「部下へのフィードバックがなかなか伝わらない…思ったような改善をしてくれない…」
こんな悩み感じたことはありませんか?
実は、脳にどんな影響を与えるかで、フィードバックの効果は大きく変わります。
つまり、あなたのフィードバックによって、部下の学ぶ力や覚える力、感じる力に影響を与えるのです。
本記事ではこれらの脳神経科学の最新の知見をもとに、フィードバックのコツをお伝えします。
ぜひ参考にしてみてください。
フィードバックが脳に与える影響
まず、適切なフィードバックが部下の脳にどんな影響を与えるのかご存知でしょうか?
フィードバックとは、部下の行動や成果に対して、 上司が評価や指示を与えることですが、それだけではありません。
フィードバックは、部下の脳にも大きな影響を与えるのです。
フィードバックを受けると、脳内の報酬系と呼ばれる部位が活性化されます。
この部位は、ドーパミンという神経伝達物質を放出します。
実は、このドーパミンをいかに放出させるかが重要なカギとなっているのです。
その理由は、ドーパミンというは快感や幸福感や満足感を生み出すだけでなく、 学習や記憶、注意力などにも関係する重要な物質だからです。
例えば、フィードバックがポジティブな場合、
ドーパミンの放出量が増えて、部下は自信や意欲が高まり、 自分の行動や成果が認められたと感じて、さらに頑張ろうと思います。
逆にネガティブな場合は、
ドーパミンの放出量が減って、部下は不安や恐怖が生じます。自分の行動や成果が否定されたと感じて、落ち込んだり逃げたりするかもしれません。
つまり、フィードバックは、部下の脳の働き方によって、 部下の能力やモチベーションに大きく影響するのです。
では、どのようにフィードバックを与えれば良いのでしょうか?
次の章では、脳神経科学の最新の知見をもとに、 フィードバックの効果的な方法を紹介します。
フィードバックの効果的な方法
対話型のフィードバックで部下の関心を高める
フィードバックを与えるとき、あなたは部下に一方的に指示や評価をするだけでしょうか?
それとも、部下に質問や意見を求めたり、部下の考えや感じ方を聞いたりするでしょうか?
実は、フィードバックの形式が対話型であるかどうかが、部下の脳に大きな影響を与えるのです。
対話型のフィードバックとは、 部下とのやりとりを通して、部下の行動や成果に対して評価や指示を与えることです。
対話型のフィードバックには以下のようなメリットがあります。
①脳に新しい情報や刺激を与える:脳は新しい情報や刺激に敏感で、学習や記憶が促進されやすい
②自己決定感や自己効力感を与える:自信や意欲向上につながる つまり、対話型のフィードバックは、脳を活性化させて関心を高めることができるのです。
適度なフィードバックで部下の圧倒と不満を防ぐ
次に意識すべき点はフィードバックの「量」です。
フィードバックの量が多すぎると、部下は圧倒されたり疲れますし、 逆にフィードバックの量が少なすぎると、部下は不満や不安を感じます。
部下の行動や成果に対して、 必要なだけ評価や指示を与える適度なフィードバックが大事になってきます。
ではこちらも適度なフィードバックのメリットについて見てみましょう。
①集中力や注意力を保つことができる
集中力や注意力が高まると、学習や記憶がしやすくなります。部下の学習能力や記憶力を向上させるためにも必要以上に言いすぎないことが大切です。
②満足感や安心感を持つことができる
満足感や安心感が高まると、脳はドーパミンを放出します。ドーパミンは快感や幸福感を生み出すだけでなく、学習や記憶、注意力などにも関係する重要な物質です。つまり、適度なフィードバックは、部下のモチベーションや自信を高めることができるのです。
個性と能力に合わせたフィードバックをしよう
最後に意識すべき点はフィードバックの「基準」です。
フィードバックの基準が部下の個性や能力に合わないと、部下は自分に合っていないと感じてしまいます。
部下の行動や成果に合わせて調整するフィードバックが大事になってきます。
ではこちらも部下の個性や能力に合わせた フィードバックのメリットについて見てみましょう。
①適応力や柔軟性が身につく
適応力や柔軟性が高まると、新しい環境や状況に対応しやすくなります。問題解決能力や創造力を向上させるためにもその人に合ったフィードバックが必要です。
②個性や能力を活かすことができる
個性や能力を活かすことができると、部下は自分の行動や成果が強みや価値観に合っていると感じます。部下のやる気や責任感を高めるためにもその人にふさわしいフィードバックが必要です。
まとめ
部下へのフィードバックは、部下の才能を引き出すために非常に重要です。
本記事では、脳神経科学の最新の知見をもとに、フィードバックの効果的な方法を紹介しました。
これらの方法を実践することで、部下は自信や意欲、満足感や安心感などが高まり、部下との信頼関係やコミュニケーションも改善されます。
ぜひ、積極的にフィードバックを与えて、部下の才能を引き出してみてください。
部下の成長はあなたの成長にもつながるのです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
参考資料
- 「聞くと話す」の脳科学 _pdf (jst.go.jp)
- 心理学的現象から見た脳のフィードフォワード処理とフィードバック処理 _pdf (jst.go.jp)