知って安心!2人に1人がかかる「がん」の基本知識と、自分を守るための行動

「がん」と聞くと、自分には関係のない遠い病気のように感じるかもしれません。
しかし実は、日本人の2人に1人が生涯でがんにかかるといわれており、誰にとっても無関係とは言えない病気です。

今回は、がんの種類や原因、予防法、早期発見の大切さについて、わかりやすくまとめていきます。

日本人の2人に1人ががんになる時代

国立がん研究センターの統計によると、日本人のがん罹患率(がんになる確率)は生涯で約50%。つまり、2人に1人ががんを経験する時代です。
また、がんによる年間死亡者数は37万人を超え、死亡原因の第1位となっています。

特に40歳を過ぎるとがんによる死亡数は年齢とともに増加しており、20〜60代前半の「働く世代」のがん死亡数も全体の約1割を占めています。

がんの原因とは?

がんの発症にはさまざまな要因が関わっているとされています。
 日本人を対象とした研究でわかっている主なリスク要因は以下のとおりです。

・喫煙(受動喫煙も含む)
・飲酒(過度な摂取)
・塩分の多い食事、野菜や果物不足
・熱すぎる飲食物の習慣
・肥満・痩せすぎ
・運動不足
・ウイルスや細菌による感染(例:ピロリ菌、HPVなど)


これらの生活習慣や感染は、がんの発症リスクを高めるとされています。

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がんの罹患部位ランキング(2023年)

がんは性別や年齢によって罹患しやすい部位が異なります。

男性の罹患数ランキング

1位:前立腺がん
 2位:大腸がん
 3位:胃がん
 4位:肺がん
 5位:肝臓がん

女性の罹患数ランキング

1位:乳がん
 2位:大腸がん
 3位:肺がん
 4位:胃がん
 5位:子宮がん

(出典:がんの統計2024)

年齢別にみるがんの特徴

男性:39歳以下(AYA世代)では白血病の割合が高く、40歳以上になると胃・大腸・肝臓など消化器系のがんが増加。70歳以上では肺がん・前立腺がんが目立ちます。

女性:39歳以下では子宮頸がんの割合が多く、40代では乳がんが約50%、子宮がん・卵巣がんが合わせて約20%を占めます。高齢になるにつれて消化器系や肺がんの割合が増加します。
女性ホルモンの影響も、がんの発症リスクと関連があるとされています。

がんの予防法はある?

がんを完全に防ぐことはできませんが、生活習慣を見直すことでリスクを減らすことは可能です。

日常で心がけたいポイント

・禁煙
・お酒をほどほどに
・バランスの良い食事
・適度な運動
・適正な体重の維持
・感染症への対策(ワクチンや定期検査)


「がんを防ぐための新12か条」

公益財団法人がん研究振興財団が下記のように発表しています。

1.たばこは吸わない
2.他人のたばこの煙を避ける
3.お酒はほどほどに
4.バランスの取れた食生活を
5.塩辛い食品は控えめに
6.野菜や果物は不足しないように
7.適度に運動
8.適切な体重を維持
9.ウイルス・細菌の感染予防と治療
10.定期的ながん検診を受ける
11.身体の異常に気づいたらすぐ受診する
12.正しい情報でがんを学ぶ

(出典:公益財団法人 日本対がん協会HP)

早期発見・早期治療が大切な理由

がんは、どれだけ予防に努めても完全に防ぐことは難しい病気です。
 だからこそ、早期に発見し、早期に治療を始めることが重要です。

たとえば、乳がんや大腸がんなどは、ステージ0〜1で見つかれば5年後の生存率は90%以上とも言われています。
 進行すればするほど治療が難しくなりますが、早期発見なら生活を続けながら治療を受けられる可能性も高くなります。

自治体で受けられるがん検診

各自治体では、がんの種類に応じた検診を実施しています。対象年齢や補助内容などは地域によって異なるため、お住まいの自治体のホームページをチェックしてみましょう。

早い年齢のうちから受けるのは検査のデメリットの方が大きいとも言われているので、対象年齢になってから検診を受けることとされています。対象年齢でないと、公費対象とはならないので要注意です。

気になる症状がある場合は…

また、違和感がある場合には検診を待たず、早めに医療機関を受診することが大切です。

以下のような症状が見られたら、がん検診を待たず、速やかに受診しましょう。

・胃の痛み・食欲不振・食事がつかえる
・血便・腹痛・排便習慣の変化
・血痰・長引く咳・声のかれ・息切れ
・乳房のしこり・ひきつれ・乳首からの分泌物
・月経以外の出血・閉経後の出血・月経不順

おわりに

今回は、「がん」という誰にでも関わりうる病気について、原因や予防法、早期発見の重要性を紹介しました。

年齢を重ねるごとにがんはより身近になりますが、自分の体の変化に気づき、適切に対応することで、大きな病気のリスクを減らすことができます。

がん検診の受診と、毎日の健康習慣の見直を意識して、大切な体を守っていきましょう。

公益財団法人 日本対がん協会. がんを防ぐための12か条. (参照2025年5月30日)

公益財団法人 日本対がん協会. がんの部位別統計  (参照2025年5月30日)

国立研究開発法人 国立がん研究センター. がん検診について  (参照2025年5月30日)

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