私の着床の窓はいつ?移植に最適なタイミングを調べるERA検査【PR】

不妊治療で移植をしてもなかなか着床しない、といった方は着床の窓がずれている可能性があります。着床の窓は、胚が最も着床しやすい時期を指しますが、今回はこの着床の窓を調べるための「ERA検査」についてアイジェノミクス社の理学博士であり日本法人代表張 博文様と、日本法人代表代理の西山様にお伺いしました。検査は実際どんなことをするのか、検査を行うにあたって注意することは?など、様々なご質問にお応え頂きました!


移植のベストなタイミングを調べるERA検査とは?

ー ERA検査について簡単に言うとどんな検査になるのでしょうか。

一言で言えば、移植に適した、タイミング(着床の窓)を見つけるための検査です。つまり、子宮内膜が胚を受け入れるベストなタイミングを計る検査になります。現在、ERA検査はスペインの本社に検体を送って検査を行っています。

ー なぜDNA解析を行うだけで、着床の窓(ずれ)が分かるのですか?

正確に申し上げると、DNAではなくRNAを解析します。RNAという遺伝子の発現量を見る検査です。簡単にいうと、通常、遺伝子が発現すると、タンパクを作り、様々なたんぱく質が身体のためにロボットのように働いてくれます。

少し前までは着床に関して、どのRNAが関わっているのかは分かっていませんでした。しかし、我々はマイクロアレイと呼ばれるDNAチップを使って、3万もの遺伝子を同時に解析することで、着床に関わる遺伝子の解明に至りました。つまり、着床の前の数日から検体を採取し、3万の遺伝子を調べた結果、どのRNAが発現し、変化しているのかがわかったのです。

具体的には、「着床の窓」の前の数日から、「着床の窓」の後の数日まで、その周期の中で遺伝子の何がどのように変化するのかをモニタリングしていくわけです。そうした結果、遺伝子の発現パターンが判明し、なおかつ248の特定の遺伝子が変化することがわかりました。

着床の窓の前、着床の窓の期間、着床の窓が終わった後から月経が来るまでの期間、それぞれで決まった遺伝子の発現パターンが判明しました。着床の窓に関わる発現パターンが判明したところで、3万の遺伝子を解析する必要はないよね、ということになったわけです。そして最終的に着床に関わり変化する248の遺伝子を絞り込み、ERA検査のツールとして開発した、というわけです。

ー 着床の窓を調べるために3万の遺伝子を調べて、着床の窓に関わる遺伝子の発現パターンを発見し、それがERA検査に繋がったわけですね。

ERA検査では黄体ホルモンの投与からだいたい5日後、120時間後に検体を採取しますが、これは先生方が普段移植を行っているタイミングで行われます。

実際には、移植するタイミングが、この患者にとってはベストなタイミングかどうか分かりません。そこで、ERA検査を行い、検査の結果が半日前だったら、半日遅く黄体ホルモンの投与をしましょう、とか、1日早かったら、プラス1日ホルモンの投与を続けましょう、といったことがわかるわけです。

つまり、RNAを抽出して、遺伝子の発現パターンを見て、この場合は早いか遅いか、決まっているパターンで判断すると、どれくらいずらしてあげたほうがいいのか、もしくはずらす必要が無いのかがわかります。

ー ERA検査を受けるべき対象者は、一般的には、反復着床不全の方に対して推奨されている検査かと思いますが、患者様の中には、最初から色々検査して知っておきたいという方もいると思います。初めての移植前から行っても良いのでしょうか。

色々な考え方がありますが、弊社のデータによりますと、ERA検査を受けた方の約3割は着床の窓がずれていることがわかっています。また、微調整をする必要がある方を含めますと、5割は移植のタイミングをずらす必要があります。一般の患者様でも、おそらく1割から2割はずれているのではないかと考えられるため、反復着床不全でなくとも、金銭的に余裕があって、早く高い確率で妊娠したい、移植したいという方は検査を受けても良いのではないかと思っています。

ー 検査の金額はおいくらくらいでしょうか。

ERA検査単体ですと、12万~16万前後で、トリオ検査(ERA、EMMA、ALICE)ですと15~20万くらいのようです。

ー そうしますと、トリオ検査で全て受けた方が良い、と考える方が多そうですね。

そうですね。

検査をする時、気をつけるべき事は?夜更かしすると影響がある?

ー 患者側が、検査を行うにあたって特別な準備をする必要はありますか。


検査の周期の始めからエストロゲンの投与、2週間ごとにプロゲステロン(黄体ホルモン)の補充ですね。一番大事なのは、黄体ホルモンです。先ほど申し上げた248の遺伝子の発現は黄体ホルモンの体内濃度が上がってから、それによって誘導されるものです。誘導されてから、身体の中で「着床の準備をしましょう」と、遺伝子が働いてシグナルが出てくるわけです。先生に言われたタイミングで、内服や座薬など、時間を忘れないでしっかり補充することが大切です。濃度を誤ると再現性が低くなります。そこは守って頂きたいと思います。

ー ERA検査の後は移植しないで、次の周期以降に移植する、ということになるんですね。

そうですね。検査をすることで、子宮内膜に傷もつきますし、ERA検査の結果も出ていませんので、移植はできません。

ー 検査をした後に気をつけること、避けるべき事はありますか?

