今回は不妊治療の先進医療として認められているタイムラプスについて説明します。
採卵によって採取した卵子は体外受精もしくは顕微授精にて受精させ、受精した胚(受精卵)をインキュベーターという専用の培養機器により胚にとって最適な温度やP H、浸透圧が整えられた機器の中で管理をします。例えると、お母さんのお腹の中を再現したような環境です。
その中で、胚は細胞分裂を繰り返しながら成長をしていきます。
その成長していく胚を培養士が途中で観察(評価)をする必要があります。
観察をする際は、インキュベーターの中から胚を取り出し、顕微鏡にて観察を行います。
タイムラプスインキュベーターとは
タイムラプスインキュベーターは、インキュベーターに顕微鏡の機能と高性能カメラが備え付けられています。
それにより、胚をインキュベーターから外に出すことなく一定の間隔で自動的に撮影することで、胚の成長過程を動画で追うことができます。
タイムラプスのメリット
・インキュベーターから外に取り出すことがなく観察が行うことができるため、胚に与えるダメージが少ない。
・胚の異常な発育を発見することができる
その他
タイムラプスインキュベーターは高額な医療機器であるため、体外受精を実施していても機器が導入されていない施設もあります。
またそれとは逆に、タイムラプスインキュベーターしかない病院もあります。
これから体外受精を検討されていらっしゃる方はタイムラプスインキュベーターが導入されているのか、またその状況など(先進医療で使用することができるのかも含め)も把握した上で病院を決めるのも重要なポイントとなるかもしれません。