職場の働きやすさを実現することの重要性について
人出不足が深刻さをます昨今ですが、その対策として職場の働きやすさを見直していくことはとても大事なことでしょう。時代は移り変わっていっています。少し前のように仕事に対して自分を削って頑張るという考え方自体が廃れてきているのではないでしょうか。
そんな中、企業が従業員を選ぶ時代は終わりを迎え、今や従業員が企業を選んで渡り歩いていくようになってきました。企業はお客様にだけでなく、従業員に選ばれる企業でなければ存続は難しいと言えるのではないでしょうか。そうなると、働き方改革は企業の中心事業として設けなくてはならないことになるかもしれません。急ぎ働き方改革を実現して、従業員がこの会社に勤め続けたいと思う会社にしていく必要があるでしょう。
また、育児支援や介護支援といった従業員の背景にも目を向ける必要が出てきています。働く人の一人一人がワークライフバランスを考えていかなければならなくなってきている現状があります。夫婦ともに仕事をする人の率は増えていっています。共働き世帯は現在68.8%とどちらか片方だけが働いている家庭をかなり上回っています。子育て支援は今まさに必要な課題ということになります。「平成29年就業構造基本調査結果」(総務省統計局)
また介護の状況も変化してきています。最新のデータによると、日本の介護が必要な高齢者の割合は増加しています。2023年の時点で、介護が必要な高齢者の割合は約15%でした。また、介護が必要な世帯の割合も増加しており、特に地方では高齢化が進んでいるため、介護サービスの需要が高まっています。ということは人によっては、子育てをしながら介護もして、かつ仕事もこなさなければならない人もいるということです。仕事のことだけを考えていればいいという状況ではなくなってきているのです。
企業として働きやすさを目指していくことが必要だということは、今やだれもが理解しているところだと思います。しかし、いざ働きやすさを実現してこうとすれば越えなければならない壁がいくつか存在することでしょう。
次に育児・介護支援を踏まえた働きやすさを実現していくために企業が行うべき施策などの必要なことをまずは見ていきましょう。
育児・介護支援を踏まえた働きやすさの実現に向けて
①育児休暇・介護休暇の充実を実現する 法律で定められた制度に加えて企業独自の制度を社内で整備することで、より働きやすい職場環境を作ることができるでしょう。
②フレキシブルな勤務時間体制の実現
家族のケアをしながら働くためには、柔軟に選ぶことのできる勤務時間体制が必要です。従来の勤務体制を見直す必要があるでしょう。
③在宅勤務の充実を図る 通勤時間を減らすことは家族のケアをする者にとって大きな利益を生みます。ワークライフバランスを実現する為に必要でしょう。
④相談窓口の設置 従業員一人一人のワークライフバランスに寄り添い一緒に考えてくれる機関が社内にあると育児休暇や介護休暇を取得することもスムーズに運ぶでしょう。また部署の空気感が整っていないことで上司に相談しにくい人にも安心して相談できる場所があることは働きやすさに繋がります。また、上司としても部下の置かれている状況にどう寄り添っていけばいいのか悩んでいる人も多いことでしょう。上司の相談にも乗れる窓口の設置は必須です。相談事例を貯めていくこともできるとその企業に必要なサポートも見えてくるでしょう。
⑤職場の風土改革の実現
育児休暇をストレスなく取れる、勤務時間の変更も周りに過度に気を遣わずに整えられる、自分自身のワークライフバランスを大事にしていけるなどのことは、これからの働く人たちが働きやすいと感じる大きなポイントです。そのためには、今の職場の風土がそれをウェルカムにしているのかどうかは大きく影響することでしょう。職場文化を醸成させていくことはとても重要なことです。
これらの施策を導入していくことで、従業員が持続的に働ける環境を整えていきましょう。それは結果的に企業全体の生産性向上につながっていきます。
子育て・介護支援の働き方改革をしていくために壁になってくること
今まで見てきたことで、なぜ企業が子育てや介護を行う人たちのサポートをしていく必要があるのか、また、そのためにどのような施策を用意する必要があるかを考えてきました。ここでは施策を行っていく上で抵抗を感じる壁についても考えていきましょう。
・一番大きな壁は「風土」でしょう。ずっと根付いた「こういうもんだ」という空気は変えるのには力がいることでしょう。
・トップが改革をするということを発言し、近しい未来のビジョンを示していかなければ改革は難しいでしょう。
・ただ「働き方改革をします」と言っただけでは従業員の認識までを変えることは難しいでしょう。工夫していく必要があるでしょう。
実際にはまだまだ課題はたくさん出てくるでしょうけれど、ひとまず考えられるのは上記のようなことだと思います。次にそれをどうしていけばいいのかを考えていきましょう。
どうやって企業がすべき施策を実行していくか
ここまでのところを踏まえてやり方を考えていくことが大切です。例えばこのような形で実現するという例を見ていきましょう。
①トップが「子育て・介護支援を企業として行う」と決める
②委員会を立ち上げ制度の見直しをする
③相談窓口の設置、もしくは相談窓口がすでにある場合は状況の説明しサポートしてもらうようにお願いする
④役職者に伝達し、部署ごとの改革見直しを指示する
⑤毎月進捗状況を事例として委員会に報告し、風土がどう変わっていったかについて追っていき、必要なら委員会でもアイデアを募りサポートする
⑥ニュースレターなどでどう変化したか結果について都度報告する。
今回は、育児・介護支援で職場の働きやすさを実現する企業の施策を考えてきました。育児・介護支援は企業が変わるとても良いきっかけになると思います。世の中の変化に合わせて企業が改革していくことで、従業員は働きやすさを手にし、企業は生産性向上を目指せるでしょう。育児支援や介護支援を負担増と捉えずに企業生き残りのチャンスと捉えて進んでいきましょう。