乾燥肌の救世主!保湿剤の種類と選び方を徹底解説

いよいよ本格的に寒さが厳しい季節がやってきました。湿度も下がり、体のあちこちが乾燥して辛い…といった方も増えてきたのではないでしょうか。前回は様々な乾燥肌対策をお伝えしましたが、今回は「保湿」に注目してお伝えしていきます。

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乾燥肌とは

まずは「乾燥肌」とは一体どういう状態なのか、振り返ってみましょう。
乾燥肌とは「皮脂が少なめで、水分が不足している肌」のことです。
水分も油分も足りていない状態なので、どちらもバランスよく補給することが大切です。

乾燥はかゆみなどの肌トラブルにつながるだけではなく、美容の面でも悪影響を与えます。乾燥によってお肌のキメが乱れるとくすみの原因、肌表面のうるおいが失われてかたくなると化粧ののりが悪くなり、小じわの原因にもなります。刺激にも弱くなってしまうので、しっかりと対策していきたいですね。

自分の肌をチェックしてみよう

「保湿が大切なのはわかっているけど、どんな保湿剤を使えばいいのか分からない」「自分に合った保湿剤が見つからない」そんなお悩みがある方も多いと思います。

保湿剤を選ぶにあたって、とても大事なことはご自身の肌の状態をきちんとチェックすることです。季節による変化はもちろん、加齢や生理周期などでもお肌の状態は変わっていきます。

乾燥といえば水分不足と思われがちですが、油分不足による乾燥もあるので注意が必要です。
肌の透明感がないと感じるなら肌の角層の水分不足、夕方になると乾燥を感じるなら水分を逃さないように肌にフタをするための油分不足と考えられます。

自分の肌には水分が足りていないのかな、油分はどうかな、とまずはご自身の肌をじっくりと観察してみてください。口元は乾燥が気になるんだけど、Tゾーン(眉から眉間、鼻筋にかけての部分)は皮脂が気になる…といったように、顔や体のパーツによって乾燥の度合いが異なる場合もあると思います。お悩みや部位によって保湿剤を使い分けるのもポイントです。

保湿剤の違い

ここからは具体的に保湿剤の種類についてお伝えしていきます。
ここでキーワードになってくるのが「水分」と「油分」です。水分が多く油分が少ないもの(化粧水・ジェル)から油分が多いもの(乳液・クリーム・オイル)へと順番に紹介します。

「化粧水」

保湿成分が角層(肌の一番外側に存在する部分)に水分を与え、皮膚を柔軟にして、みずみずしく、なめらかでうるおいのある肌を保ちます。油性成分がほとんど含まれておらず、精製水や水溶性の成分で構成されています。一般的には水分補給・保湿を目的とした化粧水がほとんどですが、毛穴の引き締め(収れん作用)・皮脂分泌抑制作用をもつ収れん化粧水や、軽いメイク落としや余分な角層をとるために使用するふきとり化粧水といった種類もあります。

「ジェル」

水性ジェルは水分を多量に含んでいるため、肌への水分補給・保湿効果・清涼効果があります。使用感的にみずみずしく、さっぱりしていて清涼感が感じられるため、夏季や脂性肌用の製品に多く使用されています。

化粧水・乳液・美容液・クリーム・パックなど複数の役割を兼ねたオールインワンジェルと呼ばれるものもあります。洗顔後にひと塗りでスキンケアが完了、商品によってはUVケアや化粧下地としての役割も持つので、スキンケアに時間や手間をかけられない方や疲れた夜のケアにとても便利なアイテムです。オールインワンジェルは基本的に乾燥しやすいので、乾燥が気になる時には部分的にクリームを足すなどで調整をすると良いでしょう。

「乳液」

化粧水とクリームの中間で、肌に水分と油分をバランスよく与えることができます。「ミルク」や「エマルジョン」とも呼ばれます。さっぱり・しっとりなど使用感による違いや、日中用と夜用など使うタイミングの違いなど様々なタイプがあります。肌質や季節で選びましょう。

