夏休みスペシャル!こども性教育2024イベント開催レポート  〜高学年向け〜

ファミワンが「性教育について伝えられる場を作りたい」と開催している「夏休みスペシャル!こども性教育」。ご好評いただき、この夏で4年目を迎えました。

今年はこれまでの〈低学年向け・高学年向け・保護者向け〉に加えて、初めて〈中学生向け〉の回も開催いたしました。

小学校高学年向けイベントでは121名もの方にご参加いただきました。

スマホやタブレット端末に慣れたお子さまが多く、Q&Aへの回答もスムーズでした!

また「聞いたことなかった」「知ってるよ」など講義へのリアクションがコメントで届いたり、講師とお子さまのコミュニケーションが活発に行われた様子が印象的な回でした。「わーお!」「すごい!」など率直な感想も嬉しいものでした。さらにはコメント欄ではお子さま同士がやりとりする場面もみられました。

高学年向けイベントの講師

株式会社ファミワン ”さやねぇ”こと 戸田さやか(公認心理師・臨床心理士)

株式会社ファミワン ”にのみー”こと 二宮恵梨佳(助産師・性教育認定講師)

参加者について

保護者さま含む大人世代が最も多かったものの、次いで4年生(31%)、5年生(19%)、6年生(9%)となりました。また中学生以上(5%)や1〜3年生(6%)のご兄弟にもご視聴いただけたようです。

男女比(事後アンケートより/29名が回答)は54%が男子、43%が女子という比率でした。

フォームの回答のグラフ。質問のタイトル: 【小学生高学年】1.参加されたお子様の性別を教えてください (お子様が参加されていない方はスキップ下さい。)。回答数: 28 件の回答。

感想について

子供たちの感想

「勉強になった」が最多の72%、「面白かった」「楽しかった」が次いで28%、という回答でした。楽しみながら学んでいただける機会になったのではないかと思います。「難しかった」との声もありましたので、次回以降の講義でより聞きやすくなるよう工夫に努めてまいります!

フォームの回答のグラフ。質問のタイトル: 【小学生高学年】 2. ▼お子様のご感想を教えてください(複数回答可)セミナーに参加してどうでしたか (お子様が参加されていない方はスキップ下さい。)。回答数: 29 件の回答。

保護者さまの感想

  • 子どもが最初は嫌がっていたのですが、クイズや映像を交えて性教育をしてくださったので一時間が短く感じられました。
  • 小学校高学年で知るべきことがよくわかったので。
  • 教科書以上の学習ができた。精子や卵子の画像など勉強になった
  • 私(30歳)が思春期の頃と比べて性被害とインターネットが不可分になっていると思っていたので、その件も話がありよかったです。生理用品の例としてシンクロフィットなどの紹介もあったのが現代的だなと思いました。チャット欄での反応も拾って追加説明があったのも頼もしく思います。
  • なかなか家庭ではトピックにしにくい題材だったので、有識者の方から学びとして伺える機会で、親子で参加できたのが良かったです。
  • わかりやすく楽しいお話で1時間があっという間でした。大変勉強になりました。 子どもも積極的にクイズに取り組んだり、コメントしたりしていました。 子どもを飽きさせない工夫も素晴らしいなと思いました。
  • 低学年では性別は生まれた時の男女違いだけでしだが、高学年では4つの性と詳しく説明いただいて理解が深まりました。
  • 性について知れたことは大変良かったと思います。ただ男の人がどのようにして女性の人に精子を届けるのかという疑問は残っているようで 補足として保護者から伝えるということにをしました。 小学生高学年で避妊の方法などはまだ早いのかもしれませんが、性教育の一つとして 避妊の方法は大変重要なこととなると思うので 次回ももし受講できるのであれば 中学生の方で学ばせた方がいいのかな と感じました。家庭でどこまで話をすればいいのかという疑問も抱きましたが、このような機会がなければ話すことはないので大変良かったと思います。

イベント内容

イベント前半は助産師にのみー、後半は公認心理師・臨床心理士さやねぇによる二本立て!内容盛りだくさんのイベントでした。まずはにのみーの「成長期はいつ」のクイズからスタート!

