3月8日、国際女性デーに考える。「私のからだと人生」は、私のもの。

目次

3月8日は国際女性デー

皆さんは3月8日が何の日かご存じでしょうか?この日は、女性の社会的、経済的、文化的、政治的な成果を称えるとともに、教育・雇用・政治参加などに残る格差や不平等、暴力などの問題を考える国連が定めた国際的な記念日です。

今年のテーマは『権利、正義、行動。すべての女性と少女のために』

この言葉と深く関係するのが【セクシャル・リプロダクティブ・ヘルス・ライツ(Sexual and Reproductive Health and Rights : SRHR)】です。少し難しく聞こえるこの言葉は、実は私たちの日常生活において、とても身近なものなのです。

SRHRとは

SRHRとは、直訳すると「性と生殖に関する健康と権利」ですが、『自分のからだや人生について、正しい情報を知った上で、自分で選び、その選択が尊重されること』を大切にする考え方です。例えば、こんなことが含まれます。

・結婚をするか、しないか、するとすれば、いつするのか

・子どもをもつかどうかを自分で決められる

・避妊について知り、自分で選ぶことができる

・月経(生理)やからだの変化について正しい情報を得られる

・安心して妊娠・出産できる

・性暴力やハラスメントから守られる

・誰かに無理やり決められない

これらは、特別な人だけの話ではありません。

私たちは、自分のセクシュアリティや望むときに望むだけの子どもをもつことをすべての人が自分で決められます。

しかし、そのためには、避妊の方法や不妊治療について知ること、生殖器のがんや感染症の予防や治療について知ること、そして、母子保健や育児支援が重要で、SRHRはこれらすべてを大切にする理念です。子どもでも、そして大人になってからも、誰もが関わる「生き方の土台」の話なのです。

SRHRの「権利」とは

では、なぜここでSRHRに「健康」だけでなく、「権利」が入っているのでしょうか?
それには、理由があるのです。どんなに医療が進んでも

・正しい情報を知らなかった

・相談できる人がいなかった

・周りの目が怖かった

・「女なんだから」とか「若いから」などと言われた

このような理由で、自分のからだに関わることを自分で選べなかったら、自分の健康は守れません。

例えば…

避妊の方法を知らずに望まない妊娠をした場合に、学業や仕事を続けられなくなるかもしれません。

また妊娠・出産に関する医療体制が整っていない地域や妊婦健診未受診の場合などは、命を落とすリスクがあります。そして、性被害を受けても相談できる場所がなかったり、見つけられなかったり、「あなたが悪い」と言われたら、心身の回復は難しくなり、傷を抱えたまま過ごす可能性があるのです。

つまりこのSRHRは、「医療の問題」だけでなく、「社会の問題」でもあるのです。

世界の現状

世界には、今も

・安全に出産できない

・避妊の方法を知らない

・若くして妊娠してしまう

・性暴力から守られない

このような状況にいる女性や少女がたくさんいます。妊娠や出産に関する適切な医療や情報にアクセスできなかったり、若年妊娠や望まない妊娠、安全ではない人工妊娠中絶やジェンダーに基づく暴力などは、健康を損なうだけでなく、その人の人生を大きく変えてしまいます。

国際機関は、これらを「防ぐことができる問題」と位置づけ、「正しい性教育」、「安心して相談できる医療」、「差別のない社会」の実現に向け包括的な性教育と医療サービスの充実を呼び掛けています。

日本でのSRHR

日本の医療体制は整っていますが、それでも性や生殖、からだの話は「恥ずかしい」とか「人に言えない」そんな雰囲気がまだ強くあります。学校で習う性教育も月経や妊娠の仕組みまでで終わってしまうことが多く、避妊や性感染症、同意(イヤと言って良いこと)、性の多様性については、十分に学べないことがあります。

