「検査して何も問題なかったけど、妊娠しない・・・」
という原因不明不妊症。
実は不妊全体の10-25%という報告があります。
原因不明不妊症の中にはいくつかの要因がありますが、その一つにあるのが
「腹腔内癒着」「子宮内膜症」です。
これは子宮や卵巣の周りがベタベタとくっついてしまい、うまく機能しなくなってしまう状態になります。
通常卵管はぐにゃぐにゃと動きながら精子や受精卵を運びます。この動きが止まってしまうと、精子や受精卵の運搬がうまくできないのです。
また、排卵した卵子をうまくキャッチすることができないと、卵管・卵子は子宮の方に入ってくることはできません。このキャッチをする卵管采(らんかんさい)等部分が癒着によって閉じてしまう場合があるのです。
なぜ癒着が起きるのか?
癒着の原因として代表的なものの一つに「性器クラミジア」があります。
一度は聞いたこともあるかもしれませんね。このクラミジアは性感染症の中でもかかったことのある人がとても多い感染症です。
症状として、かゆみや排尿時痛、性交痛などがみられます。ただ、症状がみられないこともあるので、「気がつかないうちに感染してた!」なんてこともあるので要注意です。
クラミジアの治療法としては、抗菌薬の内服となります。マクロライド系抗生物質の「アジスロマイシン」や「ジスロマック」を内服することで治療としては完了です。
ここで問題なのは、クラミジアは治っても、癒着は治らないという点です。
妊活に関して考えると、クラミジアになったらお薬を飲めばいいんだ、だけではないのです。
ここがクラミジアの厄介なところ、一度かかってしまうと、癒着を残してしまい、それは手術でないと取り除けなくなってしまいます。
どうしたらいいのか?
もし、原因不明不妊症でクラミジア抗体が陽性であれば、腹腔内の癒着を疑うことがあります。
その場合の治療方針としては大きく2つあります。
①体外受精をする
こちらは卵管を使わない妊娠の方法。癒着があるままでの妊娠可能です。
②腹腔鏡などの手術をする
こちらは癒着を取り除く方法。取り除くことができれば自然妊娠や人工授精などにもトライすることができます。
クラミジアの抗体があるからといって妊娠できないわけではありません。
不妊検査では必ずはじめに感染症の検査を行います。きちんと検査することで不妊原因を予測することができますし、必要な場合はお薬を処方してもらうことができます。
ご自身の身体に目を向けて、妊活に取り組んでいきましょう!
基本的には病院での検査がおすすめですが、「ちょっと病院に行くのは・・・」「自宅で簡単に検査できないの?」という方には、このような検査キットもあります。
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ただ、検査をして陽性だった場合は、必ず受診をしてお薬を処方してもらうことが重要です。
まとめ
自分の身体と向き合うことはとても大切なことです。
また、検査結果はご本人にとって大切な個人情報です。検査キットを利用したいかどうか、結果をパートナーと共有するかどうかは、ご本人の自由です。
- 自分の生理周期って何日だっけ?
- 排卵の時ってオリモノの変化あるかな?
- 性交渉の時に痛みがあるかな?
などと自分の身体に問いかけ、観察することはとても重要です。ご自身の身体のことはご自身が一番わかっています。
妊活はまず自分の身体を知ることから。
そのお手伝いをさせていただけたらと思います。