成長期(第2次性徴)について

90%のお子さんが成長期は「10-14歳」と回答し、自分たち小学校高学年で心身の大きな変化があることを知っていたようです。まずは精通や生理をはじめ、男女それぞれの身体に起こる変化について解説。

精通や生理と「こんな時どうする?」

またにのみーは「ペニスの触り方」「夢精」「生理の出血が洋服についてしまった時」など、子どもたちの「こんな時どうしたらいいんだろう?」についても、具体的に教えてくれました。

お役立ちアイテムを手にとって「にのみーはこうやって使ってるよ」など紹介する場面もありました。お子さんが安心して過ごすためのヒントになったことと思います。

命がつくられる仕組みについて

次は妊娠・出産について。命の始まりは精子と卵子が出会って受精卵となること。

精子と卵子が出会う方法はこの2つ。病院で女性の子宮に受精卵を届ける処置をする方法と、膣にペニスを入れる「性交」ということをお話しました。

出産の方法

出産についても解説しました。帝王切開、経膣分娩さらには無痛分娩など、さまざまな出産の方法があることをご紹介しました。受精卵として命が宿った瞬間から生まれてくるまで、どれもが奇跡の連続です。「赤ちゃんはぐるぐる回りながら出てくるんだよ」など、出産の場面について、現場に携わる助産師のリアルな目線で説明を聞くことができました。

性器の洗い方

今度は性器のお手入れについて。「間違っているものはどれ?」というクイズです。

答えは「①石鹸でゴシゴシ洗う」。これはほとんどのお子さんが正解!

お風呂などで綺麗な手で優しく洗うことをお伝えしました。性器を含むデリケートゾーンは石鹸で洗った綺麗な手で洗って、清潔を保ちましょう。

思春期には何が起こる?

身体の変化のうち「間違っているものはどれ?」というクイズ。

性器の機能や場所は同じでも形や大きさは違う。にのみーから「みんな違ってみんないいんだよ」というメッセージが送られました。

受精の瞬間!驚きのリアクション多数

精子の色は何色?というクイズに続いて、受精についての説明がありました。射精1回あたりに精液には1億個も含まれているとのこと。そのうちの一つが卵子の中に入り込んで、赤ちゃんの始まりになる…

みんなの命がこうして始まっていることに「びっくり!」「拍手」のリアクションスタンプやコメントがたくさん届きました!「卵子に精子1つしか入れないのはどうして?」こんな素朴な疑問を持ったお子さんもいらっしゃいました。

みんなが悩んだ!正常な生理の出血量

答えは「おたま2杯分」個人差も大きい出血量ではありますが、医学的には20〜140mlが正常とされています。

にのみーからは「日中に夜用ナプキン着用していても漏れてしまう…そんな子はご家族や保健室の先生に相談してみてね」というアドバイスも。

お役立ち生理用品

みんなを助ける生理用品についてもご紹介!ナプキン、タンポン、おりものシート、シンクロフィット、月経カップ、吸水ショーツなどの使い方を動画で学びました。

体育の授業、部活動、遠方へのお出かけ時など、必要な場面に応じて活用してみてくださいね。

実際に手に取ったことのない男子も、お母さんや姉妹など身近な人が使っているものとして知るのに良い機会になったと思います。

下着はボディーガード

男女ともに下着を適切に着用することは、犯罪から守るためにもとっても大切ということを伝えました。ぜひ自分が着けやすいものを選んでくださいね。

最後に、にのみーからは緊急避妊薬やコンドームの紹介もありました。

下着はもちろん、自分の身体を守る・サポートしてくれるアイテムを用いて、自分や大切な人を守っていきたいですね。

プライベートパーツと「NO!GO!TELL」

さてここからは、公認心理師・臨床心理士のさやねぇ

大半のお子さんがどこがプライベートパーツか知っていました。身体はどの部分でもあなただけのもの。その中でもプライベートパーツは特別に大切なところ。家族やどんなに親しい人であっても勝手に触られたり、見られたり、見せたりしてはいけないということ。

