「あとは2人で決めてください」、をどうしたらいい?

妊活の難しさの一つに「パートナー(男性)と妊活の進め方」の特殊性があります。

風邪などの病気であれば、ご自分の症状に合わせて「様子をみるか」、「市販薬を飲むか」、「病院に行くか」などをご自身のみの判断で決めると思います。しかし、妊活では様々な判断をパートナー(男性)と共に進める必要があるために、一般的な病気に比べて自己決定が難しいと言われています。

今回はパートナー(男性)と共に意思決定を進める上で大切な「男性思考を意識したコミュニケーション術」をお伝えしたいと思います。

意思決定を難しくしている原因

パートナーと普段の会話をされている中でも「ちょっと話を聞いて欲しいだけ」なのに、なぜか求めていないアドバイスが返ってくるなど、コミュニケーションが噛み合わないという経験をお持ちの方も少なくないと思います。これは男性と女性ではコミュニケーションに求める目的の違いから起きている可能性があります。

女性は「会話すること」男性は「問題解決をすること」が会話に求める目的と言われています。そのために何気ないコミュニケーションの中に意思疎通のズレが生じ、最悪の場合は喧嘩にまで発展してしまうことになります。

妊活に潜む、意思決定の壁とは

妊活を進めていく中では思いも寄らないところに意思決定の壁が出現することがあります。

それは大きく分けて、「病院に行くか悩んだ時」、治療のステップアップとして「人工授精を受けるかを悩んだ時」「体外受精を受けるかを悩んだ時」などです。この壁が表れた時にはパートナー(男性)と共により慎重な意思決定を迫られることになります。

しかし、コミュニケーションの中で意思疎通のズレが起こりやすい男女がお互いに納得した意思決定をするのは安易ではありません。
そこで意思疎通のズレをできるだけ軽減させる目的として、男性思考の特徴を知り、コミュニケーションを工夫することで、お互いの足並みが揃った妊活を進めることができる可能性があります。

妊活の意思決定に影響を与える男性思考とトラブルシューティング

妊活の話し合いをする中で特に知っていただきたい男性の思考の特徴として上げられるものは、

「突然、妊活の話をされるとパニックを起こす」
「男性は問題解決に向けて話をするので解決する話題がないと会話が続かない」
「自分で決めたことを貫きたいと考える傾向にあるので、他人からのアドバイスを好まない」
「男性はマルチタスク的な会話が苦手」
「考えている時は自問自答して黙る」

ということがあげられます。

トラブルシューティング

・「突然、妊活の話をされるとパニックを起こすこともある」
→妊活の話をしたいという事だけを伝え、改めて時間を決めて話し合う場を設けてみる。

・「男性は問題解決に向けて話をするので、解決する話題がないと会話が続かない傾向にある」
→妊活は2人の問題であるという認識を持たし、話しをしたい気になる事柄では、ここに問題があると具体的な言葉で伝えてみる。

・「自分で決めたことを貫きたいと考える傾向にあるので、他人からのアドバイスを好まない傾向にある」
→無理に説得しようとせずに本人からのアドバイスを求めてくるまで待ってみる。

・「男性はマルチタスク的な会話が苦手な傾向にある」
→一つの話題が終わるまで話し合い、他の話題を入れないようにしてみる。

・「考えている時は自問自答して黙ることもある」
→男性が黙ると怒っているのかと思ってしますが、話しかけずに口を開くまで待ってみる。

非言語コミュニケーションを使った意思決定

妊活は女性の月経周期により進むため、時として2人でじっくりと話合うタイミングが合わないこともあります。また、話し合う中で意見がぶつかり合うこともあると思います。
その様な状況では会話という直接的なコミュニケーションだけでは2人の意思決定は難しくなり、妊活が進まない原因にもなります。

しかし、意思決定の方法には直接的なコミュニケーションだけでおこなう方法以外に非言語コミュニケーションと直接的コミュニケーションを組み合わせた方法もあり、意思決定するまでの直接的なコミュニケーションの工程が少なく済む方法がありますのでご紹介したいと思います。

例として「タイミング法」から「人工授精」へのステップアップを考える際に「人工授精」についてお互いが考えていることを共有する方法をお伝えします。

  1. 自分用・パートナー用、2枚の白紙を用意します。
  1. 1枚目の白紙の真ん中に「人工授精」と意思決定を悩む項目を記載します。
  1. 2枚目にも②と同じように記載します。
  1. 1枚目・2枚目共に項目の下に線を一本引き、線の左側にメリット・右側にはデメリットと記載します。
  1. 人工授精ついてお互いが考えるメリットとデメリットをできるだけ記載をします。
    (ポイント:記載するタイミングはパートナーと離れて行った方がそれぞれに考える時間の余裕ができるので効果的だと思います。)

  1. メリット・デメリット、出てきた項目に対して自身で考える1番優先度の高い項目に印をつける。
    パートナーにも同じように優先度の高い項目に印をつけてもらう。

  1. 2人分の用紙を合わせ、お互いの考えている情報を共有します。今回の例では、女性側は「妊娠率があがる」ということを優先し、男性側は「妻への負担が心配」ということを優先していることが非言語コミュニケーションでわかりました。
  2. 優先する2点についてのみ直接コミュニケーションを用いて話し合い「人工授精」を受けるか2人の意思を決める。

まとめ

いかがでしょうか。

自分にもパートナー(男性)にもストレスが掛かる妊活の意思決定。
全ての妊活女子に当てはまるという訳にはいきませんが、ちょっとしたコツを知るだけで気持ちが楽になりませんか? 

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