「性的同意」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。
性的同意とは、セックスやペッティング、キスなどの性的な行為をする時、相手との間に「性的な行為をしても良い」という意思を確認することです。
性的同意の基本的な考え方
性的同意の基本的な考え方では、「Yes」という言葉での積極的な反応だけが同意とみなされます。それ以外の反応は、同意とみなしません。
例えば、沈黙や笑ってはぐらかすといった反応は、性的な行為に同意していないとみなします。
スウェーデンなどでは、相手との同意がない性交渉はたとえ夫婦間であっても性犯罪にあたります。
「夫婦だからセックスをして当然だよね」と考えず、相手に同意を求め、積極的な同意を得ることが、お互いの尊厳と権利を尊重するためにとても大切なプロセスだと考えられています。
性的同意の意識についてチェックしてみましょう
ここで、ご自分の性的同意の意識についてチェックしてみましょう。
☐キスをしたらセックスしてもいい Yes or No
☐相手が嫌と言っていても、顔が笑っていればOKサインだ Yes or No
☐夫婦なのだから、毎回セックスの同意を取る必要はない Yes or No
☐妊活中だから、排卵日にセックスするのは自然なことだ Yes or No
☐「排卵日はセックスしようね」と約束したら、その約束は妊娠するまで有効だ Yes or No
いくつYesだと思われましたか?
答えは、全てNoです。もし、一つでもYesだと思われたなら、あなたはもしかしたらご自身の体や心をあまり大事にできていないことがあったり、パートナーに望まない性交渉を求めていることがあるかもしれません。
性的同意というのは、夫婦間でも、お付き合いしているカップルでも、
- その都度確認する
- 言葉ではっきりと確認する
ことが大切です。
残念ながら、日本では、性的同意をとることがあまり浸透していない現状にあります。
カップルでお互いに性的同意をとっていないと、性暴力につながるケースがあります。外からは気付かれにくいのですが、夫婦間でも実は問題になっている事が少なくありません。
特に妊活中は、排卵日が近づくとタイミングを取る必要があるため、セックスの誘いをする機会が増えます。すると、こんな思いをしている方もいらっしゃるかもしれませんね。
- セックスに誘われると断りにくい
- 断るとパートナーが不機嫌になるから、されるがままになっている
- 相手を喜ばせたいから我慢している
- セックスの最中は「早く終わってくれないかな」と思っている
- 性欲がわかないけど、妊活だから仕方なくしている
- 自分の誘いに応じてもらっているのだから、自分も相手の誘いには応じなければならない
ここに挙げた例は、女性だけが感じる苦痛ではありません。男性でも同じような苦痛を感じている場合があります。妊活中に妻からセックスを求められることがつらい、というお悩みはとても多いのです。
性的同意を取るということは、男性にとっても女性にとっても同じように大切なプロセスだということがお分かりいただけたでしょうか。
性欲や性的興奮、セックスを楽しめる気分かどうかは、個人差もありますしタイミングによっても異なります。セックスを断ったからといって、お二人の関係性に問題があるとか、愛情が足りないということではありません。また、子どもを望む気持ちと、セックスできるコンディションであるかどうかは無関係です。
お互いに望んだタイミングでセックスできることが理想的ですが、なかなかそうもいかないのが悩ましいところです。だからといって、相手に苦痛なセックスを求めたり、ご自身が苦痛を感じながらセックスするのは、お2人にとって健全な行為とは言えません。
まとめ
信頼関係があるから、セックスに誘うことも断ることもできるのです。
お互いに性的同意をとるよう心がけ、断りたい時にはハッキリそう伝えられると良いですね。
まずはご夫婦で性的同意について知り、断りたい時はどのように伝えればお互いを傷つけずにいられるのか、 話し合ってみていただきたいなと思います。