北海道の培養士が教える!道内の妊活ポイント ~ストレス編~

『妊娠を望んでいるのに、なかなか赤ちゃんがやってきてくれない』

こういった状態が長く続くことは、非常に大きなストレスとなってしまうと思います。

北海道の場合には、病院やクリニックまで距離のある方も多く、首都圏に比べ交通の便が決して良いとは言えないため、受診するだけで一日がかりになるというケースもしばしば見受けられます。また、検査や治療などですでに通院されている場合には、時間的負担や経済的負担の大きさに加え、特に女性側の心身の負担は大きく、妊活中に抱えるストレスは相当なものと考えられています。

では、ストレスはどの程度妊娠率に影響するのでしょうか?

ストレスと妊娠率の関係

実はストレスと妊娠率の関係性については長年多くの研究がなされてきているものの、それぞれストレス源となるものが異なることや、各々のストレスレベルを数値化する方法の違いなどもあり、はっきりとした一致する結果は出ていません。

しかし、身体がストレス状態になると、自律神経の不安定化がもたらされたり、ホルモン分泌に影響を及ぼしたりすることがあり、結果として睡眠の質の低下や生理周期の乱れ、体内環境の悪化などへつながる可能性があります。また、何よりご自身の心身の健康のためにも、ストレスはできる限り少なくしたいものです。

筆者の勤務する施設では、妊活治療を卒業された患者様から治療中の患者様へ向けて、任意でメッセージを頂いています。その中には、治療中だった際のご自身の胸の内を打ち明けてくださっているものが数多くあります。

「治療中は先が見えず辛かった。」
「知人の出産報告に妬ましい気持ちになる自分が嫌だった。」
「期待してがっかりしての繰り返し。」
「自分だけがどん底にいると感じていた。」
「たくさん泣いた。」

と同時に、

「周りの方々の支えがあって乗り越えられた。」
「家族や友人の優しさに救われた。」
「好きなことをして楽しむ時間も大切にした。」
「自分へご褒美をたくさんあげた。」

と、それぞれが前に進むために大切にされたことを書いて下さっています。

また、

「みなさまの頑張りが良い結果に結びつきますように。」
「仲間として心から応援しています。」
「一日も早くかわいい赤ちゃんがやってきてくれますように。」
「頑張り過ぎずご自身を大切にしてあげてください。」

といった数々の温かいメッセージが並んでいます。

同じ経験をされた方々からのお声は、妊活中の方々にとって大きな励みとなっており、言葉の力の大きさを感じます。

ストレス解消方法について

みなさまは普段どのような方法でストレス解消を行っていますか?

妊活希望の患者様とお話していますと、「趣味がなくて・・・」といったケースが意外と多いと感じています。音楽を聴く、お菓子作り、運動、読書、美味しいものを食べる、ご友人とのお喋り、半身浴など、身近なところにも様々な魅力的な物事があるかと思います。特に道民は冬季に外出の機会がグッと減ってしまいやすいため、インドアでも楽しめる趣味などを見つけることはストレス解消にも有効です。少しでも興味があることへ積極的にチャレンジして頂くことで、新たな出会いや気づきなど得られるものも大きいかもしれません。

笑うことの効果

それからもうひとつ。
みなさまは最近、どのくらい笑っていますか?

大人になると思い切り大笑いするという機会は少なくなるかと思いますが、“笑う”ということについては「笑いは人の薬」、「笑いは百薬の長」などと言われて、昔から体に良い影響をもたらす、と考えられてきました。

国内の研究では、癌や心臓病の患者様に漫才や新喜劇を3時間ほど見て笑ってもらったところ、“癌細胞を破壊する働きを持つナチュラルキラー細胞の活性が正常化した”といった報告もあります。

最近では、笑うということにより、次のような効能がもたらされることも確認されてきています。

●腹式呼吸となるため、筋肉や横隔膜が動かされ、全身の血流が良くなる【血行促進効果】

●脳から、心を平安な状態にするセロトニンやストレスホルモンの分泌を抑制させるドーパミンが分泌される【ストレス軽減効果】

●脳の前頭葉から、モルヒネを上回る鎮静・鎮痛作用があると言われる物質であるβ-エンドルフィンが分泌され、ナチュラルキラー細胞の活性化をもたらす【免疫力アップ】【老化防止】【自然治癒力向上】

自分自身の意思とは関係なく体の機能をコントロールする神経である自律神経には、交感神経と副交感神経があります。その両者がバランスよく働くことで良好な健康状態が保たれています。ところが、興奮したり、ストレスがかかったりすると、交感神経優位の状態となり血圧が上がります。一方で、リラックス状態では副交感神経が優位となり、血圧は低下します。つまり、“笑うこと”で副交感神経が優位な状態となり、疲労の回復や新陳代謝も活発となるということです。

“笑い”は副作用のない万能薬と言えます。ぜひ、意識して笑いのある日常を心がけてみて下さいね。「笑う門には福来る」です!

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