因で入院日数が長引く場合について説明します。赤ちゃんが小さく生まれたり、医療的なケアが必要な状態で生まれたりする場合、入院日数が長くなります。一つの目安として赤ちゃんの体重による分類があります。
- 1000g未満 超低出生体重児
- 1500g未満 極低出生体重児
- 2500g未満 低出生体重児
- 2500g以上4000未満 正常
- 4000g以上 巨大児
- 4500g以上 超巨大児
また成熟度や見た目、週数などから、赤ちゃんに医療が必要かどうかを判断します。
日本全体での出生数は低下傾向にあるものの、出生数に占める低出生体重児の割合は 2005 年頃からは 9% 台中盤で横ばいが続いています。この割合は、単胎児(2017 年:8.17%)に比べて多胎児(2017 年:71.65%)では格段に大きくなっています。赤ちゃんに入院期間の延長が必要かどうかは出生体重だけの判断ではありません。例えば、新生児集中治療室(NICU)で医療を受ける赤ちゃんには目安があり、代表的なところだとこちらのような項目があります。
- 早産児:妊娠35週未満
- 低出生体重児:出生体重1800g未満
- 呼吸:人工呼吸が必要な状態
- 感染症:敗血症、髄膜炎など
- その他:手術が必要な場合や、全身管理が必要な場合
いかがでしょうか。
「きっと大丈夫」とポジティブに考えることも支えになるかと思います。ですが正しく知り、正しく備えることはこれから生まれてくる命に対して今で切ることではないでしょうか。
全てのお母さんと赤ちゃんが安心で安全なお産を迎えられますよう願っています。