【新社会人必読】コンプレックスは“弱さ”ではなく、成長の入り口

目次

コンプレックスは誰にでもある

今回のテーマはコンプレックス(劣等感)・・・イメージとしてマイナスな言葉ですね。コンプレックスとは、「自分の中の“足りない”と感じる部分に対する、強い感情的な反応」です。つまり、理想の自分と違う部分について、とても嫌だとかダメだとか感じる部分ですね。誰しも一つや二つはコンプレックスを持っているのではないでしょうか。私など、コンプレックスだらけだなと自分を見て思います。決して人に見られたくない部分や指摘されたくない部分を多く持っていると感じています。自分の中の「触れられたくない部分」ですね。これは他人に触れられたくないし、きっと自分自身からも触れてほしくない部分なのでしょう。自分自身なのでそうもいきませんが、できればあまり見たくない部分と言えると思います。

コンプレックスの種類についてですが、ありとあらゆるものがあると言っても過言ではありません。容姿、能力、性格、家族背景、人間関係、最終学歴、就職先・・・

世代によっても気になるところは違ってくるでしょう。女性として、男性として、などの価値観も大きく変わってきています。その中でこうあらねばならないのに…と感じるものが時代によって変化していきます。つまり、コンプレックスはその人の価値観を表していると言えます。

最初に言いきりますが、コンプレックスは決して「弱さ」ではありません。むしろ人が成長しようとするときに必ず向き合うテーマとなるでしょう。ここではコンプレックスの正体を正しく知り、上手に向き合うヒントを得てほしいと思います。

心理学では、コンプレックスの特徴を次のように捉えています。

・過去の経験からの影響

・他者との比較から

・自分の価値を低く見積もることが原因

・コンプレックスがあることで、無意識に行動を制限することがある

もう少し詳しく見ていきましょう。

コンプレックスが生まれる理由

コンプレックスは突然生まれるわけではありません。プロセスを踏んでだんだん育ってくるものです。

過去の経験からの影響


成育歴、幼少期にかけられた言葉たち、失敗体験、親や教師の影響など、例えば「お前は何やってもダメだな」と言われ続けると、自分は何をやっても成せない人間なんだと思い込むこともあるでしょう。「可愛くないな」と言われると、そこが欠点なんだと思ってしまうことも考えられます。またうまくいかなかったことで、「どうせ自分には無理なんだ」と思ってしまうこともあるかもしれません。

他者との比較から


今の時代はSNSでいつでもどこでも他者と比較できるようになりました。見れば見るほどコンプレックスを抱く人も少なくないと思います。学校でも家庭でも仕事先でも常に評価されていると思うと、しんどいでしょう。他人に評価されてしまうのではないかと思い込む自分自身によって評価されてしまうのですが、近年はここが大きな問題になることが多いように感じます。

自己肯定感の低下

自分の評価が下がっていると、自然と自分に厳しくなるものです。欠点ばかりが目に付いてしまい、さらに自己肯定感が低下するループを作ってしまうこともあるでしょう。

完璧主義

「できて当り前」「もっと頑張らなくては」という思考は、劣等感を強めます。真面目な人ほど劣等感は強い傾向があるように思います。

コンプレックスは向上心や努力の源になる

アドラー心理学では、劣等感(コンプレックス)は成長の原動力とされています。つまり悪いものだとは捉えられていません。ネガティブなものに捉えられていることを“どう使っていくか”“どう生かすか”、という視点を持つと、向上心や努力の源になるでしょう。

強い感情を抱いているコンプレックスは、エネルギーが高いと言えます。そのエネルギーを何に使うかが問われているのです。

例えば、劣等感を感じていることを打破しようと努力して成長することもできるし、劣等感を避けて結果を出すために様々な工夫を凝らすことで創造性を開花させることもできるでしょう。また劣等感は他者を理解するのに役立つことも考えられます。他者へのいたわりや気遣いに繋がり、優しさを育むことでしょう。使い方次第で自分の大きな力になるコンプレックス(劣等感)は、実は未来の自分につなぐ力強い味方なのだと私は感じています。

