近年、女性活躍推進や女性の社会進出等の言葉を耳にする機会が多いかと思います。
私自身も上記の言葉をよく耳にしますが、「女性が活躍できる企業を目指す」「女性が家庭と仕事を両立できる取り組み」とぼんやりとした理解はあるものの、一体どのような取り組みをしていて、どのような制度があるのか、始めはよく分かっていませんでした。 今回は女性活躍推進とは何なのか、どのような取り組みや制度があるのかについてお話していきたいと思います!
女性活躍推進とは?
女性活躍推進とは、女性の職業生活における活躍の推進に関する法律の意で、2015年8月に国会で成立しました。女性活躍推進法の目的は、各企業における「女性活躍の見える化」を行うことで、従業員301人以上(2022年の改正で101人以上に変更) の企業・組織に対して毎年、女性登用について数値目標を含む行動計画の作成と公表を義務付けました。女性の活躍状況を把握するための基礎項目は、下記のようになっています。
①女性採用比率(男性が優位になっていないか)
②勤続年数の男女差(勤続年数に女性比率が反比例していないか)
③労働時間の状況(必要以上に長時間労働が行われていないか)、
④女性管理職比率(女性管理職の割合が低くなっていないか)
また行動計画の策定、策定した旨の届出を行った事業主のうち、女性の活躍推進に関する状況等が優良な事業主は、都道府県労働局への申請により、厚生労働大臣の認定を受けることができます。こちらには認定の段階があり「えるぼし」という認定が与えられます。(*1)
私も就職活動や転職活動の際は、「えるぼし」認定されている企業をベースに企業探しを行っていました!このコラムを読んでいただいている皆さんの中には、女性が働きやすい企業をお探しの方もいらっしゃるかと思いますので、ぜひえるぼし認定を受けている企業かどうかもポイントとして企業探しをしてみることをオススメします。
えるぼし認定について(*2)
続いて、えるぼし認定についてのお話です。えるぼし認定とは、女性の活躍推進に関する状況の評価項目のうち、満たす項目数に応じて3段階で評価されます。また3段階目より上位の認定として「プラチナえるぼし認定」というものがあり、えるぼし認定は全部で4種類あります。※プラチナえるぼし認定企業は、一般事業主行動計画の策定・届出が免除されます
※2022年4月時点で、プラチナえるぼし認定されている企業(従業員数301人以上)は215件
また、企業が認定を得るメリットとして、厚生労働大臣が定める認定マーク「えるぼし」、または「プラチナえるぼし」を商品などに付与できます。企業側も女性雇用に力を入れているアピールとなりますし、働く側も企業探しの良い指標となるので女性活躍推進が一層活性化していくのではないでしょうか。
女性活躍推進について、女性が働きやすい環境となるように、国の制度や企業が行っている取り組みについては、何となく理解が深まったのではないでしょうか。しかし女性には、キャリアアップ以外にも、妊娠・出産というライフイベントがありますよね・・
「キャリアアップできる環境があったとしても、妊娠・出産後は復職できないのが現実・・」
「出産後は子育てと仕事を両立できない・・」
このようななお悩みがあるかと思います。次にそのような悩みに対して国や企業が取り組みについても、ご紹介していきたいと思います。
次世代育成支援対策推進法とは?(*3)
次世代育成支援対策推進法とは、2005年に施行され、10年間を集中的・計画的取組期間とした時限立法です。※時限立法・・一定の有効期間を定めて制定された法律のこと。
急速な少子化が進行している中、次の社会を担う子どもたちが健やかに生まれ、安心安全な環境で育っていけるよう、国を挙げて環境整備に努めるために制定されました。
この法律において、常時雇用する労働者が101人以上の企業は、労働者の仕事と子育てに関する「一般事業主行動計画」の策定・届出、外部への公表、労働者への周知を行うことが義務とされています。 また、策定した「一般事業主行動計画」に定めた目標を達成したなどの一定の基準を満たした企業は、申請を行うことにより、厚生労働大臣の認定・特例認定を受けることができます。こちらにも認定の段階があり「くるみん」という認定が与えられます。
くるみん認定について(*4)
くるみん認定とは「子育てサポート企業」として、厚生労働大臣の認定を受けた企業であるという認定のことです。こちらは「トライくるみん」「新しいくるみん」「プラチナくるみん」の3種類の認定があります。こちらもえるぼし認定と同様に、企業側はくるみん認定を受けた企業としてアピールすることができます。
※2022年4月時点で、プラチナくるみん認定されている企業(従業員数301人以上)は535件
次世代育成支援対策推進法とくるみん認定について、先ほどの女性活躍推進とえるぼし認定マークの仕組みと似ていますね!
私自身、制度の名前だけ聞いた時は頭が痛くなりそうで敬遠していましたが、評価基準の段階を設け、かわいらしい認定マークで評価されていることを知り、国や企業の取り組みを以前より理解することができました。
今回ご紹介した2つの制度と各種認定について、どのような評価基準で制定されているか等、さらに興味を持っていただいた方は、ぜひお調べいただけたらと思います!
参考文献
(*1) https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/000614010.pdf?_fsi=p94UipB9
(*2) https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/000594317.pdf
(*3) https://www.mhlw.go.jp/bunya/kodomo/jisedai-suisinhou-gaiyou.html
(*4) https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/jisedai.pdf