受診の心得 これだけは確認しておきたい10個のこと

今回の担当は、生殖医療相談士・看護師の石橋です。看護師として不妊治療の現場で十数年働きながら、妊活を頑張られているご夫婦のサポートをさせて頂いています。

今回は、実際に病院へ行く時の「受診の心得」についてお話させて頂きます。
実際に病院への受診を決めてもやはり多くの方が不安を抱えています。
「どんなところなんだろう?」「すぐに治療が始まるのかな?」「聞きたいことは確認できるかな?」など様々です。

そこで私たちからいくつかのポイントをお伝えします。

受診のポイント

1. 受診前に可能であれば基礎体温表をつけておきましょう

2. パートナーと意見を合わせておきましょう

これから始める不妊治療はお2人の足並みがとても重要です。
どのような治療から希望したいのか、例えば「まずは検査をしその後相談していきたい」「これまで2人で頑張ってきたから人工授精からチャレンジしたい」などです。
受診前に可能な限り話し合っておきましょう。

3. 聞きたいことはまとめておきましょう

お2人で話し合いをする中で、必ず分からない事が出てくると思います。それは当たり前のことです。分からない事や、医師に教えてほしい事などは事前にメモなどにまとめておくと良いでしょう。
特に初めての受診の時は緊張と不安で聞きたい事も聞けずに診察が終わる事も珍しくありませんが、事前にまとめておく事で「聞き忘れ」を防ぐことができます。

4. 初診時はパートナーと2人で受診を

不妊治療の病院は女性が行く場所でしょ?って思われている方もいらっしゃいますがそうではありません。
そもそも妊活はパートナーと2人で行うことです。女性だけで行えるものではありません。
なるべく一緒に受診をして、病院の雰囲気を知り、話を聞く、そしてお2人でこれからの妊活ついて話をすることはとても大事な事です。
また不妊原因の男女比はほぼ半々と言われているので、男性の検査を先送りにせず一緒に取り組むことが必要です。

5. 待ち時間対策

不妊治療専門の病院は待ち時間が長くなる事が多いのが特徴です。
これはお2人の話を伺いながら、治療方針を選択し、情報提供を行い納得していただきながら治療を進めていくため、お1人に掛かる診療時間が長くなってしまう事があるからです。
そこで「病院は待ち時間が長い!」と思い、ご自身がその時間を有効に活用できるよう準備して行くと良いでしょう。例えば、お仕事との両立を考えられている方でしたら、パソコンなどを持ち込むのも良いかもしれませんね。病院で待っている間を「勿体無い」と思うのではなく、「有効活用しよう」という気持ちで準備して受診するのも一つです。
また、病院の空調は自分好みに設定できるわけではありませんよね。
皆さんが心地よいと思う温度に設定されていることはなかなかないため、冷房対策も行なっておくと良いでしょう。

6. 診察しやすい服装で受診しましょう

女性は必ずと言って良いほど内診または超音波検査の診察があります。
その際、着脱が大変な服装は手間がかかってしまうため簡単に下着(ショーツ)を脱ぐ事ができるスカートなどが良いでしょう。また履き物ものブーツなどは時間がかかってしまうため、なるべく避けることをお勧めします。

7. 採血や注射が多い

不妊治療で検査や治療を進めて行く中で採血や注射は付き物です。

袖が上がらないような服は採血の時に大変ですので、気をつけておくと良いかもしれませ ん。
またこれまで採血や注射などで気分不良になった事がある方は事前に看護師さんに伝えて おくと良いでしょう。

8. 看護師や受付スタッフなど医師以外のスタッフも専門スタッフです

初めての診察、緊張と不安の中で終わりホッとしたら、「これって何だっけ?」「質問するの忘れてしまった?」という事も良くある事です。
その様な時は是非、看護師や他の医療スタッフに聞いて下さい。専門病院のスタッフはお2人の心強いサポーターです!是非、医師以外のスタッフを頼り「モヤモヤ」や「疑問」「不安」を少しでも解消していきましょう。

9. 検査結果は保存しましょう

検査を行うと病院から結果をもらいます。その結果は整理して取っておきましょう。
もしもセカンドオピニオンなど他の病院にも話を聞きたいと思った時には、大事なお2人の情報になるので、念のために取っておくことをお勧めします。

10. 領収書も保存しておきましょう

不妊治療には保険の効かないものも多く、経済的な負担が大きくなります。
そのため自治体によっては体外受精だけでなく一般不妊治療にも助成制度を設けているところもあります。また、年間の医療費総額によっては確定申告で医療費控除によって還付金を受け取れるケースもあります。
これらの申請には受診時の領収書が必要となるので必ず保存しておきましょう。

まとめ

いくつかのポイントをお伝えしましたが、いかがでしょうか。
お2人にとって大きなライフイベントである妊娠へ向け、まずはパートナーとしっかりと話し合い受診をして下さい。
初めての病院、初めての不妊治療は不安と緊張でいっぱいだと思いますが、病院は決して敵ではありません。お2人の妊娠へのお手伝いをさせて頂く場所です。
ポイントを抑え、安心して治療を開始できることを願っています。

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