卵巣機能ってAMHなの?FSHなの?

今回は、知っているようで実はよくわからないAMHとFSHについてです。

どちらも卵巣機能を表す指標とされていますが、どちらも同じようなことなのでしょうか。

そこで今回は、妊娠を目指す上で、そして不妊治療を行う上でポイントとなるこの2つのことについてお伝えしますね。

AMHってなに?

AMHは抗ミュラー管ホルモンとも言います。

不妊治療のために病院を受診すると、現在は多くの病院が早い段階でこの検査を行っています。よく「卵巣年齢を表している」と言われるのですが一体どういうことでしょうか。

AMHは卵巣内にある前胞状卵胞の数を表しています。前胞状卵胞とは卵巣内にある、これから育ってくる卵胞で、人間でいうとしっかり育ってきた卵胞を20歳くらいの女性だとすると、前胞状卵胞は小学生くらいの状態です。

AMHの数値はこれを表しているので、数値が高いとこれから大人になる卵胞がたくさんあると判断され、AMHの値が低いと大人になる卵胞の数が少ないと判断されます。

つまり、あなたの卵巣にあとどれだけ排卵できる卵胞が残っているのかの目安をみることができる検査です。

この検査は月経周期に関係なくいつでも行うことができる検査です。

AMHの数値は変わるの?

残りの数は基本的には年齢を重ねると減っていきます。
理由は簡単です。毎月排卵しているからです。

毎月どちらかの卵巣から排卵が起こりますが、排卵している卵胞1個だけが卵巣内から減っているわけではありません。実は毎月約1000個の卵胞が消えていると言われています。このうちの1個だけが排卵し、残りの999個は吸収され消えてしまいます。

そのため、女性の年齢と共に(つまり時間の経過と共に)AMHの数値は低下していくのが一般的です。

AMHが低いと妊娠できないの?

AMHは残りの卵胞の数を表す指標となる検査です。

もちろん妊娠を目指す上で、あとどれくらい残りがあるのかはとても大事なポイントになりますが、「AMHが低い=妊娠できない」わけではないということです。

妊娠するために大事なのは卵子の質です。卵子の質は女性の実年齢が大きく影響しています。そのため年齢を重ねていくと卵子の質は少しずつ低下していきます。

妊娠に大きく影響するのは実はこの卵子の質です。そのためAMHの数値が低くても実年齢が若いと、数は少なくても質が良い卵子が多く存在する可能性が高いため妊娠できる可能性は十分にあります。

FSHってなに?

ではFSHは何を見ているのでしょうか。

FSHは月経の2〜5日目頃に行う血液検査です。月経中に10以下位であれば正常と判断されるのですが、これよりも数値が高くなると「卵巣機能が低下している」と判断されます。

FSHは脳から出ているホルモンで、卵巣に「卵胞を育てなさい!」と命令を出す役割のホルモンです。

この命令を受けると卵巣内にある卵胞が育ち始め排卵をするのですが、実は卵巣が疲れている時や、今回育ちそうな卵胞が準備できていない時にはなかなか育つことができません。

卵胞が育ってこないと、脳は「おかしいな?育ってないな」と判断し、さらにFSHを力いいっぱい出し卵胞を育てようとします。

つまり、卵巣の中で卵胞が順調に育っていない場合、FSHをたくさん出すためFSHの数値が高くなります。

そのためFSHはその周期の卵巣の状態を表しているホルモンでもあります。

AMHとFSH

AMHは卵巣に残っている卵胞の数を表します
年齢を重ねると卵胞の数は減っていくので、時間の経過と共にAMHは低下していきます。

FSHは今の卵巣の力を表しているホルモンです
卵巣の反応が低下してくると、思うように卵胞を育てることができないためFSHの数値はどんどん高くなります。そのため今の卵巣の状態を確認するために行う検査です。

つまり、AMHはまず妊活を行う最初の段階で、自分の卵巣にあとどれくらいの卵胞が残っているのかを知るための検査で、「妊活の進め方」や「自分の卵巣の状況」を知るために行う検査です。

FSHは現在の卵巣の力や反応を見る検査になります。そのため治療を進めていく中で、複数回の検査を行い、卵巣の状態を確認しながら治療法を決めていきます。

AMHの数値で悲観的になられる方もいらっしゃるかと思います。しかしこの数値が低いことが妊娠しにくいと表しているわけでは決してありません。

「今自分の状態を知ることができて良かった」と思っていただき、そこでもう一度この結果から自分たちがどのような妊活を進めていくのかを考えて頂けたらと思います。

そしてAMHだけで判断するのではなく、今の卵巣機能を確認するためにはFSHが大事であること、そしてこのFSHは周期によって異なることを覚えておいて下さい。

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