妊活中の方必見!葉酸がもたらす胎児への影響と理想的な摂取量

葉酸について

妊娠中の女性にとって、適切な栄養摂取はお母さんの体と赤ちゃんの健康を守るために、とても大切です。その中でも、特に注目される栄養素が「葉酸」です。葉酸はビタミンB群に属する水溶性ビタミンで、赤ちゃんの成長と発達、お母さんの体にも大切な役割を果たします。本コラムでは、葉酸の重要性、推奨される摂取量、葉酸を多く含む食品、摂取に関する注意点、さらに妊娠中の女性が抱くよくある質問に答えていきたいと思います。

葉酸の役割とその重要性

葉酸は、体内でDNAやRNAの合成を助け、細胞の分裂や成長に欠かせない栄養素の一つです。特に妊娠初期には、赤ちゃんの神経管(脳や脊髄になる部分)の発達が急速に進むため、葉酸が不足すると「神経管閉鎖障害」のリスクが高まります。このため、特に妊娠を考えている女性や妊娠可能年齢の女性は、日常的に十分な葉酸を摂取することが推奨されています。

「神経管閉鎖障害」とは、妊娠初期に神経管がうまく形成されないことで、脳や脊髄に影響を及ぼす障害のことです。この中で特に多いのが「二分脊椎」「脳瘤」「無脳症」です。

日本では、出生1万人当たり約6人がこの障害を持って生まれており、年間でおよそ500人程度が該当します。

神経管は妊娠6週ごろに完成するため、妊娠4〜5週ごろにはすでに作られ始めています。この時期は、妊娠に気づくかどうか、という時期です。妊娠に気がついてから摂取するよりも、妊娠を考え始めた段階や妊娠可能年齢の女性は、日常的に葉酸を積極的に摂取することが推奨されています。

葉酸のその他の健康効果

動脈硬化の予防

葉酸の効果は胎児に対するものだけではありません。例えば、葉酸には血中のホモシステイン濃度を低下させる作用があるとされています。ホモシステインはアミノ酸代謝の副産物で、高濃度になると動脈硬化のリスクが増加します。動脈硬化は心血管疾患や妊娠高血圧症候群(妊娠中に高血圧を引き起こす状態)のリスクを増加させますが、葉酸を適切に摂取することで、これらのリスクを軽減することができると考えられています。

美容効果も◎

葉酸には女性にとって嬉しい美肌効果もあります。細胞の再生をサポートする働きがあるため、新陳代謝が上がることで肌のターンオーバーを促し、ダメージを受けた皮膚の再生を助けてくれるのです。くすみや肌荒れの改善にも効果が期待できます。

妊娠中の葉酸の推奨摂取量

厚生労働省は、妊娠を計画している女性や妊娠初期の女性に対して、1日に0.4mg(400μg)の葉酸を摂取することを推奨しています。
この量を日常の食事だけで十分に摂取することは難しいため、サプリメントの併用が勧められています。

葉酸を多く含む食品

葉酸は水溶性ビタミンであるため、体内に貯蓄することができません。そのため、不足や欠乏を防ぐために継続的な摂取が重要です。

以下の食品に豊富に含まれています。

緑黄色野菜

ほうれん草、ブロッコリー、アスパラガスなどは、葉酸の豊富な供給源です。これらの野菜は、生のままでも調理しても摂取可能ですが、加熱調理すると葉酸が一部失われるため、できるだけ短時間の調理がおすすめ。

豆類

レンズ豆、ひよこ豆、黒豆などの豆類も葉酸を多く含んでいます。これらはサラダやスープに加えることで、日常的に取り入れやすい食品です。

果物

オレンジ、バナナ、イチゴなどの果物にも葉酸が含まれています。特にオレンジジュースは手軽に葉酸を摂取できる飲み物です。

全粒穀物

全粒パンや全粒シリアルなどの全粒穀物も葉酸の供給源として優れています。これらを朝食に取り入れることで、自然に摂取することができます。

動物性食品

レバーや卵黄などにも葉酸が含まれていますが、レバーはビタミンAを多く含むため、妊娠中の過剰摂取は避けましょう。

例えば、食事だけで十分な量を摂取しようとすると、1日に、ほうれん草1〜2束+ブロッコリー1房+いちご10粒程度摂取することが必要になります。日常生活の中で、これらを食事から毎日摂取することが難しいので、サプリを上手に活用しましょう、ということですね。

豆知識:葉酸の吸収率と保存法

葉酸は水溶性ビタミンのため、調理の際に注意が必要です。加熱や水に溶け出しやすいため、調理する際には短時間でさっと火を通すか、蒸す方法がおすすめです。また、野菜を生のまま食べることでも、葉酸の吸収率を高めることができます。明るい場所での長時間保存を避けたり、水にさらす時間を最小限に抑えることも葉酸の損失を抑えるポイントです。

さらに、サプリメントで補う際には「合成葉酸」が用いられることが一般的ですが、これは体内での吸収率が高いとされています。

葉酸サプリメントの選び方と注意点

葉酸のサプリメントは、妊娠中の葉酸摂取を補うために広く利用されています。葉酸には「合成葉酸」と「天然葉酸」があり、合成葉酸は体内で吸収されやすく、サプリメントに使用されることが一般的です。天然葉酸は食物から得られるもので、吸収率がやや低いとされていますが、自然な形で摂取できるという利点があります。サプリメントを選ぶ際は、信頼性のあるブランドを選び、過剰摂取を避けるようにしましょう。過剰な葉酸の摂取は、ビタミンB12欠乏の症状を隠してしまう可能性があるため、適切な量を守ることが重要です。

葉酸摂取に関するよくある質問(Q&A)

Q1: 葉酸はいつ摂取するのが最適ですか?

葉酸は、食後に摂取すると吸収が良くなります。特に朝食後に摂取することで、一日の始まりから葉酸をしっかりと補給することができます。ただし、空腹時でも吸収されるため、サプリを飲み忘れた場合は気づいたタイミングで摂取して問題ありません。

Q2: 葉酸は妊娠後期でも摂取するべきですか?

はい、妊娠を通して必要な栄養素です。妊娠後期には胎児の成長が著しく、葉酸は赤血球の生成や胎児の発育をサポートします。ただし、妊娠初期のように特定の障害(二分脊椎や無脳症)を予防する目的ではなくなります。また、妊娠高血圧症候群の予防にもなると言われています。

Q3: 葉酸が不足するとどうなりますか?

赤ちゃんに神経管閉鎖障害が発生するリスクが高まります。また、母親の体においても貧血や疲労感、体調不良の原因となることがあります。特に妊娠初期における葉酸の不足は深刻な影響を及ぼす可能性があるため、日頃からの摂取が重要です。また、ホモシステイン濃度が上昇し、動脈硬化や妊娠高血圧症候群のリスクも増加することが知られています。

おわりに

葉酸は、妊婦に限らず、すべての人に大切な栄養素ですが、特に、妊娠中の女性と、赤ちゃんにとっては必要不可欠な栄養素です。妊娠に気づく前の段階から葉酸を摂取することがポイントです。日常の食事に加えて、サプリメントを適切に活用し、健康的な妊娠をサポートしていきましょう。正しい知識を持って葉酸を積極的に摂取し、赤ちゃんとお母さんの健康でいられることを願っています。

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