そもそも卵子凍結って?
卵子凍結は、「今すぐの妊娠は希望していないけれど、将来のために若い卵子をとっておきたい・・」など、将来の妊娠出産に備えて未受精卵子を凍結保存しておくことにより、将来の妊娠に備えておくことをいいます。
不妊治療でよく聞く「体外受精」は、既にパートナーがいてその方とのご妊娠をご希望の方が行うもので、卵子を採卵したら、すぐに精子と受精させる方法ですが、卵子凍結は、受精はさせずに、卵子のまま凍結保存をします。(未受精卵凍結)
詳しい流れに関しましては卵子凍結とスケジュールの記事をご参照ください。
東京都の卵子凍結助成金について
2023年10月より、東京都で、この卵子凍結に係る費用の一部助成が受けられる事業が始まりました。
ただし、助成を受けるには下記の対象要件を満たしている必要があります。
- 東京都在住の18~39歳の方(※採卵を実施した日における年齢)
- 都が指定する登録医療機関で卵子凍結を行える方
- 東京都が行う説明会へ参加できる方、調査の報告が行える方
助成額
卵子凍結時に20万円
2年目以降の更新時に2万円(最大5年間) 合計30万となります。
また、凍結卵子を将来実際に使用する時にも、対象要件を満たしていれば下記の助成が受けられます。
受精1回につき上限25万円
融解胚移植1回につき上限10万円
(※治療開始時の女性年齢が40歳未満で6回まで、40~42歳で3回まで)
助成事業について詳しくは東京都HPもご参照ください。
注意しておきたいこと
- すでに不妊症の診断を受けており、不妊治療を目的とした採卵・卵子凍結を行う方は、事業の対象外になります。今後東京都以外に転居の予定がある方も対象外です。
- 東京都が行う説明会は、卵子凍結について理解を深めていただくためのもので、助成をご希望の場合はこの説明会へ参加が必ず必須となり、参加後にはじめてこちらのの事業に申し込みが行えます。
申し込み後、東京都から「決定通知書」が交付された時点で初めて登録医療機関で卵子凍結のための準備をはじめることができます。※現在決定通知書の交付に時間がかかっており、交付を受ける前に準備を始めることも可能となっていますが、万が一所定要件を満たしておらず助成対象外となった場合は、その時点までの医療機関でかかった費用については全額自己負担になります。
- 卵子凍結は自費診療になります。助成金の額は合計30万円と一律で決まっておりますが、登録医療機関によっては、設定している卵子凍結の料金が異なることもあります。そのため、どこの登録医療機関で行うかどうかで、最終的な自己負担額に少し差が出てくる可能性があります。
(例A病院:採卵代25万円 Bクリニック:採卵代22万円の場合、採卵代の助成金は20万円一定のため、A病院の場合は自己負担5万円、Bクリニックの場合は自己負担2万円ということになります。)
- 卵子凍結は、採卵(卵子を取り出す日)までに登録医療機関へ数回継続的な通院が必要になります。また、原則として凍結保存は採卵を行った登録医療機関で行うことになります。そのため、「費用」「通院のしやすさ」「登録医療機関の成績(妊娠率など)」「待ち時間」など、様々な点をふまえて総合的にご自身にあった医療期間を選択されることが望ましいです。
まとめ
こちらの東京都卵子凍結助成金事業は、始まったばかりですが、多くの方が説明会に参加されており、なかなか予約が取れないというお声もよく聞きます。
この事業も、来年度以降実施されるかは未定のため、もし助成金を用いての卵子凍結を考えている方は、早めにとりくまれることをおすすめします。
卵子凍結をすることで、皆様それぞれのライフプランがすこしでもよいものになれば幸いです。
ファミワンでは卵子凍結に関する個別相談・通話相談も実施しています。
登録医療機関で勤務する看護師だけではなく、実際に卵子を取り扱う胚培養士にも気になっていることや不安なことなどをなんでも相談できます。ぜひご利用ください。