災害時の性暴力からの身の守り方

災害や戦争時に暴力が起こるリスクが高まることが明らかになっており、暴力は性暴力、DV、虐待などがあります。

ですが、これまでの日本での大震災では、被災中という混乱した状況で被害を訴えたり相談したりするような場所もなく我慢して過ごした方が多くいたのが現状です。

そこで、被災時に暴力から身を守る予防策について今回はお伝えしていきます。

仲間から離れない

被災地での性加害は、ほとんどの被害者が女性であり、年齢が幅広いことも特徴です。
0歳であっても、60代であっても一人にはならないようにしましょう。

どの時間帯でも注意

昼間に自分の家に戻ろうとしたその道中や家で被害にあうケースがあります。

注意するのは夜だけではありません。倒壊した建物で死角が増えて昼間でも犯罪が起こりやすくなっています。

24時間、必ずだれかといるようにしましょう。

寝ていたからそのままにして少し用事を済ませに行った、というのも危険です。寝ていたとしても起こして、一人にしないようにしましょう。

周りに人がいても、自分の仲間から離れないようにする

避難所で周囲に人が寝ている環境でも、家族から少し離れて寝ていただけで性被害にあったケースもあります。女性や子どもは自分たちのスペースの内側で寝るように工夫するとより安心です。

他にも乳幼児を連れていると、あやすために少し避難所内を歩き回ったり外に出たりすることもあるかもしれません。そんなときもどんなに短い時間であっても必ず信用できる誰かと共に行動するようにしましょう。

なるべく3人以上で行動する

東日本大震災の調査では、性被害の加害者は見知らぬ人よりも顔見知りであることが多かったと報告されています。自分が信頼している人だったとしても、加害者に変わってしまう可能性もあります。

また、男性の性被害は女性に比べると少ないですが、ないわけではありません。特に男児は抵抗する力もまだ持たないため、家族以外と2人きりにするのは避けましょう。

異常を知らせる

どんなに気を付けていても、被害にあうこともあるかもしれません。恐怖で声が出ない可能性も十分あります。

そんな時に周りに助けを求められるようにスマートフォンに防犯ブザーアプリをインストールしておきましょう。スマートフォンが手元にない場合、周囲の物で音を立てるのも一つの手です。

異常が起こっている、ということを周りにしらせましょう。

傍観ではなく行動しよう

ハラスメントへの介入方法として「アクティブ・バイスタンダ―」という考え方があります。

暴力を予防するために、暴力を見て見ぬふりをするのではなく行動して介入するという取り組みです。

具体的には5Dの介入方法があります。

・Distract…気をそらす

加害者の邪魔をして暴力から意識を遠ざけます。

・Delegate…助けを求める

警察や職員などに助けを求めます。

・Document…証拠を残す

日時や場所、人が特定できるよう証拠を残します。

・Delay…後から対応する

被害者へのフォローやサポートをします。

・Direct…直接介入する

安全を確保したうえで加害者へ直接注意します。

傍観者が行動して被害者のサポートをすることで、被害を最小限に抑えたり、被害者の屈辱感や罪悪感を軽減できるかもしれません。

また、誰にも相談できない状況は被害者の孤独感を高めるだけでなく加害者の行動を野放しにすることへもつながり状況の悪化となります。

自分が被害にあっていなくても、「行動する傍観者」になることで助かる人は必ずいますし、その行動の広がりで環境を変えることができます。

おわりに

予防策をお伝えしましたが、暴力が起こってしまったとしても被害者の方は全く悪くありません。周囲の人は決してあなたの行動のせい、服装のせい、などと被害者を責めることのないようにしましょう。

そして被害者の方はなるべく一人で抱え込まず周囲の人や専門の相談窓口で相談するようにしましょう。

内閣府の「性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センター」#8891 

https://www.gender.go.jp/policy/no_violence/seibouryoku/consult.html

警察庁の「性犯罪被害相談電話」#8103

(https://www.npa.go.jp/higaisya/seihanzai/seihanzai.html)

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