40代から意識したい!骨粗しょう症の本当の原因と、骨を強くするための対策

目次

骨粗しょう症とは

骨粗しょう症は、骨がスカスカになり、骨折しやすくなる病気です。

特に高齢の女性では、閉経後にホルモンのバランスが変化して、骨粗しょう症になりやすくなりますので、注意が必要です。

加齢によって腸管からのカルシウムを吸収する力が衰えることと、骨の新陳代謝(古い骨をこわすはたらきと新しい骨をつくるはたらき)のバランスがくずれることにより起こります。

骨粗しょう症の骨

骨粗しょう症になると、背中や腰の骨がつぶれる「圧迫骨折」や、転倒による手首や足のつけ根の骨折が起こりやすくなります。

一度骨折が起きると、次の骨折が起きるリスクが高まります。

骨折が連鎖し、そのまま寝たきりになることがありますので、注意が必要です。

厚生労働省の国民生活基礎調査によれば、介護が必要になった原因は、認知症、脳血管疾患に次いで、骨折・転倒が第3位となっています。

骨粗しょう症の原因

骨粗しょう症の骨は、新陳代謝のバランスが崩れています。

健康な骨では、絶えず古い骨から新しい骨に生まれ変わる「新陳代謝」をして、バランスが取れた状態にあります。

しかし、骨粗しょう症の骨は、骨をこわす細胞(破骨細胞)が、骨をつくる細胞(骨芽細胞)より働かされ、骨がこわされ過ぎている状態です。

破骨細胞の働きを活発にさせる物質「ランクル」がたくさん放出され、「ランクル」によって破骨細胞が活発に骨をこわしています。そのため、骨をつくる骨芽細胞の働きが間に合わず、骨がスカスカになってしまうのです。

閉経との関係

骨粗鬆症は圧倒的に女性、特に閉経後の女性に多くみられます。

成人期の20歳代から40歳代くらいまでは骨芽細胞と破骨細胞はバランスの取れた状態で、骨量は一定に保たれています。
女性は閉経期を迎えると、卵巣から出る女性ホルモン(エストロゲン)が急激に少なくなります。
エストロゲンは、骨の形成を促し、骨の破壊を抑える作用をもっています。
エストロゲンに欠乏により、破骨細胞が骨芽細胞より活発に働くようになり、どんどん骨を溶かしてカルシウムを血液に供給し続けるため、骨量が減少します。

骨粗しょう症診断

骨粗しょう症は、レントゲン検査で骨密度を測ることで診断が可能です。
骨密度を測定するためには、デキサ法(2重エネルギーX線吸収法)、超音波法、MD法、CT法といった詳しい検査があります

これまでに骨折したことがあるかどうかも参考にします。

日常生活でできる骨粗しょう症の予防法

食事

骨を強くするために、食事は栄養素全体の摂取・バランスを考えてとることが大切です。

その中でも、特に大切な栄養素について覚えておくようにしましょう。

骨の主要な構成成分はカルシウムですが、カルシウムの吸収を助けるビタミンDや、骨をつくるはたらきを促すビタミンK、骨を丈夫にするタンパク質が不足しないよう、バランスの良い食事を心がけましょう。

《カルシウム》

骨の成分にとって重要な栄養素です。

1日のカルシウム摂取の目安量は600~750mgです。

耐容上限量は、男女ともに1日2,500mgです。

過剰摂取により健康障害(高カルシウム血症など)が起こる可能性があります。

薬剤やサプリメントなどを使用する場合は、必ず医師に相談してください。

例)

・プロセスチーズ 約6個

1個(18g)あたり113.4mg

・小松菜 2〜3束

1株(40g)あたり68mg

・牛乳 約3杯

コップ1杯(200g)あたり220mg

《ビタミンD》

カルシウムの吸収を助ける働きをします。

1日のビタミンD摂取の目安量は8.5㎍です。

耐容上限量は男女ともに1日100㎍です。

過剰摂取により健康障害(高カルシウム血症など)が起こる可能性があります。

薬剤やサプリメントなどを使用する場合は、必ず医師に相談してください。

例)

