パートナーとの性交渉で、「感じない」「気持ちよくない」「体の相性が悪いのかな?」と悩んだことはありませんか?
このコラムでは、そんなお悩みを解決するエクササイズ「センセート・フォーカス」をご紹介します。
センセート・フォーカスとは?
センセート・フォーカスは、1970年代からセックス・セラピーに用いられている基本的なエクササイズで、今でも性交渉に悩むカップルに用いられる代表的な方法の一つです。
パートナーに気持ち良くなってほしい
性交渉でパートナーを満足させられなかった経験がある
自分だけが気持ち良くなっているようで申し訳ない
このように、相手への気遣い・思いやりが強すぎると、自分自身が気持ち良いと感じることに無意識のブレーキをかけてしまうことがあります。パートナーに快感を与えることだけに熱心になると、自分自身の快感をなおざりにしてしまいます。
相手を思いやることは大切ですが、性交渉では少しくらい利己的になっても大丈夫。
準備すること
ふたりでシャワーを浴びて身体を清潔にしたら、何も衣服をつけずにベッドへ入りましょう。爪が伸びていると相手の肌を傷つけてしまうかもしれません。爪の手入れも忘れずに。
ベッドが潤滑ゼリーや愛液で汚れてしまうのが気になると、エクササイズに集中できません。ベッドにバスタオルを敷くなど、環境を整えておきましょう。
これからお互い、順番に相手の身体を愛撫します。ただし、性器には触れないこと。どちらが先に相手を愛撫するか、順番を決めます。
愛撫する側
愛撫する側は、パートナーを喜ばせてあげることに集中してください。
パートナーにうつ伏せになってもらい、できるだけ優しく、やわらかく肌に触れていきましょう。
後頭部から始めて、耳、首、背中、脇腹へと、ゆっくり下にさがっていきます。
お尻、ももの内側、足の指先までじっくり触れていきましょう。
背中側を十分に刺激したら、今度はパートナーに仰向けになってもらいます。
頭から始めて、顔、首、胸、おなか、脇腹、もも、足の指先まで、ゆっくり優しく触っていきましょう。
愛撫される側が男性の場合、ペニスには触れません。
愛撫される側が女性の場合、乳首、クリトリス、膣の入り口には触れません。
愛撫を受ける側
愛撫を受ける側は、相手のことは配慮せず、利己的に、全神経を集中させて愛撫を受けることを楽しんでください。この時、触られ方の好みを相手に伝えましょう。
もっと優しく触ってほしい、ゆっくりしてほしい、もう少し強く触ってほしい、そこは気持ち良い・気持ち良くないなど、素直に言葉にして伝えましょう。
相手が疲れるんじゃないか、飽きるのではないかなど、心配しないこと。
おふたりが十分だと思えるまで愛撫したら、愛撫する側・される側を交代しましょう。
感覚に集中すると心と身体のクセがわかる
このエクササイズで重要なのは、自分自身の感覚に集中することです。すると、あなた自身の「性交渉するときの心と身体のクセ」のようなものがわかってきます。
普段の性交渉では触れられない部位で、快感を得たかもしれません。普段パートナーが熱心に触れてくる部位が実はあまり気持ち良くなかったり、触り方を変えてもらえれば気持ち良く感じられたりしたかもしれません。
愛撫される側より、する側の方が心地良かったなら、パートナーを性的に喜ばせることに関心があるということかもしれません。逆に、パートナーがあなたを喜ばせようとすると、申し訳ない気持ちや居心地の悪さを感じているかもしれません。
触れられ方の好みを上手く伝えられなかったのなら、あなたは普段の性交渉でも羞恥心や遠慮から、相手に要望を伝えられていない可能性が高いでしょう。もしくは、パートナーがあなたの要望を聞き、受け入れてくれると思えていないのかもしれません。
パートナーが疲れてきていないか、飽きていないかと考えてしまい、リラックスできなかったなら、普段の性交渉でも相手のペースに合わせているかもしれません。自分の快感をなおざりにして、パートナーだけがオーガズムに至ったら、性交渉の時間を終わりにしているかもしれません。本当はもっと触れてほしいと、素直に伝えても良いのです。
「センセート・フォーカス」は、カップルが互いに合意の上で行います。おふたりが、ロマンティックな触れ合いをもっと楽しめるようになりたいと思われたら、何度か試してみてください。
もしも、一方がこのエクササイズに否定的な反応を示したときは避けるべきです。また、エクササイズのためにたっぷり時間を使える日を選んで行います。
ファミワンでは、性交渉のお悩みについても専門家がアドバイスします。
「センセート・フォーカス」以外にも、お二人の状況に応じて様々なエクササイズをお伝えすることができます。
性交渉のお悩みについては詳しい状況を把握できた方が、適切なアドバイスをお送りできます。
ファミワンの自由相談からご相談くださいね。
【参考文献】
Kaplan, Helen S. New Sex Therapy: Active Treatment Of Sexual Dysfunctions. New York : Brunner / Mazel, 1974.