職場にどんな内容を伝えれば良い?
妊活について職場の理解やサポートを得たい場合とは、どのようなときでしょうか。勤務調整を上司に相談する場合や、チーム内に妊婦さんや子育て中の同僚がいて精神的に辛いという場合もあるでしょう。
治療のため勤務調整が必要な場合
厚労省が不妊治療と仕事の両立を支援する取り組みの一つとして、「不妊治療連絡カード」という書類のフォーマットを公開しています(https://www.mhlw.go.jp/bunya/koyoukintou/pamphlet/dl/30b.pdf)。
これは不妊治療を受けている方が、職場に不妊治療中であることを伝え、社内の制度を利用する際に使用することを目的として作成したものです。会社に治療状況を提出する必要がある場合は、主治医に依頼すれば書いてもらうことができます。
不妊治療で通院が必要な場合、上司や同僚が理解してくれるか不安ですよね。また、職場の雰囲気やご自分の立場上、不妊治療を受けていると言い出しにくいこともあるでしょう。
最近では「妊活」「不妊治療」という言葉が知られてきているものの、具体的な内容について知識のない方は少なくありません。たとえ不妊治療経験のある方でも、治療の内容は人によって違います。
あなたの妊活について一番理解しているのはあなた自身。それ以外の人には、具体的に説明する必要があるのです。
不妊治療全般の特徴
不妊治療全般の特徴として、次のようなことが挙げられます。
- 実際に受診しないと次の受診日が決まらない
- 頻繁に通院が必要
- お薬を使う場合、人によって副作用の出方が違う(体調が悪くなる人もいるし、そうでない人もいる)
- 受診にかかる時間が予測しにくい
- 受診期間が予測しにくい
このような特徴は、一般的にあまり知られていません。周囲の協力を得たい場合、まずは不妊治療の特徴について知ってもらう必要があるでしょう。また、一口に不妊治療といっても治療方針は人によって様々です。あなたの場合は月にどれくらい受診が必要で、どんなお薬を使うのか、施術やお薬の身体への負担はどれくらいか、主治医と相談してご自身でよく知っておくことが大切です。
お仕事をしながら不妊治療を受ける方は多いので、主治医にお仕事の状況を伝えると、ある程度は受診日や時間帯を調整してもらえる場合があります。お仕事と両立するためにも、主治医とのコミュニケーションのしやすさは病院選びの大切な要素ですね。
上司や同僚にどう思われるのだろう?
不妊治療を受けている部下や同僚がいる人の声を聴くと、次のような回答が見られました。
- どんな治療をしているのかわからないので、どんな協力・配慮が必要なのかわからない。
- プライバシーにかかわることなので、どんな治療を受けているのか聞きにくい。
- 治療について尋ねると、セクハラやパワハラと捉えられてしまうかもしれないので聞きにくい。
- どうして頻繁に休むのかわからず心配だったが、不妊治療を受けているとわかれば協力できることもあるので、話してもらえてよかった。
ここからわかるのは、上司や同僚の立場の方も、「よくわからない状態では何をどう協力して良いかわからず困ってしまう」ということです。
職場へ相談する時はどのような対応をして欲しいか具体的に伝える
職場(特に上司)へ相談する時、どのような対応をして欲しいのか具体的に伝える必要があるということですね。いくつか例を挙げてみます。
- 妊活のために通院しているが、体のリズムに合わせて受診しなければいけないので、前もって受診日を決められない。早退や急な休みが必要な場合がある
- 通院に必要な時間だけ休めるよう、時間単位で休暇を取らせてほしい
- 治療の影響で体調不良が続いているので、出勤時間を遅らせてほしい
- 不妊治療を受けていることを同僚に知られたくない
具体的な要望を伝えると、職場の方も「これは協力できる」「それは難しいがこういう方法はどうだろうか」とあなたの相談に乗りやすいでしょう。
この時、ご自身がお仕事のために努力している内容を伝えるのもポイントです。例えば、次のような内容です。
- 主治医と相談し、できるだけ勤務に支障が出ないよう受診日や時間を調整している
- 病院の待ち時間で電話対応や書類作成ができる
- 〇〇さんには不妊治療を受けていることを相談している
要望を伝えるだけでなく、あなた自身が努力をしている、あるいはその準備があると伝えることで、職場の方はあなたが頑張っている状況を理解しやすくなります。すると、心情的にも協力しやすくなるかもしれません。