2021年9月23日に開催しました妊活ライブ、「着床の違いは検査会社にあり!子宮の検査 嘘?ホント?」にたくさんのご参加いただきました。

改めて、着床の検査についての皆様のご関心の高さや質問疑問が多くあることを痛感いたしました。

限られた時間の中でお答えできなかった質問についてこちらに返答を掲載いたします。どうぞご参考になれば幸いです。

TORIO検査が今後お値段的にももっと手頃な価格になり受けやすくなる見通しはありますか?気になりますが高額ですし、まだまだ発展途上の研究段階ですという感じであまり医師には勧められませんでした。

遺伝子検査、特にERA検査はRNAの配列解析という分子生物学的にもIT技術としても最先端の実験を行っているので、どうしても検査の原価は高くなってしまいます。これは民間の検査会社で行っている性質上ご負担は承知の上、やむを得ない状況かと思っています。
一方、日本においては、将来的に保険適用の可能性が考えられますので、そちらには期待をしたいと思っています。
6月に日本生殖医学会から、生殖医療ガイドラインの原案が示されて、今後これを元に保険適用に議論が深まっていくと期待できます。ERA検査(ガイドラインでは受容能検査となっています)、これとEMMA検査(ガイドラインでは細菌叢検査です)もしっかり取り上げられており、現時点で推奨レベルABC段階のCではありますが、厚労省を中心に、議論が進んでいくものと期待しています。
現時点でCなので、発展途上というとらえ方もあるかもしれませんが、逆に言うと、最先端の技術なので、評価にも時間がかかっているという見方もできます。
全ての検査には検査限界があるので、誰にでも有効という医療はないのですが、国内での研究発表や論文もしっかり出てきていますので、生殖医学会の推奨レベルも上がってくると期待しています。

移植後の過ごし方について、具体的に教えて欲しい

胚移植後の過ごし方についですね。こうしなければいけないというのは実はありません。安静にしておく必要もありませんので、通常の日常生活は普段通りで大丈夫です。
激しい運動や長時間の自転車での移動などを念のために控えておくと良いですね。また移植後に最も大事なのは少しでもリラックスしてストレスをためずに過ごすことです。そのため移植後にご自身が楽しいな、幸せだなと思えるものを取り入れながら過ごせると良いですね。
また血流は良い方がいいので、ストレッチや軽いヨガなどを少し取り入れるのも効果的です。ホットヨガなどは避けてください。

着床する・しないの差は何ですか?

一番難しいご質問ですね。違う角度からお話しすると、着床できない原因を一つづつ確認していって、着床から継続妊娠へと進む可能性を高めるのが不妊治療、という言い方もできると思います。
セミナーの中のプレゼンにもあったように、胚の原因、子宮内膜の原因、免疫機構の原因など俯瞰的にとらえると様々な要因があるので、おひとりおひとり違うというお答えになるかと思います。

ERA検査とER peak検査の違い。それぞれのメリット、デメリットや、どんな人が向いているか教えていただきたいです。

先にもご紹介いたしましたように、着床の窓の検査のオリジナルがERA検査で、グローバルでは中国、台湾、スペイン、アメリカなどの国から8~10社程度の検査が存在します。
ER peakは、Cooper Surgical社が開発した検査になりますが、そのうちの一つです。どちらもRNAの発現解析という実験を行っているのですが、ERA検査は子宮内膜の状態変化に伴って発現量が変化する236遺伝子を解析しています。これは2011年にカルロス・シモンのチームが発表した論文に基づいています。
ER peakは48遺伝子の解析の様ですが、どのような遺伝子を解析しているかの情報はありません。また解析手法が次世代シーケンサーを使っているか、RT-PCR法を使っているかの違いもあります。出てくる結果ですが、ER peakは受容期、受容期前、受容期後、非受容期の4パターンのようです。検査周期と比較して、受容期前の場合は検査周期+24時間、受容期後の場合は検査周期-24時間が推奨になると思われます。こちらの方が恐らく若干安価かと思われます。
一方、ERA検査はすでに10万件以上の解析実績があり、結果も受容期にあたるReceptiveの他に、12時間前や12時間後の移植を推奨するLateまたはEarly Receptive、と12時間単位で移植時間の推奨となります。また、Pre-reseptiveでは+24時間の推奨となります。
他にPre-2days、Postという結果がありますが、この場合は再度時間をずらして検査を行い、詳細に推奨時間を追っていくことになります。過去に80時間や60時間代など、他の手法や過去の経験からは導き出せない推奨時間を出して、着床した事例などもあるので、着床の窓をちゃんと調べたいならERA検査をお勧めします。

子宮鏡検査で問題なければ、慢性子宮内膜炎の検査は不要だと考えてよいのでしょうか?

