職場に妊活の相談はした方が良い?
妊活していることを職場に伝えるのは、勇気が要りますよね。できれば人に知られず妊活したいという方は少なくありません。「妊活しています」と言葉にするのは、「妊娠したくてもできない私」に直面させられることでもありますから。
職場に妊活していることを相談した方が良いかどうかは、職場の環境や雰囲気、同僚との関係性によって違います。
職場に相談した方が良い場合は、「相談することであなたの妊活に何らかのメリットや必然性があるとき」と言えるでしょう。例えば、社内に不妊治療への支援制度がある場合や、体外受精のように受診頻度が高く、勤務の調整をしなければならない場合です。
職場の支援制度を調べてみよう
まずは、職場に何らかの支援制度があるのか調べてみましょう。
不妊治療と仕事の両立に特化した支援策を講じている企業は、平成29年度の調査(※1)で3割と、まだまだ少ないのが現状です。しかし、厚生労働省は企業に対し、不妊治療と仕事を両立する職場環境づくりのマニュアルを作成するなど、啓もう活動を行っています。
令和2年6月には労働施策総合推進法、男女雇用機会均等法及び育児・介護休業法が改正され、不妊治療に対するハラスメント防止対策も事業主の義務として明記されました。これからは不妊治療と仕事の両立支援に取り組む企業が徐々に増えていく希望が持てますね。もしかしたら、あなたの職場でもいつの間にか支援制度が設けられているかもしれません。
治療のために勤務の調整が必要な場合、はじめのうちは「病院へ行くので」「用事があって」など何となく濁してやり過ごすこともできるでしょう。しかし、治療期間が長くなるにつれ、「いよいよ職場に伝えざるを得ない」とか「事実を隠して休みを取り続けるのが心苦しい」と罪悪感にさいなまれる時が来るかもしれません。
そんな時は、職場の中であなたが比較的話しやすい人、信頼できる人を選んで相談しましょう。上司がそれに該当するなら、働き方の相談をしてみましょう。上司が話しにくい人なら、上司への相談の仕方を誰かに相談してみましょう。
大切なのは、職場にあなたの味方を作ることです。
妊活していることを職場に伝えている人はどれくらいいるの?
不妊治療をしていることを職場に伝えている人の割合を調査したデータがあります(※1)。女性では、「上司・同僚・人事いずれかに伝えている(伝える予定)」が41%、「一切伝えない予定」が47%、「オープンにしている」が7%、「その他(仕事をしていないなど)」が5%でした。
職場に伝えない理由としては、「不妊治療をしていることを知られたくないから」「周囲に気遣いをして欲しくないから」「不妊治療が上手くいかなかった時に職場に居づらいから」「伝えなくても支障がないから」「周囲から理解を得られないと思うから」といったことが挙げられます。
これらのことから考えると、不妊治療に対して偏見や誤解を持たれるだろうか・相談しても理解してもらえないのではないか、といった不安があると、職場に伝えにくいということですね。
まとめ
妊活について職場に伝えるかどうかは、
「妊活の状況」×「職場の制度」×「職場環境(妊活への理解度や人間関係)」
のかけ合わせで判断することになります。
必ずしも職場に伝える必要はなく、ご自身にとって伝える必要があるかどうかで決めて良いことではないでしょうか。
(※1) 厚生労働省:平成29年度「不妊治療と仕事の両立に係る諸問題についての総合的調査研究事業」