はじめに
急に朝晩冷え込むようになり、お子様の服装選びに頭を悩ませているママ・パパは多いのではないでしょうか。「寒すぎない?」「着せすぎで汗をかいていない?」など、不安は尽きませんよね。今回は、赤ちゃんが寒い季節を快適かつ安全に過ごすための、服装選びの基本的なポイントと室内環境設定のコツを詳しくご紹介します。冬の育児の不安を解消し、親子で暖かく過ごしましょう。
赤ちゃんの体温調節の特徴
まずはじめに赤ちゃんの体温調節の特徴について知っておきましょう。
以下のようなポイントがあります。
①体温が下がりやすく上がりにくい
体温調節機能が未熟なため、外気温の影響を受けやすく、すぐに体温が変化します。
②体表面積比が大きく、発汗量も多い
体表面積が体重に占める割合が大人より大きく、代謝も活発です。そのため、体重{kg}あたりの発汗量は大人の約2倍にもなります。厚着させるとすぐに汗をかき、その汗が冷えることで汗冷え(風邪の原因)やあせも・肌トラブルを招きます。
③手足の冷たさは気にしすぎない
赤ちゃんは体温を維持するため、体幹(お腹や背中)に血液を集めるため、手足が冷たくなりやすい傾向があります。「手足が冷たい=寒い」と判断せず、背中やお腹を触って暖かく、汗ばんでいないかチェックしましょう。
赤ちゃんは自分で衣類の調整ができないため、大人がこまめに状態をチェックし、調節してあげることが重要です。
赤ちゃんの服装選びの基本
素材選びが最重要
肌が薄く、汗をかきやすい赤ちゃんの肌着や洋服選びで最も大切なのは素材選びです。
保温性がありながらも吸湿性・通気性に優れた天然素材を選ぶことが重要です。
おすすめの素材
- ●綿100%: 吸湿性・通気性に優れ、肌触りが柔らか。重ね着で調整しやすい。
- ●キルト素材: 温かく、ふんわりとした肌触り。
避けたい素材
通気性の悪い化学繊維:蒸れからの汗冷えや肌トラブルの原因に
基本の着せ方
新生児期から生後3ヶ月頃までは体温調節機能が未熟なため、大人より1枚多めが基本とされています。生後3ヶ月以降は大人と同じか1枚少なめで様子をみていきましょう。
冬場は特に、室温が適切にコントロールされていても、冷えすぎないように注意が必要です。
室内で過ごすとき
基本は肌着+ベビー服です。

暖房を使用している室内では、厚着にする必要はありません。新陳代謝が活発な赤ちゃんは、すぐに汗をかき、それが風邪や肌トラブルの原因になります。
あたためすぎ、着せすぎに注意しましょう。
調節の仕方: 室温に合わせて、肌着を$1$枚にしたり、ベビー服を薄手のものにしたりしてこまめに調整しましょう。
必須アイテム: ベストやカーディガンなど、サッと脱ぎ着できるアイテムがあると便利です。
外出するとき
外出先は商業施設や病院など暖房で暑い場所もあるため、脱ぎ着しやすい服装で調整できるようにしておくと安心です。
一例になりますが、以下に参考例を掲載します。
①短肌着+カバーオール(厚手の生地)

②短肌着+コンビ肌着+カバーオール(薄手の生地)

①、②どちらかの服装にアウターを着せることが基本です。
肌寒い程度の日であればベストやカーディガンで重ね着し、本格的に寒くなったら風を通さないアウターを着て外出すると良いでしょう。
ベビーカーでのお出かけの際は、フットマフやブランケットで防寒対策をしっかりおこない、抱っこ紐の場合も、赤ちゃんの体が冷えないようにアウターで覆うなどの工夫が必要です。 靴下や帽子で防寒することもポイントです。
車に乗るとき
チャイルドシートに座らせるときのポイントは以下の通りです。
上着は脱がせる: 厚手のダウンジャケットなどを着たままチャイルドシートに乗せると、シートベルトが体に密着せず、万が一の衝突時にベルトが緩み危険です。
防寒は膝掛けで: 膝掛けや薄手のブランケットを用意し、車内が暖まるまでの間に掛けてあげるのがおすすめです。厚手のダウンジャケットを着たままだと暖房や日差しで暑くなってしまいます。
就寝するとき
寝ている間も体温が下がりやすいので、薄手の肌着にパジャマ、その上にスリーパーを着用させるのがおすすめです。
赤ちゃんは、寝ている間よく動くのでかけ布団から出てしまうこともあります。
また、かけ布団が顔にかかってしまうこともあるので、厚手のスリーパーを着せて寝ることがおすすめです。
そして、寝室で暖房を使用していると、暑がりの赤ちゃんは、暑いと寝苦しくぐずって起きてしまうこともあります。
お子さまの様子をみながら、その子にあった衣類と寝室環境を調整していきましょう。
冬もこまめな着替えを
授乳のあとや汗をかいたときには、こまめに着替えをするようにしましょう。
冬場は汗冷えが風邪の原因になることもあるので、特に注意が必要です。 また、赤ちゃんの肌は大人より薄く、乾燥しやすいので肌トラブルを引き起こしやすいので、汗をかいたままにしておくことのないようにしましょう。
快適で安全な室内環境づくり
赤ちゃんが生まれたら、これまでの大人だけの生活の時よりも気を遣った環境設定が必要になります。お子さまの様子をみながら、過ごしやすい環境作りをしていきましょう。
適切な室温・湿度
室温は20〜23℃、寒すぎずない程度に設定しましょう。大人が肌寒いと感じるくらいで子どもはちょうどいいです。あたためすぎないようにしましょう。
空気が乾燥していると肌トラブルや風邪の原因になるので、湿度は 50〜60%で調整しましょう。
暖房器具の選び方
暖房器具はエアコン、オイルヒーターやパネルヒーターなどが理想的です。表面が熱くなりにくいのでやけど予防にもなります。湯たんぽは低温やけどの危険があるので、赤ちゃんの肌に直接触れないようにしましょう。布団の中に入れておくと暑すぎてしまうので、寝る前に布団の中をあたためておく目的で使うことをおすすめします。
エアコンを使用するときのポイント
●直接風が当たらないよう向きを調整し、1日に数回は換気を行いましょう。
●乾燥するので、加湿器も併用しましょう。
●夜間は、おやすみモードも使用し、部屋をあたためすぎないよう注意する
冬に気をつけたい乳幼児突然死症候群(SIDS)
11月は乳幼児突然死症候群(SIDS)の対策月間です。SIDSは明確な原因は解明されていませんが、12 月以降の冬期に発症しやすい傾向があると報告されています。
SIDSの予防の原則
●1歳までは「あおむけ」に寝かせる
●できるだけ母乳で育てる
●たばこはやめる
が挙げられておりますが、実は睡眠中の服装も影響していると言われています。
欧米では睡眠中の着せ過ぎが自律神経のアンバランスを来たし、呼吸機能障害を起こし SIDS 発症の誘因になると言われているので、夜間の子どもの服装は厚着にさせないようにしましょう。
SIDSについてはこちらのコラムでもまとめていますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
まとめ
赤ちゃんは体温調整が未熟なので、快適な室温と湿度調整や、衣類の調整が必要です。お子さまによっても寒がりの度合いが異なるので、様子をみて臨機応変に変えていきましょう。
冬は乳幼児突然死症候群(SIDS)が増えると言われておりますので、睡眠時の着せすぎには気をつけてくださいね。
ファミワンでは、子連れお出かけのポイントや肌トラブルケアなど子育てに関するコラムを掲載しております。他のコラムも参考にしてみてくださいね。