慢性子宮内膜炎の問題ですが、慢性子宮内膜炎の解明そのものがあまり進んでいないというのが現状かと思います。
これも基本的には医師の先生のお答えする内容かとは思うのですが、現在、慢性子宮内膜炎の診断となるのは病理組織検査、いわゆるCD138の免疫染色検査になるかと思いますが、国際的にも診断基準が統一されていないというのが慢性子宮内膜炎の現状です。
恐らく、慢性子宮内膜炎を疑う場合は、まず子宮鏡で確認することになるかとは思うのですが、病理検査を行うかどうかは、医師の判断によるかと思います。お答えになっているかどうか分かりませんが、子宮今日検査を経て、先生が病理検査が不要とのご判断であれば、慢性子宮内膜炎を確認するための病理検査は不要と言えるかと思います。

胚盤胞での胚移植が失敗してしまいました、原因として、着床しなかったのは、子宮内の状態と関係がありますか?

子宮内の状態とも関係あるという可能性があります。ただ、子宮内の状態だけではなく、胚・子宮両方を考慮する必要があります。胚の方では、PGT-A検査や、今日あまりお話ししていませんが、タイムラプス装置で培養するなど、培養時の負荷がかからないような環境にする必要もあるかと思いますし、子宮の方では今日お話ししているERA, EMMA, ALICEでわかる着床の窓や子宮内環境、あるいは免疫なども関係ある可能性が考えられます。

着床率を上げるにはなにか方法はあるのですか?

これまでの治療や検査の背景にもよるかもしれませんが、やはり着床のためには着床する場所である子宮内の環境がどうであるのかを確認することが良いと思うので、本日のテーマでもあるTRIO検査やCD138、子宮鏡検査を実施して問題がないかを確認し、もし環境が良くないようであれば改善させることで着床しやすい環境になる可能性はあります。

正直悪いクリニックってありますか?

これは不妊治療の病院に限らず言えることだと思います。例えば、診察中に医師が顔を見て話をしてくれない、質問をしてもまともな回答が返ってこない、質問できるような雰囲気ではないなどはやはり安心して任せることができる病院ではないと考えられます。
患者の声に耳を傾けながら診療を行ってもらえる病院が安心できる病院の特徴でもありますし、またきちんと対応ができるということはそれだけの知識や経験も豊富であるということになります。

子宮を擦る?削る?検査をすると着床率アップするとネットでみました。

こちらはスクラッチ法のことをおっしゃっているかと思います。
子宮内膜を引っ搔くことによって子宮内膜には傷ができます。
傷が治るときにはたくさんのサイトカインという物質がでます。これは組織の成長や接着を促す物質です。
その物質の(一時的な)過剰発現が、次の周期の着床を助ける方向に働く、というのが、これまでに考えられているメカニズムです。
これまで長い期間にわたり、効果があるのかどうか議論がなされているものです。
この方法が取り入れられた当初は妊娠率の向上があるとされていましたが、その後、流産率が高くなるのではないかとの論文や、妊娠率の向上には関与していないという論文も出されています。つまりこの方法が本当に効果があるのかどうかは実は現時点でも意見が分かれているところです。
そのため、現在はオプション的に実施している施設が多く、複数回移植を行っても着床に至らず、検査をしても問題がない場合などに取り入れられていることが多い印象です。

何歳まで妊娠は可能ですか?

女性の年齢が高くなると、妊娠は非常に難しくなります。女性の場合35歳を過ぎると妊娠できる力がどんどん落ちていきます。
また女性の年齢が高くなると流産率も高くなり、その結果、女性が40歳以上で元気な赤ちゃんを産める確率は10%程度になってしまいます。

子宮内膜症、生理痛との関連はありますか?生理痛重い人は妊娠しにくいとかしやすいとかありますか?

子宮内膜症がある方の自覚症状の一つが月経痛です。内膜症がある方の90%に月経痛があると言われています。そして月経痛が重いといういことは内膜症がひどい可能性があります。内膜症があると、卵巣の昨日が低下してきたり、卵巣や卵管が癒着することもあります。そのため妊娠しにくい環境になると考えられています。
内膜症があることがわかっている、もしくは月経痛がひどいなどの症状がある方は、妊活を開始されたら早めの不妊治療専門病院への受診がおすすめです。

着床検査の項目や種類が知りたいです。

反復着床不全の検査項目ですね。
こちらは最初にお話したように、大きく3つに分けられます。
受精卵がわの因子、本日お話しているような子宮因子、そして免疫因子です。
受精卵がわの検査としては着床前診断、本日お話で少しでたPGT-A検査ですね。
ただ、これは誰もができるわけではなく、対象となる方は決まっていて、実施できる施設も限られます。
そして子宮因子は今日メインでお話しているTRIO検査、子宮鏡検査、慢性子宮内膜炎検査などがあります。
免疫因子は、Th1/Th2検査があります。このバランスが崩れていると、着床しにくかったり、着床しても流産の原因になったりすることもあります。
あとはビタミンDなどもですね。
免疫因子の検査は血液検査です。
たくさんあるので、自分にはどれが適しているのか、どの検査をどの時期にやるのかを担当医と相談しながら進めていくことになります。
反復着床不全に関してはアーカイブで動画もあるのでよろしければそちらもご覧くださいね。

