おもちって太る?|管理栄養士が教える余ったおもちの賢い活用法 ~焼餅やお雑煮にはもう飽きてしまった方必見!~

お正月が過ぎると、多くのご家庭で余ってしまう「お餅」。また、「おいしいけれど太りそう」といった声をよくお聞きします。そのため食べるのをつい敬遠してしまう方もいらっしゃるのではないでしょうか。年明けはイベント行事が多く体重の増加や不規則な生活や運動不足で疲れやだるさを感じやすく健康診断の数値が気になり始める時期でもあります。しかし実は、お餅は食べ方と組み合わせを工夫すれば、忙しい日常を支える便利で優秀な主食になります。

またお餅は保存が効くため、いつ起こるかわからない災害に備えて“非常食”にもなります。いつも常備させておくといった“ローリングストック”もおすすめです。

そこで今回はお餅の栄養的メリット・デメリット、太りにくく食べるための工夫、相性の良い食材、そして日常に取り入れやすいアレンジレシピまで、詳しくご紹介していきたいと思います。

目次

おもちの栄養面について

おもちはもち米から作れており、ほぼ炭水化物でできています。切り餅1個(約50g)でおよそ120kcal前後と、見た目以上にエネルギーが詰まっています。これは精白された穀類であるもち米の糖質が凝縮されているためです。

一方で、おもちは脂質が非常に少ない食品でもあります。揚げたりバターを使ったりしなければ、脂質を抑えた食事にしやすいのが特徴です。

ですが、ビタミンやミネラル、食物繊維は少ないため、「おもちだけ」で食事を済ませるのではなく、他の食材と組み合わせることで栄養バランスが整えられます。

おもちを食べる際のメリット

少量でも満足感が高い

おもちは消化に少し時間がかかるため、腹持ちが良く、少量でも満足感を得やすい食品です。食事量が増えがちなお正月であっても「食べ過ぎを防ぎやすい」という点は大きなメリットです。

忙しい日でも手軽に食べられる

白ご飯のようにお米を洗って炊飯する手間がなく、焼く・温める・スープに入れるだけで食べられるお餅は、時間のない朝や疲れて帰宅した夜にも取り入れやすい有効的な食品のひとつです。

消化に優しい

脂質をほぼ含んでいない点と、もち米をつぶしてこねてできたのがおもちなので、消化分解に負荷をかけず食べることができます。胃腸が弱っているときにお食事に取り入れることで胃を休ませることができます。

注意したいリスク

このように、便利でおいしいおもちですが、食べる際に注意したい点もあります。まず、食べ過ぎるとカロリーオーバーになりやすいことです。小さくても高エネルギーなため、何個も食べてしまうと体重増加につながります。お正月についおいしくて1日に何十個も食べているか方もいらっしゃるのではないでしょうか。また、お砂糖やあんこ、バターなどと組み合わせると、糖質・脂質ともに過剰になりがちです。

そして、お餅は血糖値が上がりやすい食品でもあります。単品で食べると血糖値が急上昇し、その後の眠気やだるさにつながり日中のパフォーマンス低下につながってしまうため食べ方を少し工夫することで健康面でのリスクを減らすことができます。

太りにくくする食べ方の工夫

お餅を健康的に食べる方法は、おもち単品で食べないこと!です。

組み合わせたい栄養素

  • たんぱく質:卵、鶏肉、魚、豆腐、納豆
  • 食物繊維:野菜、きのこ、海藻
  • 発酵食品:味噌、納豆、ヨーグルト etc

上記の栄養素を含む食材と一緒に食べ合わせることで、血糖値の急上昇を抑え、満足感も高まります。結果として、食べ過ぎ防止につながります。

1日の摂取目安量

1食あたりの目安は切り餅1~2個程度。特に21時回ってからの夜ごはんなど食べ始める時間が遅くなる場合は1個程度に抑え、野菜やスープで量を調整するのがおすすめです。