検査をした後に、一番避けたいのは着床の窓が変わることです。着床の窓が変わることは滅多にないのですが、場合によっては検査をする時に子宮内膜に影響するような薬を避けて頂くというケースはあります。また、子宮の内膜にポリープがあり、それを取除く手術を行うなど、子宮内膜のマイナーな手術を行う事で、着床の窓が変わる可能性がゼロとは言えないので、避けて頂きたいです。

おそらく、ポリープがある場合は、そちらを治療してからERA検査を行う、という流れにはなると思います。一番大事なことは、重複になりますが、ホルモン補充を同じタイミングにして頂くということですね。

ー 夜更かしをするなどの生活リズムのレベルでは着床の窓は変わらないのでしょうか?

そうですね。ホルモンを補充行いますので、決まった濃度でお薬を投与することで、ホルモンの分泌はコントロールできます。生活リズムの影響で着床の窓が変わってしまうことはありません。

ー 検査の流れについて教えて下さい

専用の器具で子宮内膜を吸引し、チューブに回収します。その後、東京のラボに到着した検体を、スペインの本社へ空輸します。スペインのラボで、次世代シーケンサーを使って解析を行い、検査の結果を返すといった流れになっています。

ー 検査の痛みはあるのでしょうか
ERA、EMMA、ALICEはこのようなものを使って検体を採取します。こちらの吸引器で子宮の中に入れて、内膜を採取します。ゆっくり、2~3分かけて摂ると患者様が痛みを感じない、と仰っている先生もいらっしゃいます。



内膜採取用のピペール

ERA検査、どうやって理解したら良い?




ー 検査結果の見方について教えて下さい。

基本的な結果は以下の6パターンあり、結果によって検査後に行う移植のスケジュールが異なります。

①Receptive(レセプティブ)

②Pre-Receptive 2days(プレレセプティブツーデイズ)

③Pre-Receptive 1day(プレレセプティブワンデイ)

④Early Receptive(アーリーレセプティブ)

⑤Late Receptive(レイトレセプティブ)

⑥Post‐Receptive(ポストレセプティブ)

Receptive(レセプティブ)はERA検査で一番多いパターンです。検査した周期が、着床の窓に該当します、という結果になります。つまり、検査したタイミングと同じ時間で、移植を行って下さいというのが、このレセプティブという結果になります。

Pre-Receptive 2days(プレレセプティブツーデイズ)は、まだ受容期になっていない状態で、着床の窓が後ろにずれているという結果になります。この場合、ERA検査の再検査をすることが推奨されます。再検査の場合は、1回目に行った検査から48時間後(2日後)に行う必要があります。

Pre-Receptive 1day(プレレセプティブワンデイ)という結果は、ERA検査を行った時間よりも24時間後に着床の窓があるということを示しています。次の胚移植を行うタイミングとして、ERA検査を行った時間から24時間後(1日後)に胚盤胞移植が推奨されます。

Early Receptive(アーリーレセプティブ)は、レセプティブの時間から12時間、着床の窓が後にずれているという意味で、検査を行ったタイミングから12時間後に移植をして下さい、という結果になります。

Late Receptive(レイトレセプティブ)という結果は、レセプティブの時間から12時間、着床の窓が前にずれているという意味で、検査を行ったタイミングから12時間前に移植をして下さい、という結果になります。

Post‐Receptive(ポストレセプティブ)の子宮内膜の状態は、着床の窓が終わっていることを示します。Post‐Receptive(ポストレセプティブ)の場合は、子宮内膜が月経に向かって、壊れていくときの遺伝子の発現パターンを示しており、24時間後と48時間後で遺伝子の発現パターンがほとんど同じで、見分けがつかないため、24時間ずらして、もう一度検査をして頂くことをおすすめしています。再検査後の結果に従って胚移植をして下さい。

結果を見る際にはP4(プロゲステロン)をいつ投与したというのがとても大切です。そこから、生検したタイミングが何時間だったのかというのが重要になってきます。この結果をみて、次どういう時間で移植をしましょう、という推奨が出てくるのがERA検査ということになります。

ー 結果がでた後に同じ人が、同じ周期で検査をした場合、着床の窓がずれることはあるのですか?

この検査の一番大事なところは、再現性です。HRT周期でかなり厳密に投与をコントロールされているクリニックでは、基本的に移植周期も合うと思います。自然周期の場合は、先生の経験値によるところがありますので、検査と同じ周期になるのかどうか、というのは先生のご判断によるかなと思います。

ー 自然周期で行う場合もあるのですか?

自然周期で行うクリニックもあります。ただ、その場合はLH+7といった方法で検査して、本番の移植の周期も同じ方法で、先生のご経験によって行って頂くことになります。基本的にはERA検査はHRTホルモン補充周期で行って頂くのが一番正確な検査になります。

ー ホルモンが使えないといった方もいらっしゃいますもんね。その方の出来る範囲のことで出来る事をやる、ということですかね。

そうですね。ありがとうございました。

株式会社アイジェノミクス・ジャパン
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生殖遺伝子検査サービスに特化した検査ラボ、アイジェノミクス。患者様の妊娠、出産をサポートする遺伝子解析サービスを提供しています。

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ERA検査の結果の見方が難しい!という方に少しでもわかりやすく伝えよう、という思いが伝わってきました。検査会社さんでありながら患者さんからのご質問にもお答えくださるアイジェノミクスさん。この技術で多くの方の助けになりたいというお気持ちが表れていますね。

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