要注意!洗剤のペットボトル移し替えで起きる誤飲事故

国民生活センターから、飲料用ペットボトルに洗剤やアルコール消毒液などを移し替えたことによる誤飲事故の注意喚起が発表されました。 飲み物と間違えて洗剤や殺虫剤などを飲んでしまう事故が相次いでおり、中には30日以上の入院が必要になったり、重い後遺症が残ったりする深刻なケースも報告されています。 今回は、報告されている事例と、自宅でできる対策について解説します。今回は、報告されている事例と自宅でできる対策について解説します。

なぜこのような事故が起きるのか

ペットボトルは、私たちが日常的に「口にするもの」が入っている容器です。子どもがいる家庭では、つい手軽さや使い勝手を考えて液体をペットボトルに入れ替えてしまうことがあるかもしれません。しかし、この行為が思わぬ事故につながる危険性があります。

子どもは見た目で判断する

子どもは、ペットボトルに液体が入っていれば「飲み物」だと認識してしまいます。特に乳幼児は、においや色だけでは危険を判断できません。普段から目にしている容器だからこそ、警戒心なく口にしてしまうのです。 たとえ「薬品名」をマジックで書いていたとしても、小さな子どもには読めませんし、気づく前に飲み込んでしまうリスクもあります。

「手の届かない場所」は意外と少ない

子どもに触れられたくないものは「手の届かない場所に置きましょう」と注意喚起をされることもありますが、子どもの成長は早く、昨日まで届かなかった場所に今日は届くようになっているということも多くあるため、細心の注意が必要です。また、子どもの好奇心から、椅子や台を使って高い場所のものを取ることもあります。「高い場所に置いてあるから大丈夫」という過信は禁物です。ペットボトルには移し替えないという基本を徹底することが大事です。

リスクについて知らない

2019年、東京都生活文化局のおこなった調査によると、 「食品や飲料用の容器への移し替えが、誤飲や容器変形など事故につながる可能性があること」を「知らなかった」と回答したのは39.2%もいたとのことです。「自分は大丈夫」という意識が、知らぬ間に家族を危険にさらしている可能性があります。まずは「移し替えは危険な行為である」という認識を、社会全体で改めていく必要があります。

実際に起きた事故事例

国民生活センターの報告によると、2020年4月から2025年10月までの5年7か月の間に、なんと8件もの重大事故が発生しています。小さなお子さんがいるご家庭だけでなく、高齢者の事故も相次いでいるため、どの家庭でも注意が必要です。

【事例1】消毒用アルコールを移し替え(6歳・男児)

子どもが水を欲しがったので、机の上にあったペットボトルの液体をコップに入れて与えた。ペ ットボトルには消毒用アルコールが入っており、誤飲した。

【事例2】シンナーを移し替え(3歳7カ月・女児)

自宅車庫でバーベキュー中に子どもの泣き声がした。車庫内に置いてあった箱の中にあったシンナーが入ったペットボトルが倒れていた。子どもの口からシンナー臭がしたため、誤飲したと思い受診し、5日間入院に。

【事例3】殺虫剤を移し替え(80歳代・男性)

ペットボトルに移し替えられた殺虫剤を家族がもらってきた。それを知らずにお茶と思い込み1 口飲んだ。喉を通る際に咽頭痛があって、水を飲むたびに嘔吐したため受診し、入院となった。

引用:「飲料用ペットボトルへの移し替えはやめましょう!- 洗剤や殺虫剤などの誤飲事故が発生しています」https://www.kokusen.go.jp/pdf/n-20260204_2.pdf

今日からできる誤飲予防のポイント

1. 移し替えは絶対にしない

洗剤、漂白剤、消毒液、アルコール類などは、必ず購入時の容器、専用の移し替え容器で保管しましょう。「少しだけ」「一時的に」という気持ちが事故につながります。

お子さんのいるご家庭では、急な嘔吐に備えて嘔吐物処理セットを用意しているご家庭も多いのではないでしょうか?

嘔吐処理をする際にペットボトルを利用して消毒液を作る方法はわかりやすいのですが、あらかじめペットボトル容器に次亜塩素酸ナトリウム溶液を入れることはせず、空のペットボトルをセットの中に入れておくようにしましょう。

2.「専用容器」のまま使う

詰め替え用製品は、必ずその製品の「専用ボトル」に入れてください。専用容器は誤飲を防ぐ工夫がなされているほか、万が一の際の成分表示も確認しやすくなっています。 また、市販のスプレー容器への入れ替えも注意が必要です。専用品より噴射範囲が広く、成分を吸い込んだり目に入ったりするリスクが高まることがあります。

3. 家族全員で意識を共有する

同居している家族はもちろん、祖父母宅や親戚の家を訪問する際にも注意が必要です。周囲の大人全員が「ペットボトルに移し替えない」ことを徹底しましょう。

4.「置き場所」を再点検する

もし、すでに移し替えてしまったものがあれば、今すぐ中身を適切に処分するか、専用容器に戻してください。また、洗剤などは「飲み物の近く」には絶対に置かないでください。

家族の誤飲に気づいたら

まず「何を、いつ、どのくらい誤飲食してしまったのか、様子はどうか」を把握します。状況を把握したら、直ちに専門の相談機関に連絡するか、必要に応じて医療機関を受診してください。
相談先としては、「小児救急電話相談(#8000)」や「公益財団法人日本中毒情報センターの中毒110番」があります。いざという時のために連絡先をメモして掲示しておくと安心です。

①「小児救急電話相談」
連絡先:■#8000 
※全国同一の短縮番号(#8000)をプッシュすることにより、お住まいの都道府県の相談窓口に自動転送されます。

②「中毒110番・電話サービスの利用方法(一般専用)」
連絡先:
■大阪中毒110番(365日 24時間対応) 072−727−2499(情報提供料:無料)
■つくば中毒110番(365日 9時〜 21時対応) 029−852−9999(情報提供料:無料)

※意識がない、呼吸がおかしい、けいれんしているなど、緊急性の高い症状の場合は迷わずすぐに救急車を呼んでください。

ファミワンでは子どもの誤飲に関するコラムを掲載しておりますので、以下のコラムも確認してみてください。

子どもの命を守るために

「まさかうちの子が」という油断が事故を招きます。実際に起きた事故事例を見ても、普通の家庭で、ちょっとした不注意から重大な事故が発生しています。
ペットボトルへの移し替えは「絶対にしない」。この一つのルールを守るだけで、多くの事故を防ぐことができます。
大切な子どもたちの安全のために、今日から意識して行動していきましょう。

参考文献
・生活国民センター「飲料用ペットボトルへの移し替えはやめましょう! ‐洗剤や殺虫剤などの誤飲事故が発生しています‐ 」
https://www.kokusen.go.jp/pdf/n-20260204_2.pdf
・東京都生活文化局 「洗剤類のつめ替え等に伴う事故が発生しています!~洗剤類のつめ替え、移し替えにおける安全性に関する調査を実施しました~」
https://www.shouhiseikatu.metro.tokyo.lg.jp/anzen/test/detergent_press.html

企業担当者の方へ

ファミワンでは法人向けサービスとして、女性活躍推進を軸としたダイバーシティ経営を支援する法人向けプログラム『福利厚生サポート』を提供しています。従業員のヘルスリテラシー向上や、組織風土の変容に役立つのみならず、利用促進の広報資料の作成までカバーしており、ご担当者様の負荷の削減にもつながります。