「クリーム」

油分を中心に与え、うるおいを補います。乳液より油性成分が多く、保湿効果の持続が期待できます。化粧水などの水分の蒸発を防ぐ効果があります。また、季節・使用者の年齢・生活環境・肌質になどによって使用感やタイプが何種類にも分かれている製品もあります。

「オイル」

美容オイルは油性成分を中心に作られ、肌をやわらかくする導入用、美容成分を配合した美容液タイプ、スキンケアの最後のフタの役割をする保湿用などがあります。保湿用のオイルは実は使い道がたくさんあるので、1つ持っていると便利です。化粧水や乳液に混ぜたり、髪や爪の保湿にも使えます。肌になじみやすいアルガンオイルやオリーブオイルは、スキンケアの最初に使うことで肌をやわらかくし、化粧品の浸透力を高めてくれます。オリーブオイルをスキンケアとして使用する際には、食品用ではなく美容目的で作られたものを使用してくださいね。

肌の潤いをキープしたいのであれば、ワセリン・スクワラン・ベビーオイルがおすすめです。
ワセリンは、肌にほとんど浸透しないので敏感肌の方も使用できます。水分補給はできないので、化粧水や乳液で保湿した後に使用しましょう。

また、バームとよばれる固形タイプのオイルもおすすめです。持ち歩きやすく日中の保湿に使えるだけでなく、リップクリームやヘアオイルとしても使えるものもあります。

保湿効果がある美容成分は?

含まれる水分と油分に注目して保湿剤の種類をご紹介しましたが、保湿の役割をするのは水分や油分だけではありません。化粧品の中には、お肌の悩み(乾燥・シミ・しわなど)に対し効果を発揮する美容成分も含まれています。今回は保湿に効果がある美容成分を紹介していきます。

「ヒアルロン酸」

水分をたっぷり抱え込む保湿成分。角層の水分量を増やし保持する、蒸発を防ぐ役割がある。しわにも効果がある。

「コラーゲン」

分子の大きい水溶性コラーゲンは肌の表面を保湿。分子の小さい加水分解コラーゲンは、肌内部でハリを高める。しわにも効果がある。

「スクワラン」

浸透性がよく、べたつかずに保湿できるオイル。さらりとして刺激が少ないのが特徴。皮脂の成分を安定化したもの。

「セラミド」

水になじむ脂質で角層内の水分を保持する。浸透しやすいヒト型と、安価で高配合できる植物型や疑似型がなどがある。敏感肌でも使えるものもある。

「アミノ酸」

分子量が小さいため、角層内まで浸透して水分量を増やす。肌や髪にもともとある保湿成分。敏感肌でも使えるものもある。

「酵母エキス」

天然酵母を発行させた成分で、ビタミンや酵素類を豊富に含む。肌自身の保湿力を高める働きや、代謝促進、抗炎症などさまざまな効果がある。

保湿のポイント

今回は保湿に特化して、乾燥肌対策をお伝えしました。保湿剤や美容成分によって様々な商品がありますが、何より大切にしていただきたいのは「ご自身の肌の状態」と「ご自身の生活スタイル」に合わせて保湿剤を選ぶことです。自分に足りないものを補うといった視点で商品を選ぶのはもちろんなのですが、持っていても使わなければ意味がないですし、保湿を習慣化することが何よりの乾燥肌対策です。忙しくてもこれなら使えそう、持ち歩くのに便利、肌だけでなく髪や爪にも使える、家族みんなで使える、などといった視点で選ぶのも良いと思います。お気に入りの保湿剤が見つかるといいですね。

[参考文献]

  • 小西さやか(2013)『日本化粧品検定協会公式 1級2級対策テキスト コスメの教科書』主婦の友社
  • 小西さやか(2022)『私に本当に合う化粧品の選び方辞典』主婦の友社 小西さやか 櫻井直樹(2015)『効果が9割変わる「化粧品」の使い方』青春出版社

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