 また、「産むのは女性」、「育てるのも女性」という文化の中で築かれた無意識の思い込みも残っており、妊娠・出産・育児における負担が女性に偏りやすい現実があり、このことは、「本当はどうしたいのか」を自ら考える自由を、少しずつ狭めている可能性があるのです。

 SRHRが大切にしているのは、「自分のからだと人生について、自分で選択できること」であり、人の尊厳を守るという考え方です。

・子どもがほしい人が安心して産める

・子どもが欲しくない人が責められたり肩身の狭い思いをしない

・月経(生理)がしんどいと隠さずに言える

・恋愛や結婚をしなくてもいい

・自分のからだに関わることを誰かに勝手に決められない

・性別や年齢、障害の有無に関係なく、正確な情報と医療・保健を受けられる社会

このようなことは、特別な理想ではなく、私たち誰もが持っている権利なのです。

 私たちは人生のどこかで、からだや将来について考える瞬間が誰にでも訪れます。そのときに、「こうしなきゃダメ」ではなく、「本当はどうしたい?」と聞いてもらえる社会・環境であること。それが「尊厳を守る」ということだと思います。

SRHRは女性の問題だけではない

SRHRは女性だけの問題だと思われがちですが、実はみんなに関係しています。例えば、

・友達の悩みを笑わない

・パートナー同士で話し合う

・男性が避妊に協力する

・「それは自分(本人)が決めることだよ」と伝えられる

日常の中での行動ですが、このような行動もSRHRの一部といえます。正しい知識をもつことは、将来の自分を守ることにもつながります。(子ども家庭庁が推進している『プレコンセプションケア』にもつながります!)
 今年のテーマにもある「行動」は、特別な運動に参加することだけではありません。

・信頼できる情報を知る

月経やからだの話をタブーにしない

・差別的な言葉に「それおかしいんじゃない?」と疑問を投げる

・困っている人の話を聞く

・「決めるのは本人だよね」と本人の考えを尊重する

このような小さな行動が積み重なることで、社会の空気は少しずつ変化していくと思います。意識して日々を過ごすようにしてみませんか?

さいごに

SRHRが伝えているのは、「あなたのからだと人生は、あなたのもの」というメッセージです。

誰かの期待や古い価値観、世間の「普通」に合わせる必要はないのです。誰か一部の人のための権利ではなく、すべての女性と少女、そしてすべての人々の尊厳に関わるものです。3月8日の国際女性デーをきっかけに、性や生殖の話を「特別な話題」ではなく、「私の生き方の話」として考えてみませんか?それが、「権利、正義。行動。」を実現する第一歩になると思います。

また今回お伝えしたSRHRという考えをもとに、日常生活の行動として妊娠やからだ・健康についての正しい知識を持ち、栄養や睡眠、喫煙・飲酒、感染症の予防など生活習慣の改善や健康管理を進めることは、プレコンセプションケアの実践と言えます。

未来の選択肢を増やすために、一緒にSRHRを考え、プレコンセプションケアを実践していきましょう!

【引用・参考資料】

・UNFPA(国連人口基金)
https://www.unfpa.org/sexual-reproductive-health

・WHO(世界保健機関)
https://www.who.int/health-topics/sexual-health

・UN Women
https://www.unwomen.org/en/what-we-do/sexual-and-reproductive-health-and-rights

・厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000181230.html

・日本産科婦人科学会
https://www.jsog.or.jp/citizen/

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この記事を書いた人

助産師/生殖心理カウンセラー 谷村弥生のアバター 助産師/生殖心理カウンセラー 谷村弥生 助産師/生殖心理カウンセラー

大学病院、大学教員、県不妊専門相談センターを経て大学病院に勤務中。
おひとり、おひとり、状況や抱えているお悩みが違うからこそ、しっかりとお話を伺ってその方・カップルにとっての「最善」が選択できるよう支援したいと思い、ファミワンへジョイン。新たな環境で皆さんと関われることを楽しみにしています。
どんなことでも、どんなお気持ちでも、遠慮なく安心してお話しいただけるよう頑張ります!