妊娠に向けてご自身の健康を整えるためには、日頃からバランスのよい食事を心がけることが大切です。今回は、女性が不足しやすい栄養素の中から、「鉄」と「カルシウム」にスポットを当ててご紹介します。
1. 妊活中から意識したい「鉄」
鉄は、血液中のヘモグロビンをつくるために欠かせない栄養素です。ヘモグロビンは、全身に酸素を運ぶ大切な役割を担っています。
● 妊活中に鉄を意識したい理由
月経のある女性は、毎月の経血によって鉄を失うため、鉄が不足しやすい傾向があります。
さらに妊娠すると、赤ちゃんの成長や胎盤の形成、循環血液量の増加に伴い、必要となる鉄の量が増えていきます。そのため、妊娠してから急に食生活を変えるのではなく、妊活中から毎日の食事の中で鉄を意識して摂ることが大切です。
● どのくらい摂ればいいの?
・18~29歳:10.0mg/日
・30~49歳:10.5mg/日
※月経のある女性の推奨量です。妊娠中は時期によって必要量が増加します。
● 毎日の食事でのポイント
鉄は、赤身の肉や魚、大豆製品、緑黄色野菜など、さまざまな食品に含まれています。ひとつの食品に偏らず、主食・主菜・副菜を組み合わせた食事の中で、鉄を含む食品を取り入れていきましょう。
2. 簡単!「鉄」を摂れる妊活レシピ
ここからは、忙しい方や料理初心者の方でも手軽に作れる、鉄を含む食材を使ったレシピをご紹介します。
<かつおのたたき塩こうじ漬け>

材料(2人分)
かつおのたたき:200g
玉ねぎ:1/4個(約50g)
しそ:6枚(約3g)
塩こうじ:20g
レモン:2切れ(約6g、お好みで)

<作り方>
- かつおのたたきを食べやすい大きさに切ります。
- かつおに塩こうじをまぶし、ラップをして冷蔵庫で30分ほど漬け込みます。
- 玉ねぎを薄切りにします。
- しその軸を切り落とし、葉をくるくると巻いて千切りにします。
- かつおを器に盛り、玉ねぎとしそをのせたらできあがりです。好みでレモンを添えてください。


塩こうじの酵素の働きによって、かつおのうま味が引き立ちます。
◇栄養コメント◇
かつおには、鉄やビタミンB12が含まれています。鉄はヘモグロビンの構成成分であり、ビタミンB12は正常な赤血球の形成に関わる栄養素です。玉ねぎやしそ、レモンなどの香味野菜を組み合わせることで、さっぱりと食べやすく、妊活中の毎日の食事にも取り入れやすい一品です。
※本レシピは妊活中の方を対象としたレシピです。かつおは妊婦が摂取量に注意すべき魚種には含まれていませんが、妊娠中は食中毒予防の観点から、生または加熱不十分な魚介類には注意が必要です。
3. 妊活中から意識したい「カルシウム」
カルシウムは、骨や歯の形成・維持に欠かせない栄養素ですが、若い女性では摂取量が不足しがちな傾向があります。
● 妊活中にカルシウムを意識したい理由
カルシウムは、ご自身の骨や歯の健康を保つために必要なだけでなく、妊娠すると赤ちゃんの骨格形成にも使われます。
妊娠中はカルシウムの吸収率が高まるため、日本人の食事摂取基準では、妊娠したからといって通常より多く摂る「付加量」は設定されていません。
大切なのは、妊娠してから急に摂取量を増やすことではなく、妊活中から普段の食事で必要な量をしっかり摂る習慣をつけておくことです。
● どのくらい摂ればいいの?
650mg/日
※18~49歳女性の推奨量です。
● 毎日の食事でのポイント
牛乳やヨーグルト、チーズなどの乳製品は、カルシウムを摂りやすい食品です。毎日の食事に取り入れる習慣をつけるとよいでしょう。
乳製品が苦手な方は、小魚や大豆製品、カルシウムを多く含む葉物野菜なども活用できます。
4. 簡単!「カルシウム」を摂れる妊活レシピ
次に、カルシウムを含む食材を使った、手軽に作れるレシピをご紹介します。
<黒ごまと厚揚げのチーズ焼き>

材料(2人分)
- 厚揚げ:2切れ(約250g)
- とろけるチーズ:大さじ4(約20g)
- 黒ごま:大さじ1/2
- だしつゆ:大さじ1/2

<作り方>
- トースターの受け皿にアルミホイルを敷き、厚揚げを並べます。
- 厚揚げにだしつゆをかけ、とろけるチーズをのせます。
- トースターで5分ほど、チーズに焼き色がつくまで焼きます。焦げそうな場合は、様子を見ながら加熱時間を調整してください。
- 黒ごまをすり鉢ですります。
- 焼き上がった厚揚げに、すった黒ごまを振りかけたらできあがりです。


たんぱく質が豊富な厚揚げは、油抜き不要の商品もあり、忙しい毎日の食事づくりの味方に。
◇栄養コメント◇
厚揚げ、ごま、チーズはいずれもカルシウムを含む食品です。複数の食品を組み合わせることで、毎日の食事の中でカルシウムを取り入れやすくなります。
また、厚揚げはたんぱく質も摂ることができ、忙しい日の一品にも便利です。黒ごまは、すってから加えることで香りが立ち、料理の風味も豊かになります。
まとめ:今日からできる小さな一歩
不足しがちな鉄とカルシウムを妊活中から意識して摂ろう
鉄もカルシウムも、女性が日頃から不足しやすい栄養素です。
妊活中だからといって特別な食品を摂るのではなく、主食・主菜・副菜をそろえたバランスのよい食事を基本に、鉄やカルシウムを含む食品を日々の食事に取り入れていきましょう。
妊娠に向けたからだづくりのために、できるところから少しずつ、毎日の食生活を見直してみませんか。
<参考文献>
日本人の食事摂取基準(2025年版)
https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/001316585.pdf
国立研究開発法人国立成育医療研究センター
プレコンセプションケア「ライフスタイル:栄養・食生活」
https://precon.cfa.go.jp/pdf/iryou/med_manual.pdf
こども家庭庁「妊娠前からはじめる妊産婦のための食生活指針」
https://www.cfa.go.jp/policies/boshihoken/shokuji
内閣府食品安全委員会「お母さんになるあなたと周りの人たちへ」









