天候・気圧が心と体の不調を生む理由

天気の変化が「体調」と「メンタル」に与える影響

6月に入り、「梅雨」に関するニュースを目にすることが増えてきました。

 梅雨時期に入ると雨や台風も増え、外出するにも天気予報を確認する回数が増える方も多いと思います。

雨が降ると、傘を持って移動するので荷物が増えたり、交通公共機関が混むためいつもより早起きしなければならなかったり、登校・出勤で衣類や靴が濡れて満員電車・満員バスに疲れ果て…。勉強や仕事を始める前に、疲労感に襲われることってありますよね…。この経験から「雨」=「ストレス」というネガティブな印象を抱いている方は多く、雨が多い季節は気持ちが落ち込みがちになり、不快感やだるさを訴えられる方が増えるのです。

このように「雨」が私たちにダイレクトに与えるストレスによって、メンタルに影響を与えることは想像しやすいのですが、梅雨時期は体調不良を訴える方も増える時期でもあります。

なぜ、梅雨時期に体調不良を訴える方が増えるのか?一緒に読み解いていきましょう。

「気象病」とは?

天気の変化が人間の体調に悪影響を与えている状態を「気象病」と呼ぶことがあります。「気象病」は正式な病名ではなく、天気が影響して症状を引き起こすケースの総称です。

「気象病」は気温や気圧、湿度などの急激な変化に対して体がついていかず自律神経に影響を及ぼすことが主な要因だと考えられていて、最も代表的な症状は、頭痛です。

2023年の天気痛調査で、13,507人を対象に調査をしたところ回答者の82%が頭痛の症状を回答しています(2番目:肩こり・首こり 43.6% 3番目:だるい 37.2%)。これ以外の症状としては「眠気」「めまい」「吐き気」などの身体的な症状と「気分の落ち込み」「不安」などの精神的な症状も多く訴えられています。

気象病の症状が現れる傾向としては、男性よりも女性に多く、若い世代ほど発生頻度が高いというのも特徴です。それに加え、近年異常気象が続いていることもあり、災害が頭をよぎり不安を感じる方や、台風に対して恐怖心を感じる方も多くおられます。

辛い身体症状に加え、不安や恐怖などの心理的な苦痛も感じやすい今、心を楽に過ごし乗り越えるスキルを身に着けておくことが非常に重要なのです。

天気変動の辛さを乗り越えるコツ

「気象病」は辛さや痛みはあるものの薬を飲んでなんとか我慢して日常生活をこなしている方も多いため、周りに合わせて「耐える」という選択をする方も少なくありません。

「周りが耐えているから耐える」よりも、少しでも楽に過ごすことを意識していただくことが、辛さを乗り越えるためには重要です。ここでは辛さを乗り越えるコツを4つお伝えします。

コツ1 病院を受診する

→症状が強く出て辛い時や、症状の強弱関係なく不安な時は、我慢せずに無理をせず、医療機関を受診しましょう。

気象病は長年付き合っている痛みでもあるため、市販薬で乗り越えようとしたり、「我慢すれば明日には治る!」と自己暗示をかけてしまいがちですが、医師に相談するだけでも心が落ち着くことはあります。

そして「梅雨だし、いつもの気圧が原因だろう…」と思っても、実は背景に違う病が隠されている可能性もあります。

辛さや痛みは我慢しすぎず、医療機関で適切にケアを受けることが、楽に過ごす事にも安心にもつながるということを、心にとめておきましょう。

コツ2 自分に優しくする

→学校・家事・育児・仕事など、日常生活に追われる私たちは「やらないといけないこと」に目が行きがちで、自分自身のケアを後回しにしがちです。そのため、気づけば体も心も疲弊して、体調的にもメンタル的にも深刻な状態に陥ってしまうケースもあります。

そのような状態に陥らないために、日常生活の中に「自分の好きなこと」「自分が癒されること」をきちんと入れ込めているのか、落ち着いて考える時間を作ることが有効なのです。自分に優しく自分を労わる時間を確保したほうが、心にパワーを温存できるため、耐える力も強くなります。

辛い症状が出ている時だと、考える事が難しくなるので、比較的体調がよく心が落ち着いているタイミングで「どうすれば自分に優しくできるか?」「どうすれば自分は癒されるか?」を考えてみると良い案が浮かびやすくなります。(※なかなか良い案が浮かばない時には、カウンセラーと一緒に考えるという方法も効果的です。)

