葛根湯ってなに?

漢方薬の代表選手といえば葛根湯。「漢方って長く飲まないと効かない?」を真っ向から否定してくれる即効性のある漢方薬です。今回は葛根湯の正しい使い方や注意点、そして応用編までご紹介します。

どんな効果がある?

葛根湯を簡単に説明すると、体を温め発汗させることで体に侵入しようとする邪気を追い払う!です。突然「邪気」と聞くと怪しい感じがするかもしれませんが、カゼを風とは書きませんよね。漢方では風邪を「ふうじゃ」と読み、細菌やウイルスのことを邪気の一つと捉えます。

どんな時に飲む?

風邪の初期でゾクゾクするような寒気があり、まだ汗をかいていなければ葛根湯の出番です。飲むタイミングが早ければ早いほど、葛根湯の持つ即効性を​​​​いかんなく発揮することが出来ます。ゾクゾク感以外に、発熱や関節の痛み、頭痛や肩こり、透明な鼻水や鼻づまり、風邪に伴う下痢にも効果があり、寒い季節は特に重宝します。

漢方なら安全は間違い

葛根湯には即効性がある分、残念ながら副作用もあります。葛根湯に含まれる麻黄(まおう)という成分が交感神経を刺激し、不眠や興奮、動悸や胃腸障害を起こすことがあるのです。そのため、症状がないのに予防として飲むことはお勧めしません。また、疲れやすく汗をかきやすい方、元々胃腸が弱い方、サウナに行ってもスッキリしない方の風邪の初期には麻黄を含まない漢方薬をお勧めします。

〜麻黄を含まない優しい漢方薬〜
香蘇散(こうそさん):胃腸が弱く神経が過敏なタイプの風邪の初期に
桂枝湯(けいしとう):ゾクゾク感・発熱・頭痛があり、汗ばむような風邪に
銀翹散(ぎんぎょうさん):寒気はなく喉の痛みからくる風邪に
麦門冬湯(ばくもんどうとう):風邪の後期に残った乾いた咳や痰のきれが悪い時に

妊娠中や授乳中

妊婦さんの場合、出来るだけ安全な薬で対処したいという理由で漢方薬が好まれることも多いのですが、葛根湯よりは上記の4種類が向いています。葛根湯が流産や催奇形性の原因になることはありませんが、発汗させることで母体に負担がかかり、動悸や不眠、血圧上昇を起こす可能性があるからです。担当の医師に相談し、服用するとしても短期間にとどめましょう。 授乳中は、妊娠中よりは比較的安心して使用できます。葛根湯の成分が母乳に移行して赤ちゃんが興奮したり寝つきが悪くなるようでしたら、他の薬に切り替えましょう。

乳腺炎に

「おっぱいが痛くなりゾクゾク寒気がしてきた、熱が出そう!」という段階で飲むと、乳腺炎の悪化を防げることもあります。熱が出て痛みも強ければ、細菌性の化膿性乳腺炎になっている可能性が高いので病院で抗菌薬を処方してもらいましょう。また、興奮成分が母乳に移行することが心配な場合は、牛蒡の種である牛蒡子(ごぼうし)や蒲公英(たんぽぽ)で対処する方法もあります。

肩こりに

葛根湯は筋肉のこわばりを緩和する作用があるので、肩こりに使う人も少なくありません。冷房などの冷たい風が当たって起こる肩こりにはとてもよく効くのですが、長期的な連用は避けましょう。慢性的に血流が悪いことが原因の肩こりには、血流改善の漢方薬を服用された方が全身にも良い効果が現れます。

子どもにも葛根湯

子どもは基本的に体力があるので、用法用量を守れば1歳ごろから服用できます。味が苦手な子にはココアやミロ(ココア味の麦芽飲料)などに混ぜて溶かすと飲みやすくなりますよ。また、抗菌薬を使うほどではない軽症の中耳炎や、抗菌薬が効かない中耳炎に使うこともあります。

よく効く飲み方

葛根湯と言う名前からも分かるように「○○湯」と書かれた漢方はお湯に溶かして飲むことが推奨されています。特に葛根湯は体を温める漢方薬ですので、可能であればお湯に溶かしてフーフーしながら飲むくらいがちょうど良いです。すりおろした生姜や生姜湯を混ぜるとさらに体が温まります。胃腸が弱くなければ空腹時の服用がお勧めです。 また、風邪薬や解熱鎮痛剤との併用は避けてください。成分が重複することで副作用が出やすくなったり、葛根湯の体を温める作用を打ち消してしまうからです。

インフルエンザやコロナにも葛根湯?

結論から言うと使えます。しかし、漢方薬は元々「○○病には□□漢方」といった使い方はしません。風邪一つとっても、どんな体質の人が飲むのか、どんな症状のどの段階で飲むのかによって使う漢方薬が少しずつ変わってきます。体力中等度以上の方で、ゾクゾクして体が痛み発熱しそうな段階で早めに服用すると早く治ることは実際にあるので、機会がありましたらお試しください。

最後に一言

漢方医学はややこしくて難しいように感じられるかもしれませんが、基本さえ覚えてしまえば親しみやすい家庭の医学になります。「葛根湯がよく効いたから漢方薬に興味を持った」と言うお声も時々耳にします。この記事を読んで、少しでも漢方に興味を持って下さると嬉しいです。

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