2023年5月に厚生労働省から、麻しんの国内感染者報告と更なる感染増加の注意喚起がされました。2023年6月9日現在、東京都、大阪府、千葉市でも感染が報告されています。
麻しんを防ぐ方法としてワクチン接種があります。今回は麻しんのワクチンについてご説明します。
麻しんの症状についてのコラムはこちら
麻しんワクチンとは
予防接種法による麻しんの定期予防接種は1978年10月にはじまりました。しかし、1993年4月に麻しん・おたふくかぜ・風しんの混合ワクチンのおたふくかぜワクチンによる副作用の報告から使用が中止となりました。その後2006年4月1日から麻しん風しんワクチンが定期予防接種に導入されました。
年代によっては、ワクチンが接種できていない場合があります。
- 生ワクチン(病原体となるウイルスや細菌の毒性を弱めて病原性をなくしたものを原材料として作られたもの)
- 接種回数2回
- 麻しんのみの単独ワクチン、麻しんと風しんの混合ワクチン(以下、MRワクチン)2種類あります
- 自費の場合麻しん単独ワクチンは5,000円前後、MRワクチンの場合10,000円前後
年代別チェック!麻しんワクチン接種状況
ワクチン接種状況を確認する方法は、【母子健康手帳】のワクチン接種ページを確認することです。
確認が難しい場合は、以下の年代に該当する場合ワクチンが接種できていない可能性があります。
生年月日 | 接種回数 |
1978年10月以前 | 0回(任意予防接種として接種の可能性有) |
1978年10月~1990年4月1日 | 1回 |
1990年4月2日~ | 2回 |
※2007年に10代~20代を中心に麻しん感染が流行したため、2008年度~2012年度までの間、中学1年生(1995年4月2日生~2000年4月1日生)、高校3年生(1990年4月2日生~1995年4月1日)を対象にMRワクチンの追加接種が行われました。
接種履歴が分からなくても、ワクチンを接種してよいの?
厚生労働省ではワクチン接種歴が不明、麻しんに感染したことがない、麻しんのワクチンを1回しかしていない人に対してワクチン接種を実施してよいとしています。
ワクチンの費用助成はある?
お住まいの市町村によっては妊娠を希望する女性、パートナー、同居者に対して風しんの抗体検査・風しんのワクチン接種と合わせて麻しんの抗体検査・麻しんのワクチン接種の費用助成を実施している場合があります。詳細はお住まいの市町村にお問い合わせください。
妊活中・妊娠中のワクチン接種
麻しんのワクチンは生ワクチンのため、妊娠すると接種することができません。妊活中の方は計画的に接種することをおすすめします。
妊娠中の場合は、同居ご家族のワクチン接種履歴を確認し、不足している場合はワクチン接種をすすめましょう。
参考資料
- 一般社団法人日本ワクチン産業協会発行:予防接種に関するQ&A集
- 第4回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会予防接種基本方針部会
- 厚生労働省健康局予防接種担当参事官室通知:麻しんの国内における感染伝播事例を踏まえた 麻しんの定期の予防接種の勧奨等について(協力依頼)
ファミワンでは妊活中の体調管理について、妊活中に接種してよいワクチンについてなどいつでもご相談できます。お気軽にご相談ください。