助産師がそっと教える!生理用品の使い分けガイド

生理は女性にとって毎月訪れる自然な現象ですが、その体験は人それぞれ異なります。出血量や期間、体調の変化も個人差があり、それに応じたケアが必要です。幸い、現代では生理用品のさまざまな種類があり、自分の体やライフスタイルに合わせて選ぶことができます。このコラムでは、紙ナプキンやタンポン、経血カップなど、様々な生理用品を紹介し、より快適な生理期間を過ごせるよう参考にしていただけると幸いです。

紙ナプキンの種類と使い分け

最も一般的な生理用品として、多くの方が利用しているのが紙ナプキンです。紙ナプキンは吸収力が高く、使い捨てできるため、手軽に使えるのが特徴です。しかし、ナプキンの種類には「羽付き」「羽なし」「大きさ」「厚さ」などの違いがあり、状況に応じて適切に選ぶことが大切です。

1. 羽付きと羽なしの違い

羽付きナプキンは、ナプキンの両側に「羽」と呼ばれる翼状の部分がついており、下着の横に固定することができます。これにより、ナプキンがズレにくく、横漏れを防ぐ役割があります。特に動くことが多い日や、長時間座っている日、夜間には羽付きナプキンが適しています。

一方、羽なしナプキンはシンプルで、固定は下着に貼り付けるだけなので、取り外しが簡単です。羽が肌に触れるのが苦手な方や、軽い日など、ズレにくい環境で使用する場合には羽なしナプキンが向いています。

2. 大きさや厚さの選び方

ナプキンの大きさや厚さも選ぶ際のポイントです。出血量が多い日は、吸収力が高く、大きめのナプキンを選ぶことで漏れを防げます。夜間は特に、寝ている間に動くことがあるため、夜用の長めで厚みのあるタイプが適しています。

反対に、出血が少ない日や終わりかけの時期は、薄くて小さいナプキンの方が快適です。吸収力はそこまで必要ないため、薄型ナプキンを選ぶことで、肌への負担も減らせます。

〜布ナプキン〜

最近では、使い捨ての紙ナプキンに代わって布ナプキンを使う方も増えています。布ナプキンは洗って繰り返し使えるため、エコで経済的な選択肢です。また、布は肌に優しく、通気性が良いため、かぶれやムレが気になる方にもおすすめです。

布ナプキンの使用に不安を感じる方もいるかもしれませんが、現代の布ナプキンは吸収力も高く、漏れにくい設計になっているものが多くあります。使用後は水やぬるま湯で軽くすすぎ、洗濯機で洗えば問題ありません。

洗う手間はありますが、使い心地の良さ、デザイン性の良さや環境への配慮が大きなメリットです。

おりものシート

おりものシートは、日常的におりものが気になる方や、軽い日常のケアに使える便利なアイテムです。ナプキンほどの吸収力はないものの、下着の汚れを防ぎ、清潔感を保つのに役立ちます。また、生理の始まりかけや終わりかけ、軽い日にもおりものシートが活躍します。

ただし、おりものシートを長時間つけっぱなしにするのは衛生的に良くありません。通気性が悪くなると、かぶれやムレの原因になりますので、こまめに交換することが大切です。1日に何度かシートを替えることで、肌の負担を減らし、快適さを保てます。

例えば、多い日は紙ナプキン、少ない日を布ナプキンとナプキンを併用し、地球環境とお肌への負担を減らすこともできますね。

タンポン

タンポンは、吸収体を膣内に挿入して使用する生理用品です。水泳やスポーツをする時に特に便利で、動きやすさが求められる日にはタンポンを使用することで、漏れや不快感を軽減できます。外からは見えず、ナプキンのように動くたびにズレたりしないので、特にアクティブな日にぴったりです。

タンポンにはサイズがあり、出血量に合わせて選ぶことが重要です。初めて使う方や出血量が少ない日は「レギュラー」サイズを、出血が多い時には「スーパー」や「スーパープラス」といった大きめのサイズを選びます。挿入時に少し緊張するかもしれませんが、正しい角度で挿入すれば違和感なく使えるはずです。タンポンは長時間使用すると感染症のリスクがあるため、4~8時間以内に必ず交換するようにしましょう。

シンクロフィット

シンクロフィットはまだあまり知られていない生理用品ですが、ナプキンと一緒に使うことで漏れを防ぐ画期的なアイテムです。小さなパッド状の形をしており、膣の入り口に挟んで使います。これにより、経血がナプキンに吸収される前に流れを軽減し、漏れを防止できます。 シンクロフィットはナプキンやタンポンと併用することが前提で、特に出血量が多い日に心強いアイテムです。普段はナプキンだけで対応している方も、特に多い日の夜や重要なイベントの日には併用を検討してみてはいかがでしょうか。

経血カップ

近年、注目を集めている経血カップは、医療用シリコンなどで作られたカップ状の生理用品です。膣内に挿入し、経血をカップに溜めるという使い方で、一度挿入すれば最長12時間まで使用可能です。出血量に関わらず、1日に数回取り出して経血を捨て、洗って再使用できるため、紙ナプキンやタンポンのように頻繁に交換する必要がありません。

サイズは小さめの「Sサイズ」や大きめの「Lサイズ」があり、出血量や自分の体に合ったものを選びます。経血カップはタンポン同様、挿入が必要ですが、一度慣れると漏れに強く、長時間快適に過ごせるのが特徴です。また、繰り返し使えるため経済的であり、環境への負担も少ないことから、エコを意識する方にも人気です。

吸水ショーツ

生理用吸水ショーツは、最近増えてきた新しいタイプの生理用品です。吸水力のある特殊な素材で作られており、ショーツ自体が経血を吸収してくれるため、ナプキンやタンポンを併用する必要がありません。軽い日にはショーツだけで、出血が多い日には他の生理用品と組み合わせて使うことが可能です。

生理用ショーツは洗濯することで何度も使えるため、布ナプキン同様、エコで経済的です。さらに、ショーツは見た目が普通の下着と変わらないデザインが多く、違和感なく使用できる点が魅力です。吸収力が高いのに蒸れにくく、肌触りも良いため、生理中でも快適に過ごすことができます。

生理用ショーツ(サニタリーショーツ)

こちらは、吸水力はありませんが、ナプキンをつけやすい素材を使っているため、生理用品がづれにくく、さらに防水性があるので、もし汚れてもアウターに響きにくい、洗濯で経血汚れがすぐに落ちやすいなどのメリットがあります。羽付きナプキンの羽の部分をショーツの内側にしまうことができる製品も販売されており、様々なずれにくい工夫がされていることが特徴です。

まとめ

生理用品は種類が豊富で、それぞれに特徴があります。紙ナプキンの羽付き・羽なしやタンポンのサイズ選びなど、自分の体やその日の状況に合わせて最適なものを使い分けたり、組み合わせたりすることで、生理中の不快感やトラブルを軽減することができます。

重要なのは、自分の体に合った生理用品を見つけて使うことです。初めて試す時は不安があるかもしれませんが、少しずつ慣れていくことで、自分に最適なケアが見つかるはずです。生理中でもできるだけ快適に過ごせるように、さまざまな選択肢を活用して、自分にぴったりのケアを見つけてくださいね。

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