会食恐怖症の原因と解決法について

会食恐怖症という言葉を聞いたことがない人もいるでしょう。会食恐怖症とは、誰かと一緒に食事をすることへの恐怖、レストランで食事ができないなど、不安を感じて食べられなくなる症状を持ち、社会不安障害の一つに分類されています。人前で食べられないことでメンタルへの影響や仕事やプライベートへの影響も大きいでしょう。自分一人で治すのは難しく、治療が必要なものと理解しておきましょう。

会食恐怖症の症状

会食恐怖症は、強い不安感や恐怖感はもちろん、体の症状としても嘔吐、めまい、動悸、手汗、胃痛、食べ物を飲み込めなくなる嚥下障害などがあります。日本では、2017年に会食恐怖症の支援協会「日本会食恐怖症克服支援協会」が設立されています。「周りに合わせないといけない」と強く思ってしまい具合が悪くなってしまう人、「人に食べているところを見られたくない」という人、「もしここで吐いてしまったらどうしよう」と悩む人、「食べながら周りと話すなんて無理」と思ってしまう人など、会食恐怖症の人は強い不安感を抱えています。

原因の一位は学生時代の「完食指導」

ではどうして会食恐怖症になるのでしょうか?原因についてアンケートを取ると一番多いのが、子ども時代、学生時代の完食指導です。無理やり食べることを強要されたことで発症することが多いわけです。周りは食べ終わっているのに6時間目を超えても残されて食べるように強要された、厳しく指導され無理やり口の中に入れられた、体を大きくするために限界を超えて食べるよう強く指導されたなどの経験から、人前で食べるという行為が恥ずかしくてつらい体験だと感じて、大人になってもその感覚が消えずに会食恐怖症を引き起こしているという現状があります。ほとんどは親や親せき、学校の先生や顧問の先生によるものです。つまり、自分が子どもだった時に周りにいた大人たちからの強要が大きな原因の一つになっています

他の原因としては、体調不良や人前で嘔吐してしまった経験があることなどが挙げられます。

会食恐怖症の治療法

・会食恐怖症は克服することはできますが、会食恐怖症が思い当たる場合は、まずは病院を受診するようにしましょう。適切な治療を受けることが大切です。

・今からみんなと食事をとらないといけないという場面が来るといつもの思考が動き出すことに注目してみましょう。「残さず食べないといけない」→「残したらどうしよう」→「変に思われるかもしれない」→「しんどい、つらい」→「なんかもっとつらくなってきた」→「残せない」→「つらい」というように、いつもの思考パターンがあると思います。これに気づいたら、一番初めの思考を変えられないか考えてみましょう。落ち着いているときを選んで「残さず食べないといけない」というのを変えられないか、一度ゆっくり考えてみましょう。子どもの頃は残すと叱られたとか、恥ずかしい思いをしたということがあると思いますが、今はどうでしょうか?今は怒る人もいず、変に思う人はいないかもしれません。もし最初の思考が、「うまく食べられなかったらどうしよう」だったとしたら、子どもの頃は食べ方を逐一注意されて安心して食べられなかったとしても、今は注意してくる人もいない、安全に食することができると考えてみることから始めていきましょう。


考え方を見直してみることもおすすめです。改善していくためには体を慣らしていく必要はありますので、会食を終えるたびに、「気持ち悪くなってしまったけど、1回練習することには成功した」と捉えてみることで「今日の損」から「今日の得」に印象が変わります。また会食恐怖症の人はどこかで自分を罰している可能性があります。自分自身を受け入れて罰することはやめましょう。幼いころに被害にあったのであって、あなたが悪いわけではありません。

残す量を決めてから食べ始める。どうせ全部食べられないなら、心の中で残すことを宣言してから食べ始めるという手もあります。それが出来たら苦労しないという声が飛んできそうですが、残す量を決めておけば安心して食べ始められるかもしれません。一度試してみてください。

信頼のおける人と食事をする機会を作り、練習に付き合ってもらうのもいいでしょう。会食恐怖症だと伝えておいて、残すことやうまく食事できないことを伝えて受け入れてもらいつつ、楽しく食事が出来れば少し前進したと思えると思います。慣れるまで何度も練習に付き合ってもらいましょう。

周りに会食恐怖症の人がいたらどうしたらいい?

「もしかしてみんなと食事をするのが苦手なのかな?」と思うことがあれば、そっと見守っておくことが大事です。もし声をかけてもよさそうであれば、「無理して食べなくても大丈夫だよ」など優しく声をかけてあげましょう。珍しがったり、茶化したりするのはもってのほかです。無理強いをせずに断られたとしても、またの機会にそっと声をかけてあげましょう。日によって気分も変わります。気長に見守ってあげましょう。

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