働きながら不妊治療を続けるのが難しい理由の1つに、仕事をチームで協力しながら進めていることがあります。

みんなと連携しながら効率よく仕事を進められるのは良いことのはず。だけど、不妊治療をしていると、なかなか自分の都合を打ち明けるのが難しく、1人で悩みを抱えることになる場合もありますよね。

安定した収入と、自分のキャリア面の成長を諦めず、正社員として仕事を両立していくにはどうしたらいいのでしょう?

今回は私の体験を交えながら、正社員と不妊治療の両立のポイントについてお話しします。

正社員の強みって?

正社員で働く方も多いと思いますが、フリーランス、派遣、パートなどに比べ、どんな強みがあるのでしょうか?

成績に関係なく、給与額がある程度固定されていることが多いため、一定の収入の保証される安心感があります。また、福利厚生が保証されることも正社員という雇用形態の強みです。

さらに、長期雇用前提の契約となることがほとんどなので、裁量のある仕事を任せてもらえる機会も比較的多いでしょう。

不妊治療×正社員で働いてみて気付いたこと

不妊治療をしながら正社員として実際に働いてみて、改めて気付いたことがあります。

それは「金銭面」と「時間的融通」でのメリットです。

私は28歳から体外受精をスタートしたのですが、旦那さんも同い年のため、キャリアも収入もまだまだこれから。当時は結婚式の資金を貯めるのもやっとの状態でした。収入がある程度安定した共働きでなければ、1回の採卵や移植で何10万もかかる治療を受けることは当時の私たちでは難しかったと思います。

治療で落ち込む日は、あえていつもより遅くまで働いていたこともあります。

なぜかというと、治療で落ち込むことがあっても、仕事をしている間だけは、治療のことを忘れることができたから。また、私の場合は、クリニックを選ぶ際「職場から近いところ」「夜間診療を行っているところ」を選んでいたので、会社が終わってからクリニックへ行ったり、午前休をとって、病院に行ってから出勤をしたりしていました。

例えば、派遣だと勤務時間がカチッと決まっているので、遅刻や早退がしにくい場合があったりもします。だけど、決められた時間内に、自分の心の状況や治療に合わせて、ある程度働く時間を調整できるところも「正社員」ならではだと思います。

不妊治療と正社員との両立で難しかったこと

逆に「正社員」と「不妊治療」の両立が難しいと感じたこともあります。

それは、突発的な休みを取らないといけないときです。

例えば採卵前など、「明日の午前中に来てください」と医師から言われることも多く、突発的に休まざるを得ないこともしばしばありました。

はじめのうちは、体調不良を理由にごまかせても、重なってくるとなかなか言い出しにくく、休みの調整に苦労したこともあります。

特に、私の場合、上司がほとんど男性だったので、治療のことも初めのうちは、なかなか切り出しにくかったです。

両立するにあたって意識したこと

不妊治療をはじめる前とはじめた後では、仕事のやり方は一気に変わりました。

正社員の場合、チームで働く場合が多いからこそ、私が特に意識していたことは大きく分けて3つ。

1つ目は「属人化しない仕事のやり方を考えること」です。

「自分だけが知っていること」「自分だけができる仕事」というのは、一見聞こえが良いですが、実は組織にとって良いこととは言えません。「自分にしかできない仕事」を増やしてしまうと、自分がいないと仕事がまわらず、チーム全体が困るだけでなく、自分の首を締めてしまうことにもなります。

特に、突発的な休みが発生しうる不妊治療においては自分の業務を誰かにお願いする場面も。

そんなとき、例えば「チームの売上数字の更新をする」という業務1つにおいても、「目的」と「方法」を誰にでもわかるようにまとめておくことで、誰かにお願いしやすくなりますよ。

2つ目は「仕事の優先度をつけること」です。

いざ、通院しながら働くとなると、身体的負担や精神的負担も相まって、例えば、10個ある1日のタスクのうち、全部は完璧にできない可能性も出てきます。

通院がある日は特に、通院も1日のスケジュールに組み込み、それに合わせ、優先度をつけて仕事を行うことで「最優先すべき仕事ができていない!」という事態には陥らずにすみました。

採卵など、特に身体的なダメージが予想されそうな治療の予定が入る場合は、その予定が決まった時点で、アポイント日時の調整や、締め切りの調整などを前もってする工夫をしていました。

そして3つ目は「話せる人には状況を話す」ということです。

これはすごく難しい話で、それぞれの環境や状況によると思うので、一概には言えませんが、私の場合、上司や、チームメンバーに思い切って状況を伝えたことは結果的には良かったと感じました。

私が不妊治療についてメンバーに伝えたとき、「タスクが属人化しないように、全体で進め方を考えよう」「無駄な業務はなるべく減らそう」と、みんながどうやって協力しあうかについてメンバーが注力してくれて。「治療について理解してもらえる、もらえない」ということよりも、いかによりよく仕事を進めていくかについて考え、チームとしての働き方の文化ができたことが私にとってありがたいことでした。

最後に

もし治療と自分のキャリアのバランスに迷ったら、色々な仕事をみながら、一度、それぞれのメリット、デメリットを考えてみるのも良いかもしれません。

例えば、それぞれの雇用形態で働いている友人・知人の話を聞いてみる、でも良いと思います。ファミワンでもこの「妊コラム」を通して、不妊治療×雇用形態での働き方を定期的にコラムで発信しているので、ぜひ参考にしてみてください。

また、ファミワンキャリアでは、皆さまの希望にあった働き方として、正社員以外にもフリーランスやプロジェクト型の働き方(スポット案件)、プロボノなどさまざまな働き方をご紹介しています。

少しでもご興味がある方はぜひこちらから登録してみてくださいね。

自分自身の気持ち、治療のステージによって、きっとその時々で自分に合った働き方というものは変わるものだと思います。

皆さまにとって、ベストな選択ができますように。