令和8年最新!東京都の卵子凍結助成制度(融解・受精・移植)を解説【生殖看護認定看護師が伝える】保存した卵子を使う費用をサポート!

2023年度から始まった未受精卵子の凍結保存(社会的卵子凍結)に対する東京都の助成事業に続き、過去に凍結した卵子を使って、実際に生殖補助医療(受精・移植等)を行う際の費用をサポートする助成制度が実施されているのをご存じでしょうか?

「以前に卵子凍結をしたけれど、いざ使うとなるといくら費用がかかるんだろう…」と不安を感じている方もいらっしゃると思います。

実は、東京都の助成事業(凍結時の助成)を利用された方はもちろん、ご自身の自費負担で卵子凍結を行った方、また既に卵子凍結を融解させて受精卵がある状態の方でも、要件を満たせば本制度の助成金を受けられる可能性があります。 今回は、凍結卵子を使用した生殖補助医療への助成について、正確な給付額や知っておくべき重要ポイントを解説します。

1. 助成金の基本構造!「上限25万円」と「上限10万円」の違い

本制度では、実施する1回の治療(周期)の工程に合わせて助成の上限額が設定されています。

凍結卵子を使った治療は自由診療(全額自己負担)となるケースが多いですが、東京都では以下のように治療内容に応じてどちらか一方が適用されます。

① 凍結卵子を融解して受精させ、移植・妊娠確認まで行う過程

  • 助成上限額:1周期につき上限 25万円
  • 内容: 保存していた未受精の凍結卵子を融解し、受精・培養・胚移植・妊娠確認(または医師の判断による中止)までの一連の治療を行った場合が対象です。

※全胚凍結する場合の注意点

融解・受精後にできた胚をいったん凍結(全胚凍結)した場合、胚を凍結した段階ではまだ申請できません。その胚を実際に子宮へ移植し、妊娠確認(または中止)まで完了して1回の治療終了となってから申請するルールとなっています。

② 以前に卵子凍結を融解し作成した凍結胚(受精卵)を融解して移植・妊娠確認まで行う過程

  • 助成上限額:1周期につき上限 10万円

内容: 以前の治療等ですでに凍結卵子から作成・再凍結してあった胚を融解し、子宮へ移植して妊娠確認(または中止)まで行った場合が対象です。

2. 助成対象となるための主な要件と助成回数

助成金を受け取るためには、いくつか決められた要件を満たす必要があります。申請前にチェックしておきたい主なポイントは以下の通りです。

・妻の年齢が43歳未満であること(助成回数に上限あり)

1回の生殖補助医療の開始日における妻の年齢が43歳未満の夫婦(法律婚・事実婚)が対象となります。

また、助成が受けられる通算回数には以下の通り上限が定められています。

・初めて助成を受けた際の開始日において「40歳未満」:通算6回まで
・初めて助成を受けた際の開始日において「40歳以上43歳未満」:通算3回まで

※出産した場合は、1子ごとに助成回数がリセットされ、再び上記の上限回数まで助成を受けることが可能です。

・東京都内に住民登録があること

治療開始日から申請日までの間、夫婦のいずれか(事実婚の場合は夫婦とも同一世帯)が都内に継続して住民票を有している必要があります。

・不妊治療目的以外で凍結した未受精卵子であること

加齢等の将来の不妊に備えてあらかじめ凍結保存(社会的卵子凍結など)しておいた卵子を用いた治療が対象です。

※がん治療等に伴う妊孕性温存や、不妊治療の採卵に由来するものは別事業・制度の対象となります。

・東京都の登録医療機関で治療を受けること

知事が指定する登録医療機関にて実施された治療のみが対象となります。通院先が対象施設かどうか、あらかじめ確認しておきましょう。

3. お伝えしたい注意点と準備のコツ

臨床現場で患者様からご相談を受ける中で、特にお伝えしたい注意点が2点あります。

① 1回の治療の開始日の捉え方

助成の対象期間や年齢判断の基準となる治療開始日は、以下の基準で判断されます。

・融解・受精から始める場合:「凍結卵子の融解を実施した日」

・作成済みの胚を移植する場合:「移植に向けた準備(投薬等)を開始した日」

② 領収書と明細書は必ずセットで保管を!

申請には、医療機関が発行する受診等証明書だけでなく、実際に支払った際の領収書や診療明細書が必要になります。治療中の書類は失くさないよう、専用のファイルにまとめるなど保管しておくのがおすすめです。

4. 終わりに

卵子凍結は将来の妊娠の可能性を残す選択肢ですが、それを実際に使用して妊娠・出産を目指すフェーズに入った際、金銭的なハードルが立ちはだかることがあります。

東京都の「融解から移植までで上限25万円」「作成済み胚の移植で上限10万円」という助成制度や、1子ごとの回数リセットルールは、そうした不安を和らげ、一歩を踏み出すための心強い味方になると思います。

制度の適用条件や必要書類について不安な点がある方は、通院されたクリニックのスタッフや、東京都福祉局へ確認されることをお勧めします。

【参考文献】

事業の概要:東京都福祉局, https://www.fukushi.metro.tokyo.lg.jp/kodomo/shussan/ranshitouketsu/shiyou/gaiyou (2026.9.25現在)

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