【知っておきたい!】お薬によるEDとは

妊活中のご夫婦、特に男性からの相談で多いのが「ED」についてのご相談です。
EDの原因として、薬剤の服用によるものもあるというのはご存知でしょうか?
今回のコラムでは、薬剤性EDについて取り上げます。

そもそもEDとは?

EDとは「Erectile Dysfunction」の略称で、ED診療ガイドライン(第3版)において、「満足な性行為を行うのに十分な勃起が得られないか、または維持できない状態が持続または再発すること」と定義される勃起不全のことです。EDの有病率について、ブラジルで15.5%、イタリアで17.2%に対し、日本では34.5%と極めて高いことが分かっています。また有病率は年齢とともに上昇することもわかっています。

EDの分類とリスク

EDはEAU(欧州泌尿器科学会)において、その病因から「器質性」「心因性」「混合性」の3つに分類されています。

器質性ED

器質性EDとは神経や血管など身体的な障害が原因で勃起できないものを指します。器質性EDは「加齢」「糖尿病」「肥満/運動不足」「心血管疾患/高血圧」「喫煙」「テストステロン低下」「慢性腎臓病/下部尿路症状」「神経疾患」「手術/外傷」といったリスクによって、勃起に必要な血液が陰茎に送り込まれないことや、性的刺激を感じても勃起命令が脳から陰茎に伝わらないことないことから勃起力が低下するといわれています。

心因性ED

心因性EDとはストレスやトラウマなど、精神的・心理的な原因で勃起できないものを指します。仕事の不安や責任、妊活へのプレッシャー、EDへの焦りなどが原因とされますが、特定の場所・相手・時間に限って勃起できないといったこともあります。

混合性ED

混合性EDとはその両者が混合しているものを指しますが、原因が複数のため対処が難しい場合が多いです。なおED全体の中では混合性EDが最も多いとされています。

EDの原因になる薬剤

特定の薬剤を服用することでEDが引き起こされることもあります。EDを引き起こす可能性がある薬には以下のようなものがあります。

降圧薬

降圧剤の中でも、利尿剤(商品名:ラシックスなど)・β遮断薬(商品名:メインテートなど)・Ca拮抗薬(商品名:アムロジンなど)は勃起機能への悪影響を示唆する報告が多いという報告があります。ただし、もともと降圧薬を服用している高血圧の人が陰茎への血流低下を起こしやすいというリスクを持っているため、EDが薬の影響なのかそもそも高血圧によるEDなのか結論は出ていないということです。

抗うつ薬

抗うつ薬による性機能障害については、論文によって薬剤ごとの発生率に差があるようですが、いずれにしても抗うつ薬を服用中にEDを自覚した場合お薬を飲むことを辞めてしまうなど治療が適切に行われないことがあるため注意が必要です。また、パロキセチン(商品名:パキシル)やセルトラリン(商品名:ジェイゾロフト)などのセロトニン再取り込み阻害薬は薬剤を中止しても数カ月から数年単位(あるいはそれ以上)で性機能障害が持続することが知られているため、治療前に家族計画を含めた治療計画について主治医と相談することも大切です。

前立腺肥大症治療薬

前立腺肥大症治療薬のうち、α1遮断薬(商品名:エブランチルなど)に関しては射精障害の報告はあるものの勃起機能については影響がないもしくは保護的に働くという報告が多いです。

一方5α還元酵素阻害薬(商品名:フェナステリド・デュタステリドなど)はAGA(男性型脱毛症)治療薬としても使用されますが、勃起障害を誘発するという報告もあり、また薬剤中止後も勃起障害が持続するという報告もあるため、慎重な使用が必要とされています。

非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)

非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)は以前はEDとの関連について報告があったものの、現在関連性は薄いと考えられています。

髄腔内バクロフェン療法

髄腔内バクロフェン療法は、脊髄損傷患者の痙性治療に用いる薬剤です。EDを高頻度に起こすことが確実とされています。

対処法

基本的に薬剤性EDが疑われる場合、経過観察・薬剤の変更または中止が推奨されます。特に抗うつ薬に関しては、近年EDの副作用が出づらい薬剤も発売されているため、そういった薬剤に変更するということも選択肢の一つかと思います。しかしながらあくまでお薬の変更や中止は自己判断で行うのではなく、主治医の先生とよく相談したうえで行うようにしましょう。

またPDF5阻害薬などのED治療薬を併用することでEDの症状が改善することもあります。ただしED治療薬には併用禁忌薬・注意薬が多いため、持病でお薬を服用している場合はこちらも自己判断で購入せずに、必ず主治医にED治療薬を使用したい旨を相談してみましょう。

まとめ

持病の治療のために服用している薬剤が原因でEDになることは、特に若い男性では夫婦関係や恋人との関係に影響が出かねない問題です。性機能問題はなかなか人に言いづらい事ではありますが、症状改善のために、EDかも?と思ったら主治医や泌尿器科などで相談してみると対策方法が見つかるかもしれません。

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