ファミワンでもこれまで着床に関してや子宮内フローラについてセミナーを実施したり、コラムを掲載したり案内を行なってきましたが、今回は最近少し話題になっている「銅と亜鉛」の検査についてお伝えしたいと思います。
銅と亜鉛が妊活に影響あるなんて想像もしていなかったという方もいらっしゃると思いますが、実は着床に影響があると言われています。
そこで不妊治療の専門病院では着床不全の検査の一つとして、銅と亜鉛のバランスが問題ないかを検査する場合があります。
銅と亜鉛ってなに?
銅と亜鉛は血液中のミネラルです。
銅はヘモグロビンを作るため鉄を必要な場所に運ぶ役割をしています。推奨摂取量は成人女性で1日0.8mgです。食品では牡蠣、レバー、ナッツ、大豆などに多く含まれています。
亜鉛は味覚を正常に保つのに働き、皮膚や粘膜の健康維持を助けます。推奨摂取量は成人女性で1日で8mgです。亜鉛が多く含まれる食品は牡蠣、赤身肉、鶏肉、豆類、ナッツなどです。
銅と亜鉛の関係は?
実は銅は推奨摂取量より多く摂取されている方が多いというデータがあります。銅は体内に吸収される際、その大部分を小腸で吸収されるのですが、実はこの吸収経路は亜鉛も同じです。そのため銅と亜鉛が競合しており、より濃度が高い方が吸収されやすい状態になります。
そしてこの濃度ですが、先ほどお伝えしたように、銅は推奨摂取量よりも多く摂取されていることが多く、亜鉛は逆に不足になっている方が多いため、吸収率は銅が高くなる方が多いのではないかと考えられています。
妊娠への影響って?
銅には着床を妨害する働きがあることがわかっています。このことから銅濃度が高く、亜鉛濃度が低いと妊娠率が低下すると考えられています。
対策は?
銅を体内から排出する役割をしているのが亜鉛です。そのため銅の濃度が高く、亜鉛の濃度が低い場合は、亜鉛を摂取する必要があります。亜鉛は様々な食品に含まれていますが、サプリメントなどによる摂取も推奨されます。
検査方法は?
血液検査になります。気になる場合は、一度担当医と相談してみましょう。ここで大事なのは銅は不要な成分ではないという事です。銅を摂取しなければ良い、という問題ではありません。
銅も大事な必要な成分であることに間違いはありません。そのため摂取しない、摂取を控えるといった行為は避けるようにして下さいね。