コンプレックスとの上手な付き合い方

とはいっても、コンプレックスは自分の嫌なところなので、なかなか扱いには苦労することも予想されます。どうすればコンプレックスを生かせるのかを次に考えていきましょう。


自分の感情を否定しない

感情は結果です。既に感じている感情を否定しても良いことはないでしょう。自分を責めてさらに自己肯定感が下がってしまいます。まずはどんな感情も認めることから始まります。

比較するのは“他人”とではなく、“過去の自分”としましょう

上には上がいるものです。敵わない相手は五万と存在します。そこに視点を置かずに、過去の自分と比較すると、成長が感じられ前に進んでいる実感が持て、自己肯定感が上がると思います。

コンプレックスの“役割”を考えてみる

「コンプレックスがあったからこそ努力できたことは?」と考えてみるのも良い効果につながるでしょう。コンプレックスを厄介者にせず、自分自身の一部としてどんな役割を担ってくれているのか、考えてみましょう。

私の場合は、若い頃自分が美人でもなく可愛くもないとコンプレックスを持っていました。でもそのおかげで容姿の欠点を補うためにコミュニケーションをひたすら磨く努力をしてきました。おかげでその後の人生に役立つコミュニケーションスキルをいくつも得られたと思っています。そのような役割を考えるということです。

信頼できる人にMyコンプレックスを打ち明ける

話すことは癒すことに繋がります。受けとめてくれる人がいるなら勇気を出して話してみるのもいいでしょう。話すことで整理がつき、“暗い影”のようなものから、“扱えるテーマ”に変わることでしょう。

これも私の例を一つご紹介しましょう。講師になって一番恥ずかしかったことは、喋っていると汗をよくかくことでした。体が熱くなり、教室の誰も汗をかいていない中、一人で焦っているように汗をかき、それが顔面を垂れてくるのでぬぐわなければならず、恥ずかしくて…そんな汗かきな自分のことが大嫌いでした。ある時、同僚にそのことをふと話したのです。そしたらその同僚はこう言ってくれました。「それがいいんじゃない。聞いている人たちの為に一生懸命説明しようとしてくれていると感じるよ」と。そっか、と腑に落ちました。そこからはほとんど気にならなくなり、気づくと汗をかく量も減っていったのです。きっと気持ちが落ち着いたのでそこまでかかなくなったのだと思います。

完璧を目指すより、バランスを重視する

完璧を目指すことは良いことだと思いますが、強すぎると自分を責め立ててしまうことにも繋がります。自分の心の状態も鑑みて調整していく必要があるでしょう。

まとめ:コンプレックスはあなたの大事な一部だと知りましょう

コンプレックスは悪者でも厄介者でもなく、あなたの大切な一部です。あなたが何を大切にしているかを教えてくれるサインのような役割を果たしてくれています。消そうとすると心が苦しくなります。共にうまく生きていく方法を探しましょう。そのプロセスがあなたをより深く、豊かにしていくことでしょう。

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この記事を書いた人

NPO法人日本心理教育ラボ理事長、公認心理師 岩崎恵美のアバター NPO法人日本心理教育ラボ理事長、公認心理師 岩崎恵美 NPO法人日本心理教育ラボ理事長、公認心理師

NPO法人日本心理教育ラボ理事長、公認心理師、キャリアコンサルタント、ブリーフセラピスト、NLPマスタープラクティショナー
プロフィール:流通業界の大手企業に総合職で入社。妊娠により退社後は、3人の子育てをしながら英語教室を開き、PTAでは会長を2度引き受けるなど積極的に参加し地域活動に貢献。その間並行してNLPや心理学を学び、2010年からカウンセリングサロンWISDOM HOUSEを経営。2012年にはNPO法人日本心理教育ラボを設立し企業の対人支援者育成や組織開発、人材育成に尽力している。