もし許可なく触られたり、見られて嫌な時は「だめ」と伝えましょう。【NO】

ダメと言ってもやめてもらえない時にはどうしたらいいか…人の多いところへ逃げましょう。【GO】

信頼できる身近な大人に「今日こんなことがあったんだ」と話してみてくださいね。きっと心が軽くなりますよ。【TELL】

合言葉「NO!GO!TELL!」も知っている子がいて心強く思いました。「NO」と言えることや困った時に大人に相談することは、学校生活やお友達との関係においても大切な心がけですね。

こんな遊びしたことありませんか?

大人の方もやったことないでしょうか?ハッとした方も多いかと思います。プライベートパーツの考え方と同じです。

どれも全てルール違反です。許可なくプライベートパーツを触ったり見たり、「NO」と言ってもやめない、誰かの大切なものを勝手に扱う。さやねぇが1つずつNGの理由を説明してくれました。

性別のおはなし

思い込みや決めつけで「あたりまえ」「普通」とされていることが実は多くあります。

身体とこころの性別が違うこともあります。それでいいのです。

「④赤ちゃんをうむのは女の人」とありますが、赤ちゃんを産むかもしれないけれど心の性は男性、ということもあります。さやねぇの「人の性別は決められないね」という言葉が印象的でした。

子どもたちからは「友達にいるよ」「自分の好きすればいいよね」といった前向きなコメントも届いていました。

インターネットの使い方

アンケートではYahooやGoogleでの調べ物、YouTube、Tiktok、LINE、オンラインゲームなどを利用している子が多数。

ここでは情報との向き合い方について、フェイクニュースを一例に解説がありました。

フェイクニュースほど「こんなこと初めて知った」「みんなに広めなくちゃ」という正義が働きやすく、ウソが広まりすいと言います。そんな時にどうしたらいいか、さやねぇが教えてくれました。

もう一つ、プライベートパーツに関わるこんなトラブルもご紹介!家族、友達、先生、好きな人…どんな人にも裸や下着の写真を送ってはいけません。

大切な身体がインターネット上に晒されてしまうことで、あなただけの身体ではなくなってしまいます。他の人の手に入ってしまうのです。

裸や下着姿の写真を欲しがったり…悪い大人はどこに潜んでいるかわかりません。さやねぇからは、自分の身体やこころを守るために「お家の人とインターネット利用のルールを決めよう」というアドバイスがありました。

〈ちょっぴり余談!〉

途中で講師のにのみーがネット環境の不具合で一時的に退室する場面がありました(講義はさやねぇにバトンタッチして継続しました。)

その後まもなく、にのみーが再入室すると「おかえり」といった優しいコメントが沢山寄せられ、先生と生徒のあたたかいコミュニケーションが生まれました!心温まる場面でした。みんなの温かい気持ちと保護者さまのサポートにより、充実したイベントとなりました。

最後に

子供たちがスマホを持ったり、インターネットを利用することがスタンダードになりつつある今、その情報との向き合い方が問われています。性に関する情報もインターネットでは簡単にアクセスできるようになっている中で、子供たち自身が身体やこころを守ることの大切さを発信することの重要性はより高まっていると考えています。

ファミワンでは、妊活・不妊治療や、月経トラブル・人間関係・栄養・食事などさまざまなご相談をお受けしております。自治体、企業、学校に向けて多岐に渡るイベントを開催しております。この性教育イベントも様々な場所で開催できるよう、取り組みを続けてまいります。

企業担当者の方へ

ファミワンでは法人向けサービスとして、女性活躍推進を軸としたダイバーシティ経営を支援する法人向けプログラム『福利厚生サポート』を提供しています。従業員のヘルスリテラシー向上や、組織風土の変容に役立つのみならず、利用促進の広報資料の作成までカバーしており、ご担当者様の負荷の削減にもつながります。