夏の必需品!虫よけの効果的な使い方とは?

いよいよ夏本番。山や海など、アウトドアのお出かけが楽しみな季節ですね。
同時に、これからは虫の活動も活発になっていきます。夏は肌の露出も増えますので、お出かけ前に虫よけスプレーなどで対策をされる方も多いでしょう。

さて、当たり前に利用される虫よけですが、どのように効果を示すかご存じでしょうか?そもそも、本当に効いているの?と疑問に思われるかもしれません。

最大限に効果を発揮するためには、いくつかポイントがありますので、ぜひ本コラムを参考にしてください。
今回は今の時期に気になる、虫よけについて解説していきます。

虫よけ成分の種類

まずは使用している虫よけが、対象の虫に効くものかどうか製品のパッケージを確認してみましょう。
例えば、蚊に効果があるのは、「医薬品」または「防除用医薬部外品」の表示があり、効能効果や適用害虫の欄に「蚊」と記載された製品です。
※「医薬品」、「防除用医薬部外品」は効果や品質、安全性の面から、厚生労働省より正式に製造販売承認を受けたものです。

虫よけ成分の代表として、「ディート(ジエチルトルアミド)」「イカリジン」があります。どちらも蚊に効果を発揮しますが、それぞれに特徴があります。

ディート

ディートは、日本で50年以上長く使用され、世界で最も広く使われている虫よけ成分です。蚊の他にも、アブやブユ(ブヨ)、マダニ、ヤマビルなど多くの害虫に対して効果があることが特徴です。ただ、衣類の一部(レーヨンや皮など)やプラスチックを傷めることがあります。

イカリジン

イカリジンは、日本では 2015年に承認された比較的新しい虫よけ成分です。特徴として、年齢による使用制限や回数制限がないことがあげられます。また、においが少なく衣類に優しいです。ストッキングや薄手の生地の上からでも使用可能となっています。

虫よけはどんな効果があるの?

蚊の場合、メスの蚊のみ人の皮膚臭と呼気中の二酸化炭素により人に引き寄せられて吸血をします。
虫よけを使うと、皮膚から揮発した有効成分によって寄ってきた蚊の感覚を麻痺させて、人を刺せなくなる効果を発揮します。
ちなみに、虫よけによって蚊が死ぬことはありません。
虫よけは塗った表面の近くでのみ効果を示し、使用しても死ぬことはなく、ただ近寄りづらくなるということです。

どのくらい効果が続くの?

有効成分の濃度が高いほど、持続時間が長くなります。
虫よけ製品の濃度(パーセント)に注目してみましょう。
ディートはもともと、米軍がマラリア予防のために開発したものです。海外では以前から濃度30%以上のものが使用されていました。
日本では以前まで12%が最高濃度とされていましたが、2016年より30%濃度の製品が発売されるようになりました。
ディートについて、12%の製品は6時間程度、30%の製品は8時間程度の持続時間となります。

また、イカリジンでは、5%と15%の製品があります。
濃度5%で6時間程度、濃度15%で8時間程度の持続時間です。

外出先が、虫が多い地域や本格的なアウトドアスポットの場合は濃度の高い方を選ぶのがよいでしょう。外出時間が長時間か短時間によっても濃度の使い分けができるとよいですね。
また、雨に濡れることや汗をかくことで虫よけの効果は落ち、持続時間は短くなります。
あくまで先ほど説明にあげた時間は参考程度にしていただき、外出時間や状況によって途中で塗り直しをすることも大切です。

虫よけ製品はどんなタイプがあるの?

高圧ガスが充填してある「エアゾルタイプ」、霧状にミストが広がる「スプレータイプ」、「液体・ジェルタイプ」、「シートタイプ」など、製品の種類はさまざまです。
「エアゾルタイプ」や「スプレータイプ」は、皮膚全体にシュッとふきつけることができます。しかし、ムラができやすいので、ふきつけた後に手のひらで塗り広げることがポイントです。また、顔の付近にふきつけると目に入ったり、吸い込んだりして刺激を受けることがあるので、顔や首筋、耳などには、一度手のひらに出してから塗り広げるようにしましょう。
「液体・ジェルタイプ」と「シートタイプ」は、手にとって肌にムラなく塗り広げるように使用します。手でしっかりと肌に密着させることができる「シートタイプ」は外での携帯用に便利ですね。

「虫よけを塗ったはずなのに刺されてしまった」という経験をされる方も多いのではないでしょうか?
蚊は塗りムラを感知して、虫よけのかかっていないわずかな隙間を刺してきます。
防ぎたい部分には、全体にムラなく塗ることが大切です。

子ども向けの虫よけは?

厚生労働省よりディートを12歳未満の子どもに使用する場合は、以下のような使用回数の目安と、顔には使用しないことが定められています。

【ディート】子どもへの使用の目安
・生後6ヶ月未満:使用しないこと
・生後6ヶ月以上2歳未満:1日1回
・2歳以上12歳未満:1日1~3回

ディートはこのように使用制限があるため、お子さんへの使用はイカリジンがおすすめです。
イカリジンは年齢・回数の制限なく、においや刺激も少ないのでお子さんが使用していただくのに安心でしょう。

子どもが使う際の注意点

小さいお子さんの場合、無意識に手を口に入れてしまうことがあります。
使用の際には、保護者が一度保護者の手に取って、塗ってあげてください。お子さんの目と口には入らないように注意し、耳の周りには控えめに塗るようにしましょう。
また、お子さんの手の届かない場所で管理するように気を付けてくださいね。

注意点

虫よけを使う際の注意点についてまとめました。
製品パッケージの使用上の注意を必ず読んで、正しく使用してくださいね。

  • 虫よけは露出した皮膚や衣服に塗ってください。
  • 傷などの炎症をおこしている部位には使用しないようにしましょう。
  • 屋内に戻ったら洗剤と水でよく洗い流して下さい。
  • 吸い込むことで刺激になることがあるため、密閉された場所でスプレーを使用することは避けましょう。
  • 顔に塗りたい場合は、直接ではなく一度手に取って伸ばした後、顔に塗ってください。刺激になるため目や口には入れないようにしましょう。
  • 万が一目や口に入ったときはすぐに水またはぬるま湯で洗い流してください。体調不良などあれば、早めに受診するようにしましょう。(その際、使用した虫よけの成分について医師に伝えてくださいね)

さいごに

今回、虫よけにはどんな効果があるか、使い分けのポイントについてお話ししました。
虫よけは成分、製品のタイプは個人の用途や目的に合わせて使い分けることが大切です。
今後、皆さんが製品を選ぶ時の参考にしていただければと思います。
虫に刺されるとかゆみや腫れだけでなく、思わぬ感染症にかかってしまうこともあります。
虫が多い環境では、肌の露出を控えるなど服装にも注意して対策しましょう。

正しい虫よけの使用で、安心で楽しい夏を過ごしていきましょう!

●参考
国立感染症研究所ホームページ
https://www.niid.go.jp/niid/images/vir1/PDF/deet.pdf

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