コツ3 室内の楽しみを充実させる

→雨の日は、お家の中で過ごす時間が増えるので、あらかじめ室内で楽しく過ごせるように準備しておくこと、心の落ち込みを防ぐのに効果的です。

例えば、見たい映画を探したり、読書やゲームを楽しむ、大好きな音楽を聴く、ゆっくりお風呂に入る、普段時間が係り作れていないお料理やお菓子を作る、絵を描いたり手芸に集中する等、忙しい毎日では体感しにくい楽しみをあらかじめリスト化しておくとよいでしょう。このように準備をしておけば、雨の日に取り組めることが楽しみになり、雨の日の落ち込みを低減できます。準備さえできていれば心の安定は保ちやすくなりますし、ポジティブなマインドに切り替えることができれば、雨の日も楽に過ごすことができるようになるのです。

コツ4 自分にあったストレス発散法を見つける

→ストレス発散する方法は数多く出回っていますが「自分にあったストレス解消法」を見つけておくことは、とても効果的です。

ストレス解消法の数が少なかったり、特定の条件がそろわないと実行できない解消法ばかりだと、適切に発散できずそのままストレスをため込むことになります。

ストレスを抱え込まないためには「何をしている時にストレス発散できているか?」「どんな行動がストレス軽減に役になったか?」を考え、次に役立てる姿勢が重要です。

ただし、このストレス発散方法を考える時に、自分を傷つけたり、取り組んだ後さらにストレスがたまるような行動(例えば、暴飲・暴食・睡眠の過不足等)は、リストに入れないようにしましょう。あくまで、ストレス発散行動をした後にも効果が持続するような、発散方法を検討してみてくださいね。

気象病の辛さを抱える方への対応

体調不良・メンタル不良の方が増えるこの時期に、あなたの大切な人を守るためには…

「気象病の症状は人によって異なること」と「痛みや辛さの強弱は個人差があること」を、理解して“行動する”ことが重要です。

辛さや苦しみの強弱に個人差があることは、多くの人が「当然」のこととして理解はできていますが、梅雨時期や台風前は、職場や学校など所属する集団では、体調不良を訴える方が増える傾向にあるため、不調をシェアする場面があります。特に頭痛は多くの人に共通してみられるため、辛さや痛みのシェアが行われると「みんなも辛いから自分も我慢しよう…」と我慢する方が出てきてしまうのです。

このような場面に出会えば、痛みや辛さの強弱は個人差があることを心にとめて「痛みの強弱は人によって違うから、辛さを我慢しすぎないようにね…。痛みがひどかったら休もう。無理せず医療機関に受診しよう。」と、大切な方を労わり気遣う気持ちをもって声をかけるようにしてみてください。

苦しい時、大切な人からの一言で心が救われることは多くあります。自分の痛みや辛さや症状は個人差があると理解し、相手の辛さや苦しみに配慮する“行動”を心掛けてみてくださいね。

気象病に苦しむ方の中には、動けなくなるほどの頭痛と吐き気に襲われ、仕事や学校をお休みしなければならないほどの耐えがたい苦痛に苦しむ方や、日常生活に支障をきたすほどの不安に襲われる方もおられます。

あなた自身そして、あなたの大切な方々が少しでも楽にこの時期を過ごすために、今回の情報が少しでも役に立つと幸いです。

【参考】 

■気象変化と不定愁訴との関連,「気象病」に関する東京有明医療大学に在籍する大学生を対象とした調査研究 寺井政憲 二宮由香 東京有明医療大学雑誌 Vol.12:19-23 2020 jtau.2020.12.19-23.Terai.pdf

ウェザーニュース 天気痛調査2023

妊活・不妊治療サポート 資料ダウンロード【無料】

妊活・不妊治療を専門家サポート対応で、社内の風土が醸成され、本質的なダイバーシティ企業のブランディングが可能です。

  • 資料でこんなことがわかります
  • ✅妊活・不妊治療と経済損失
  • ✅当事者の抱えている悩み
  • ✅サポートした企業はこう変わる
  • ✅妊活・不妊治療サポートの標準化

資料を無料でダウンロード