実際に病院へ通うとどれぐらいのお金がかかる?
Young woman trying to open a passbook on a desk

さて、今回のテーマは一番気になるけど中々聞けない「お金」のお話です。
不妊の治療や検査は保険でできるものもありますが、現在のところ、自由診療となるものも多いため“不妊治療は高い“というイメージがあると思います。それが気になって実際に病院への受診を躊躇していらっしゃる方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は不妊治療のお金についての説明になります。

検査費用

保険適用検査

  • 月経中のホルモン検査:1,500円〜2,000円
  • 子宮卵管造影検査:8,000円
  • 超音波検査:1,600円〜2,000円
  • フーナーテスト:600円
  • 黄体期の検査(超音波+血液検査):4,000円

自費検査

  • 血液型:1,000円〜2,000円
  • 感染症検査(B型肝炎・C型肝炎・梅毒・HIV):5,000円〜8,000円
  • クラミジア検査:4,000円〜5,000円
  • AMH(抗ミュラー管ホルモン):5,000円〜10,000円
  • 甲状腺ホルモン検査:3,000円〜4,000円
  • 風疹抗体検査:3,000円〜5,000円
  • 精液検査:3,000円〜8,000円

これらは一部検査であり、全てではありません。また、全てが一例ですので各病院にて料金は異なります。<治療に関わる費用>

不妊治療の1周期にかかる費用

不妊治療にはタイミング療法・人工授精・体外受精があります。それぞれの治療内容により費用は大きく変わります。今回は、それぞれの治療の1周期にかかる費用をご紹介します。

タイミング療法

  • 8,000円〜15,000円

月経が開始してから、排卵が終わるまでに通常2〜3回の受診が必要となります。

その間に、超音波検査や必要に応じて排卵誘発剤の内服や注射、排卵促進剤の注射などが必要となります。診療の回数や必要な薬剤によって費用は前後しますが、保険適用の治療なのでこれくらいの費用になることが一般的です。

人工授精

  • 10,000円〜50,000円

診療の回数や使用する薬剤はタイミング療法とほぼ変わりません。
しかし人工授精は自費診療となるため、料金が高くなってきます

体外受精・顕微授精

  • 診察代:50,000円〜10,000円  
  • 採卵と移植又は凍結:200,000円〜600,000円

月経が開始してから排卵誘発剤の注射や内服を開始します。診察は採卵が決まるまで3〜5回ほど必要でその都度、超音波検査やホルモン検査が必要です。誘発剤の注射も1回3,000円〜8,000円を平均10回ほど実施します。また、実際にこの診察料とは別に採卵から受精卵の凍結保存又は胚移植までの費用もかかります。それらをトータルすると高額な費用となります。

体外受精や顕微授精は刺激方法や卵巣機能などにより大きく変動しますが、それでもやはり高額であることに間違いはありません。

不妊治療に関する助成金や医療費控除

これまでご紹介させて頂きましたが、不妊治療は高額になりがちです。
そのため経済的にサポートする目的で助成金の制度があります。また不妊治療にかかった費用は医療費控除の対象になるため申請することで負担を少しでも軽くすることができます。

不妊治療・検査の助成金

検査やタイミング療法・人工授精までの治療に関する助成制度です。こちらは各市町村にて対象や助成額が異なるためお住いの自治体にご確認下さい。

特定不妊治療助成金制度

体外受精・顕微授精が対象となる助成金制度です。特定助成金制度は初めて助成を受けた日に女性の年齢が39歳までであれば通算6回受けることができ、40歳以上の場合は3回となります。女性の年齢が43歳以上の場合には対象となりません。
また所得制限も設けられていますので、詳細は各自治体でご確認下さい。

男性不妊治療(精巣内精子生検採取法等)に関わる医療費助成

特定不妊治療(体外受精及び顕微授精)に至る過程の一環として行われる、精巣内精子生検採取法(TESE)、精巣上体内精子吸引採取法(MESA)、経皮的精巣上体内精子吸引採取法(PESA)、又は精巣内精子吸引採取法(TESA)の費用の一部が助成されます。
但し、男性不妊単独での申請はできません。

医療費控除

不妊治療にかかった費用は医療費控除の対象になるため、所定の手続きをすることで所得税や住民税の負担を軽減できます。医療費控除の対象になるものには不妊治療の検査代、治療費、お薬代、不妊治療のための鍼治療やマッサージ代です。申請する場合には領収書が必要になります。医療機関では再発行が難しいことが多いため、しっかりと保管しておいてください。

このようにいくつかの制度があるので、それぞれの制度を理解し申請をすることで負担を少しでも軽減してください。又、これら以外にも例えば妊娠を目指しているカップルの場合、風疹抗体検査やワクチンの接種なども助成制度を設けている自治体は多くありますので、お住まいの自治体の制度について一度確認することをお勧めします。

さらに企業によっては、不妊治療の費用を援助してくれる会社もありますので、お2人のお勤め先の制度を確認しても良いかもしれませんね。

まとめ

今回お伝えしたように、不妊治療にはお金がかかります。

そのため、受診前から実際にどの程度の費用がかかるものなのか知り、お2人でどこまでの治療をどの程度行うのか、又治療費をどのように捻出するのかなど事前に話し合っておくと良いでしょう。

治療でどの程度の費用がかかるのか情報を得ることで、事前に話ができ、受診後の不安も多少軽減できるのではないかと思います。ただそれぞれの病院によって料金は異なるので、もう少し詳細に知りたい方はこれから通いたいと思われている病院へ直接聞かれることをお勧めします。

費用について聞くことは決して恥ずかしいことではなく治療をする上で必要な情報ですので遠慮せず聞いてください。

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