どのような結果になったときに検査すべきか。体外受精を6回試してだめでした。

このご質問に対しましても、6回の間に何か処置が変わっていったかどうかというところが分からないのですが、多くの場合は反復着床障害で2~3回の移植で着床や継続妊娠できない場合は、各種検査を行ったり、処置の方法を変えたりすることが多いかと思います。
一度にあらゆる検査を行うのも負担が大きいと思いますので、通院されているクリニックの方針もあるかと思いますので、次に何を行うか、先生とご相談しながら進めるのが大事かと思います。2~3回で、特別臨床研究に参加できるのであればPGT-Aや、TRIO検査も選択肢に入れる必要があるかと思います。

人工授精2回ともだめでした。やっぱり着床に問題があるのでしょうか…

人工授精の場合も、もちろん着床に問題がある場合もあると思います。
しかし、人工授精は精子を子宮の中に送り込んであげている方法になるので、
例えば、排卵した卵子がしっかりと卵管の中に取り込まれているのか、卵管の中で卵子と精子が出会えて受精できているのか
受精できた受精卵が成長しながら卵管の中を戻ってこれているのかそのあたりも、わからない状態なんですね。
なので、人工授精で妊娠しない場合全てにおいて着床、つまり子宮に原因があるとは言えませんが、ただ、自分の子宮内の環境は常に良い状況ではあって欲しいとも言えるので、子宮内の環境を良くするためにラクトフェリンのサプリメントを摂取するなどの取り組みは良いのではないかと思います。

igenomixさんのHPやアメブロではERAに影響する可能性のある薬が明記されているのに、一部の?実施医療機関(医師)には周知されていない?守られていないのはなぜですか?主治医に確認時タクロリムスはERAに影響しないと言われて困りました。各施設へ導入時に説明などされているのでしょうか?※ igenomixさんへの批判ではなく医師が勝手にそうしているのかな?igenomixさんではもうどうしようもないことなのかなと思いまして。。

一般的にはERA検査導入時にご説明会などをさせて頂きまして、検査周期と移植周期で再現するようなご説明はさせて頂いておりますが、特にホルモン投与のタイミングについて細かくご説明しており、もしかしたら弊社からの説明や周知が不十分かもしれませんので、改善できればと思います。
一方、あくまで各薬剤で実際に投与のあり、無しでERAの結果が変わるかどうかというところまで学術的な検討はされていないのも事実ですので、あくまで影響を及ぼす可能性という表現になってしまいます。特にホルモンや遺伝子の働きに影響がある可能性のあるものは検査時と移植時に同じ対応をして頂ければ薬剤の効果込みでのERA結果を再現していることになりますので、お願いしたいところです。
今回の件については、先生のお考えが分かりかねるところではあります。もしこれから反復着床不全の検査をいくつか実施していくことを考えていらっしゃる方で、検査の順番などをご自身で決めることができるようでしたら、まず免疫の検査を行っておいて、その後にERA検査を進めていくというのも一つかもしれませんね。

ホルモン補充で着床した事はあります。着床歴がある場合は、着床の窓ズレは無いと考えてもいいのでしょうか?エラも含めてトリオ検査をした方がいいでしょうか。

着床しても化学流産の場合はERA検査の対象になるので、できればERAも確認しておいた方がBetterです。EMMA/ALICEで子宮内の環境は是非見ておいた方がいですね。

先日、トリオ検査を受けました。CD138はアリス検査をするから、しなくて良い、と聞いて、しない事にしましたが、、両方した方が良いのでしょうか?

状況により判断が変わってくるかと思います。ALICEとCD138は検査する対象が違うので、慢性子宮内膜炎の診断や治療を行うのであれば、CD138を行うことになるかと思います。一方、慢性子宮内膜炎の所見が無く、菌の有無を確認するのであればALICEが適しています。

着床した場合、その後流産になっても着床の窓は合っていたということになりますか?

可能性として、着床の窓は正しく他の要因の可能性はありますが、着床の窓のタイミング内ではあるものの、着床の窓の開始直後や、終了直前だった可能性も否定できません。ERAが受容期の場合、”Receptive”という結果になりますが、受容期内には”Receptive”の他にも”Early Receptive”や”Late Receptive”という結果の可能性もあります。Early ReceptiveやLate Receptiveという結果が得られた場合は、検査周期から12時間早いタイミング、あるいは12時間遅いタイミングで移植することが推奨されます。

Era検査結果に従い、胚盤胞移植し妊娠しましたが9週で稽留流産しました。Era検査結果は、流産手術等で変化することはありますでしょうか?

ERA検査の結果は、流産手術手術等には影響を受けません。
一方、ERA検査を行ってからの期間が長く(例えば数年後)体型(BMI値)に大きな変化が見られるような場合は、ERA検査の結果に影響を及ぼす可能性があります。

こちらで未回答のご質問へのお答えは以上になります。ご参加ありがとうございました!

株式会社アイジェノミクス・ジャパン
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生殖遺伝子検査サービスに特化した検査ラボ、アイジェノミクス。患者様の妊娠、出産をサポートする遺伝子解析サービスを提供しています。

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かなり濃い内容の妊活ライブだったかと思います。検査会社さんからのコメントと、実際の医療現場からみたコメントで、検査がより具体的にイメージできたかと思います。アイジェノミクスさん、ありがとうございました!

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