保育士が伝えるコツ!0歳育児が楽しくなる「遊び」の考え方

「子どもと遊んであげたいけど、何をすればいいの?」
「あまり反応がなくて、これって遊びになってるのかな?」
そんなふうに感じたことはありませんか。

SNSで紹介されている手作りのおもちゃなどを見て、焦ったり、落ち込んでしまうこともあるかもしれません。
でも大丈夫です。

ここでは、特別な準備をしなくても楽しめる、お子さんの成長に合わせた遊びのヒントと、子育てがもっと楽しくなる遊びの考え方をご紹介します。

子どもにとって「遊び」とは?

「遊び」と聞くと、つい「何かをしてあげなくちゃ」と感じてしまうかもしれません。でも、お子さんにとっての遊びは、特別なものではなく、生活の中に自然にあるものです。抱っこや声かけ、手を握るなどの何気ないやりとりも立派な遊びなのです。
遊びは、お子さんの成長に欠かせない3つの力を育てます。

五感の発達

子どもは「見る」「聞く」「触れる」などの五感を通して、身の回りの環境や人とのかかわり方を知っていきます。

身体能力の発達

子どもは、遊びながら少しずつ体の動かし方を身につけていきます。
「ちょっと遠くのおもちゃを取りたくて手を伸ばしたら、寝返りができちゃった!」「ママの顔が見たくて、ぐっと首を持ち上げた!」など、やってみたいという気持ちが体の成長につながります。

社会性・情緒の発達

笑いかけると笑い返す、そんな小さなやりとりを繰り返すことで、人と関わる楽しさを知っていきます。
この満たされる体験の積み重ねが、健やかな心を育てます。

親子の絆を深める遊び

ここでは、お子さんの様子に合わせて取り入れられ、成長に合わせて楽しみ方が広がる遊びを4つ紹介します。

1:うつぶせ遊び

首すわりや寝返りの準備に大切な遊びです。

【遊びの効果】
● 筋力と運動能力の基盤を築く
● 頭の形のゆがみの予防
● 視覚や感覚を刺激する
● 呼吸器の発達をサポートする

うつぶせ中は、絶対にお子さんから目を離さないでください。顔色や呼吸を確認し、嫌がったらすぐにやめてあげましょう。

【遊び方】
最初は、お子さんが安心できる姿勢から始めます。カンガルーケアのように、おなかの上に乗せてあげるのがおすすめです。
まだ首が安定していない場合は、丸めたタオルを胸の下に置いてサポートしてあげると、少し頭が持ち上がって楽になります。
お顔が埋まってしまう心配も少なくなりますね。
最初は10秒程度で十分です。お子さんの様子を見ながら徐々に時間を延ばしてください。
お父さんお母さんも一緒にうつぶせになって、同じ目線で歌をうたったり優しく話しかけたりすると、お子さんも安心し、遊びをより楽しめます。
鏡を近くに置くのもおすすめです。自分の顔や動く姿を見て、不思議そうにしたり、にっこり笑ったりしている様子を見守りましょう。

2:ハンカチ・タオル遊び

【遊びの効果】
● 感覚の発達を促す
● 運動能力の発達をサポート
● コミュニケーションと社会性の基本になる

顔を覆ってしまわないように、十分注意してください。
顔の近くにタオルがくることを怖がるお子さんもいるので、様子を見ながら遊んでくださいね。
タオルにビーズや飾りなどがあるものは、誤飲の危険があるので使用しないようにしましょう。

【遊び方】
まずは、お父さんお母さんが優しくタオルをお子さんの手に触れさせてあげましょう。
お子さんは感触を確かめるように手を動かします。
その時にお子さんがタオルを握ったら、そっと引っ張りっこをしてみてください。力加減を自然に学びながら、腕や指の筋肉も鍛えられます。
タオルに慣れてきたら、お子さんやご自身の顔をタオルで隠し、「いないいないばあ!」をしてみましょう。表情や声のトーンを変えながら、お子さんの反応を楽しんでください。
タオルをやさしく振って、お子さんに風を送ってあげるのも楽しいです。これは視覚と皮膚感覚の両方を刺激します。
お子さんをタオルの上に寝かせ、両端を持って、ゆっくりと左右に揺らすのも楽しいです。これによって、体のバランスをとる力が育まれます。

3:ふれあい遊び

お子さんにとって、心身の発達と親子の絆を育むうえで、最も重要で不可欠な活動です。
無理強いはせず、お子さんが安心できる場所で遊んでください。

【遊びの効果】
● 情緒の安定と心の成長を促す
● 五感の発達を育む
● 身体能力・運動能力の発達
● コミュニケーション能力・言語発達の基礎

【遊び方】

まずは、お子さんとしっかり目を合わせましょう。
「見ているよ」「安心してね」という気持ちが、お子さんにしっかり伝わります。
日々の授乳やおむつ替え、着替えの時に、やさしく声をかけたり、体を撫でてあげたりするだけでも、立派なふれあい遊びになります。
お子さんがにこっと笑ったり、目をじっと見たり、声を出したりしたら、「楽しいよ」というサインです。逆に顔を背けたり、ぐずり出したら「そろそろやめようね」と合図をして抱っこに切り替えてあげましょう。

4:お散歩・外遊び

ベビーカーや抱っこ紐で外に出るお散歩やお買い物も、お子さんにとって五感と好奇心を育む大切な遊びです。動物園など、特別な場所に行く必要はありません。

【遊びの効果】
● たくさんの刺激が脳の発達をサポート
● 興味と視野が広がる
● 外の光を浴びることで体内時計が整う

お散歩では、「今日は太陽がまぶしいね」「わんわんの声が聞こえたね」と、言葉をかけながら歩いてみましょう。
お子さんが興味を示したら、立ち止まって一緒に見ることで、どんなことに興味を持っているのか知る機会にもなります。

遊びで大切な3つのこと

遊びは、お子さんの成長にとって何よりも大切な時間です。
ここまで具体的な遊び方をご紹介しましたが、どんな遊びをする時にも共通する、絶対に大切にして欲しいことがあります。この3つのポイントについてお伝えします。

①お子さんの反応をよく見る

楽しんでいる時はにこにこ笑ったり、手をバタバタさせたりします。
疲れたり飽きたりすると、目をそらしたり、ぐずったりといったサインを出します。そうしたサインを見ながら、遊びを調整してください。

②無理強いはしない

お子さんが嫌がったら、すぐにやめて大丈夫です。
「今は遊びたくないんだね」と気持ちを受け止めてあげることで、大切な親子のコミュニケーションになります。

③お父さんお母さん自身が楽しむ

これが一番大切なポイントかもしれません。
心から「楽しい」と思っている時間は、必ずお子さんにも伝わります。成長のためにと遊びを義務にするのではなく、お父さんお母さん自身もリフレッシュできる時間にしてください。

さいごに

遊びは特別な道具やテクニックではなく、親子のふれあいと笑顔そのものだというメッセージが届いていれば幸いです。

毎日5分だけでもお子さんを抱きしめる、それだけで十分お子さんの成長を育んでいきます。お父さんお母さんの笑顔こそが、お子さんの健やかな成長に繋がります。

お父さんお母さんの笑顔こそが、お子さんの健やかな成長に繋がります。この記事をきっかけに、育児が少しでも楽しく、安心できるものになりますように。

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