絵本の読み聞かせが子どもの成長や発達に良い影響を与える、という話はよく聞きますよね。
でも、「どんなふうに読むのが正解なの?」「うちの子、すぐ飽きちゃうけど、やり方が間違ってるのかな?」と、不安を感じるお父さんお母さんも多いのではないでしょうか。
仕事で疲れて時間がとれない方や、「絵本を読むのが苦手で気が進まない」という方もいるかもしれませんね。つい「ちゃんとやらなきゃ」と力が入ってしまい、読み聞かせが負担になっていませんか?
でも大丈夫です!
読み聞かせに「こうしなくてはいけない」という正解はありません。大切なのは、「一緒に楽しむ」という気持ちです。
この記事では、読み聞かせの素朴な疑問を解消しながら、それぞれの親子に合った、楽しみ方を見つけるヒントをご紹介します。
読み聞かせは意味があるの?~メリットをご紹介~
絵本の読み聞かせがお子さんにどんな効果をもたらすのか、お話していきますね。
①言葉の発達を促す
絵本には、私たちが日常で使う言葉だけでなく、物語ならではのステキな表現がたくさん詰まっています。読み聞かせを続ける中で、お子さんはこうした新しい言葉に触れて、どんどん覚えていきます。
②想像力が豊かになる
絵本の中には日常では体験できない場面がたくさん描かれています。動物がお話したり、お姫様が出てきたりと、ファンタジーにあふれていますよね。それらの世界に触れることで、お子さんの想像力がどんどん膨らんでいくのです。
登場人物になりきって読み進めていくことで、共感する気持ちを育むことや、「自分だったらこうする」という考える力を高めることにもつながります。
③親子の絆を深める
絵本を読んでもらう時の、お父さんお母さんの声のトーンや笑顔、触れた手の温かさを感じることで、安心感が育まれていきます。読み聞かせを行う中で最も大切なのが、この「親子の絆を深める」ことだと言えるでしょう。
何から始めればいい?~読み聞かせのはじめ時~
絵本の読み聞かせは、産まれてすぐからできます!
0歳の頃は絵本の内容を伝えるのではなく、お父さんお母さんの声を心地よく感じたり、絵本の色や感触を楽しむ時期です。まだ早いかなぁと思わずに、まずは好きな絵本を読んであげることから始めてください。
読み聞かせのポイント
ここでは、それぞれの年齢に合わせた、読み聞かせのポイントをお伝えしていきますね。
生後0ヶ月から1歳:絵本に出会う時期
- 短くてシンプルな言葉を使い、ゆったりとしたリズムで読む
 - 文字にこだわらず、絵や形を楽しむ
 - 興味を示さない場合は無理強いをしない
 - お子さんの興味や反応に合わせて、リズムのある絵本を選ぶ
 - ページをめくる動作を一緒に楽しんだり、指で絵をさしたりして楽しむ
 
生後6か月を過ぎると絵本に手を伸ばすようになるので、破れないような厚手の絵本や布絵本を選ぶと安心ですね。
1歳から2歳:言葉が育つ時期
- 簡単な文や、繰り返しのある絵本を選ぶ
 - 「お花だね」「おいしいね」など、絵本を指さしながら読む
 - 登場人物の気持ちと、お子さんが見たり経験したりしたことを結び付けて読む
 
この時期の子どもは、言葉をどんどん吸収していきます。お子さんの好きな絵本を繰り返し読んであげることで、言葉の数も自然に増えていきますよ。
2~3歳:お話が楽しくなる時期
- お子さんの言葉や反応を受け止めて、会話を広げていく
 - 登場人物の気持ちを一緒に考える事で、想像力を広げる
 - お話の内容を生活に結び付けて、絵本の理解を深める
 
この時期は、言葉だけでなく、感情や想像する力が一気に伸びる時期です。お子さんの反応に「そうだね」と答え、言葉のやり取りを楽しみましょう。
4~6歳:想像力が伸びる時期
- 少し長い絵本にも挑戦し、物語の世界を楽しむ
 - 感想を聞いて、自分の気持ちを言葉で表す力をつける
 - 物語の続きを一緒に考え、想像力を伸ばす
 
お話の流れが理解できるようになる時期です。ストーリー性のある絵本へのステップアップをしてみましょう。
以前「このお話の続きはどうなると思う?」と5歳の女の子に尋ねたことがあります。すると、出てくる出てくる…大人では想像もつかないような面白いお話ができあがりました。
ぜひお子さんにも尋ねてみてください。一緒に盛り上がること間違いなしです。
小学生になったら、読み聞かせは卒業?
自分で本が読めるようになったら読み聞かせは卒業でしょうか。
そんなことはありません。親子の絆を深める時間であることには変わりありません。いつか自然に卒業するまで、大切な時間として過ごしてくださいね。
読み聞かせのヒント
読み聞かせが親子にとって楽しくて幸せな時間になるために、具体的なヒントをご紹介します。
【本の選びかた】子どもの「好き」を大切にする
世の中には名作と呼ばれる素晴らしい絵本がたくさんあります。でも、それにとらわれずに、お子さんの好きな絵本を最優先で選びましょう。お子さんが小さいうちは、お父さんお母さんが気に入った絵本でもいいですよ。とにかく楽しく読めることが大切です。
「好き」はコロコロと変わることもありますが、それも個性の1つです。「今」好きなものをたくさん読んであげましょう。
【読み方】「完璧」を求めることはありません。
読み聞かせは、声優のように上手に読もうとせず、自然に心を込めて読むだけで十分です。
苦手な方は、文章の少ない絵本や、リズムの良い絵本から始めてみましょう。つっかえても、かんでしまっても、大好きなお父さんお母さんの声で読んでくれることが、お子さんにとっては一番の安心になります。
読んでいる時にお子さんが飽きてしまうこともあるでしょう。そんな時は途中でストップしても大丈夫です。また、アドリブを入れて会話を楽しむのも、親子だけの特別な時間になりますね。
(ただし、イベントなど、正式な読み聞かせの場では、原則として文章を替えない方がいいと言われています)
【環境】場所や時間にこだわりすぎない
例えば、「毎日寝る前に読み聞かせをするぞ!」と決めると、それが負担になってしまうことがあります。
寝る前の5分、お風呂上りや家事の合間の3分でも、親子の心が触れ合う時間になれば十分です。
リビングの床の上でも、ベッドの上でも、心地よい場所であればどこでも読み聞かせは成立します。無理なく楽しい親子の時間を過ごしてくださいね。
終わりに 最高の読み聞かせは「親子の笑顔」です
読み聞かせは義務ではありません。親子で楽しむ大切な時間です。
長く読まなければいけない、完璧に読まなければいけないというプレッシャーは必要ありません。
短い時間でも、途中でやめても問題ありません。
大切なのは親子が一緒に笑顔で絵本の世界を楽しむこと。無理なく、心地よく、お子さんと過ごすひとときを大切にしてください。