おもちのアレンジレシピ

ここからはお正月に余ってしまったおもちのアレンジレシピをご紹介していきます。

<豆乳もちグラタン>

*材料* (2人分)

玉ねぎ・・・1/2玉

切りもち・・・2個

ベーコン・・・8枚

しめじ・・・30g

薄力粉・・・20g

豆乳・・・400㏄

無塩バター・・・20g

固形コンソメ・・・1/2個(3g)

塩・こしょう・・・少々

ピザ用チーズ・・・50g

*作り方*

1.玉ねぎはスライス、しめじは石づきを切り落としてほぐす。

ベーコンは1センチ幅程度にカット。切りもちは半分にカットし、厚み分も半分に

カット。

 2.フライパンにバターを入れてとけたら、切りもち以外の食材を入れて中火で炒める。

 3.薄力粉をふるい入れ、粉気がなくなるまで炒める。

 4.弱火にかけ豆乳を数回に分けて入れて混ぜる。

 5.とろみがついたら、コンソメ、塩コショウで味を調える。

 6.器に半分量ずつ盛り付ける。2.の切りもちが重ならないように並べる。

 7.ピザ用チーズをトッピング。

 8.200ワット5分オーブントースターにかける。

  焼き色がついたらできあがり。

*コメント*

  • 焼きあがった後、2.3分トースターの中で放置すると、余熱でおもちがもちっと仕上がります。
  • 豆乳に含まれるアグリコン型という吸収率の良いイソフラボンは女性ホルモンに似た働きをするため妊活中や更年期におすすめ

<韓国風ヤンニョムもち肉巻き>

*材料* (2人分)

切りもち・・・3個

豚ばら肉(薄切り)・・・6枚(120g)

しめじ・・・30g

塩・こしょう・・・少々

片栗粉・・・大さじ1.5

サラダ油・・・大さじ2

<合わせ調味料>

コチュジャン・・・大さじ2

ケチャップ・・・大さじ2

しょうゆ・・・大さじ1

みりん・・・大さじ1

にんにく(すりおろす)・・・小さじ1

白ごま・・・少々

青ネギ・・・少々(1㎝に小口切り)

*作り方*

  1. 豚肉に塩コショウをふる。
  2. しめじは石づきを切り落とし、切りもちを縦半分に切る。
  3. 2.の材料を豚肉で巻き、片栗粉をまぶす。
  4. フライパンにサラダ油を入れ中火で熱し、4.を両面7.8分焼く。焼けたら一旦取り出す。
  5. 合わせ調味料(タレ)をフライパンに入れる。(弱火)
  6. ふつふつしてきたら、焼いたお肉をフライパンに戻しいれてタレをからめる。
  7. 白ごま、青ネギを盛りつけたらできあがり。

*コメント*

コチュジャンに含まれる唐辛子はからだの内側から温める働きがありますので寒い冬におすすめです。

まとめ

おもちは消化に優しくお正月に食べ過ぎて弱った胃を保護してくれる食べ物のひとつです。調理の手間を省けるので時間のない朝食にも取り入れやすいです。

一見「太りやすい食品」ではと思いがちですが、脂質がほぼ含まれておらず食材の組み合わせ次第では日常に活かせる主食のひとつです。量を守り、たんぱく質や野菜と組み合わせることで、忙しい毎日の中でも無理なく栄養バランスを整えることができます。

お正月に余ったお餅も、ぜひ日常の食卓に取り入れ、健康的で満足感のある食事に役立ててみてください。

【参考文献】

文部科学省、食品成分データベースもち

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この記事を書いた人

不妊治療クリニック6年勤務。約3000人以上の栄養相談実施。妊娠前からの授かるからだづくりをご提案。レシピ監修・酸化・糖化ストレス・腸内フローラ研究に携わる。薬膳食療法専門指導士として女性のからだの不調に寄り添う体質改善が得意。