実際に通院をされている方の中には、さまざまな理由で転院をご検討されている方も多くいらっしゃるかと思います。
今回は、『転院』をテーマにお話ししていきたいと思います。
転院を検討する理由
1.実際に通ってみると遠くて大変だった
病院選びの1つとして、職場から近いところ、自宅から近いところ、職場と自宅の中間地点のところなど、皆さんがそれぞれ通いやすい場所を選択されていると思います。ただ、実際に通院をはじめられた後に、「やっぱり大変だった」というお声もよく聞きます。
これは実際に通院をしてみないとわからないことでもあります。また、お仕事などの都合で引っ越しすることになったというケースもよくあります。
不妊治療はやはり通院の回数が多くなりがちのため、無理のなく通える場所を選択することが大切です。
2.病院の方針、医師の方針が合わなかった
「ホームページや雑誌を見て病院の雰囲気がよさそうだなと思っていたが、実際はあまり合わなかった…」というお声はよく聞きます。正直にお伝えしますと、かなり多くの方がこういった理由での転院をご検討されます。
不妊治療の病院は、ほとんどが自費診療になりますので、一般的な内科のクリニックなどとは違い、ホテルや美容系などのいわゆるサービス業と類似します。
また、不妊治療の中には様々な新しい治療の研究が進んでいる一方で、具体的なメカニズムや明確な治療方針が決められていない分野も存在します。そのため、「この治療方法が間違っていてこの治療が絶対に正しい」と断定ができないのです。
これらのことから、不妊治療はさまざまな方針をもつ病院が存在します。病院の方針と患者様の希望が必ずしも合致するわけではありませんし、違和感を持たれることは悪いことではありません。
「この病院で、この先生と一緒に治療を頑張りたい」と思える病院を選ばれるのが1番だと思います。
3.結果がなかなか出ない
毎日妊娠を目指して治療を頑張っているのに、なかなか妊娠しない…、また生理が来てしまった…と、なかなかうまくいかない現状に辛い思いをされている方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。
もちろん、不妊症の原因となるものは皆さんそれぞれ異なるため、「これを行ったら必ず妊娠する」というものは存在しません。ただ、不妊治療を頑張っている方々にとって、1周期1周期はとても大切です。先への不安でいっぱいになってしまうこともあるかと思います。
病院を変えることで何か新しい発見があったり、気持ちが改まったりするというメリットもあります。
セカンドオピニオンも視野に
不妊治療の方針を最終的に決められるのはご夫婦のお2人です。
転院までは考えていないけど、今後に関してより良い決断をするために、第三者(通院先とはことなる病院の医師)に意見を求めたい、という場合はセカンドオピニオンを視野に入れてもよいかもしれません。
実際に転院することになったら
転院先が決まったら、まずは転院先へ初診の予約をいれてください。転院先への受診のタイミングですが、特に指定はないかと思いますので、ご都合のよい日にちで問題ありません。
また、現在かかっている病院へは、必ずしも転院の旨を伝える必要はありません。紹介状が必要な場合は、電話などで「転院するため紹介状の作成をお願いします」と窓口に伝えましょう。
ただ、紹介状がなくても、転院先への受診は可能です。その際は、今まで受けられた検査の結果(血液検査、超音波検査、精液検査、体外受精の記録など)を持参されるとよいでしょう。
また、もし「これまでの経過が長かったため転院先に詳細を伝えづらい」という場合は、事前に紙に経過をメモしたものを持参されると、情報の共有がスムーズに行えるかと思います。
転院をすることは決して悪いことではありません。ご夫婦お2人が前向きに治療をすすめていくにあたってとても大切なことです。