しらす干し スプーン約3杯分

大さじ1(5g)あたり3㎍

・鮭 約4分の1切れ

1切れ(80~150g)あたり25.6-48㎍

・鶏卵 約4個分

1個(Mサイズ殻付)あたり2.3 ㎍

《ビタミンK》

骨の形成を助ける働きをします。

1日のビタミンK摂取の目安量は150㎍です。

血栓を防ぐための薬を服用している場合、ビタミンKを多く含む食品を摂取すると薬の作用が弱まる可能性があります。

薬剤やサプリメントなどを使用する場合は、必ず医師に相談してください。

例)

・味付けのり 約8袋

1人分(3g)あたり19.5 ㎍

・ほうれん草約3株

1株(20g)あたり54u㎍

・納豆 約1パック

1パック(30~50g)あたり180~300 ㎍

適度な運動・日光浴

運動は、散歩や片脚立ち、スクワットなどの軽い運動でも十分です。

骨に体重をかけることで、骨が強くなります。

また、適度に日光を浴びることで、体内で健康な骨の維持に必要なビタミンDがつくられます。

《下肢筋力をつけるスクワット》

5~6回で1セット、1日3セットが目安です。

1.足を肩幅に広げて立ちましょう。

2.息を止めないようにしながら、お尻を後ろに引くように、2~3秒間かけてゆっくりと膝を曲げ、ゆっくり元に戻りましょう。

3.膝の曲がりは90度を大きく超えないようにし、膝がつま先より前に出ないようにしましょう。

《バランス能力をつける片脚立ち》

左右とも1分間で1セット、1日3セットが目安です。

1.転倒しないように必ずつかまるものがある場所で行いましょう。

2.姿勢をまっすぐにして、床につかない程度に片脚を上げましょう。

楽にできる人は回数やセット数を増やして行い、痛みを感じた場合は、運動を中止してください。

無理せず自分のペースで続けてみてくださいね。

骨粗しょう症の治療薬

骨粗しょう症による骨折の予防には、食事の工夫・転倒の予防・運動のほか、薬物治療を継続することが大切です。定期的に受診し、治療を継続することで、骨粗しょう症による骨折が起こりにくくなります。

一度骨折をした方は、再び骨折しやすいといわれているため、特に気をつけて取り組み、予防していきましょう。

骨粗しょう症の治療に使われる代表的なお薬をご紹介します。

《骨をこわすはたらきを抑える薬》

ビスホスホネート製剤、抗ランクル抗体製剤、選択的エストロゲン受容体モジュレーター(SERM)製剤

《骨をつくるはたらきを助ける薬》

副甲状腺ホルモン(PTH)製剤

《骨をこわすはたらきを抑え、骨をつくるはたらきを助ける薬》

抗スクレロスチン抗体製剤

《骨の材料の補充または骨の代謝を助ける薬》

活性型ビタミンD3製剤、カルシウム製剤、ビタミンK製剤

《骨粗しょう症にともなう痛みを軽くする薬》

カルシトニン製剤

まとめ

いかがでしたでしょうか。

骨粗鬆症は高齢者だけ出でなく、妊娠・出産による体の変化やステロイドの連用、過度なダイエットによる栄養不足などで、若い人でも発症することがあります。

骨密度が平均よりも低い場合でも、食事や運動などの生活習慣を改善することで予防できるため、「まだ必要ない」と思い込まずに、40代になったら骨粗鬆症の検査を受けることをおすすめします。自分の骨粗鬆症のリスクを知り、早いうちから予防に取り組むことが大切です。

参考文献

日本整形外科学会 ロコモティブシンドローム予防啓発公式サイト

https://locomo-joa.jp/check/locotre

「日本人の食事摂取基準」(2020年版)厚生労働省ホームページ

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkouliyou/kenkou/eiyou/syokuji_Kiyun.htm

公益財団法人長寿科学振興財団 健康長寿ネットHP

https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/eiyouso/mineral-ca.html

骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン作成委員会編集「骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン2025年版」

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この記事を書いた人

助産師・不妊カウンセラー 岩田のアバター 助産師・不妊カウンセラー 岩田 助産師・不妊カウンセラー

助産師として、妊娠・出産のみならず、もっと身近に不妊カップルの気持ちに寄り添っていける存在になりたい。という思いからファミワンへジョイン。「赤ちゃんが欲しい」という思いは同じでも、悩んでいる事は人それぞれ違うはず。是非お気軽にファミワンまでご相談くださいね。