現代社会におけるインターンとは? 変わるインターンシップの在り方

近年、就職活動の最初のステップとして学生の間にインターンシップ制度が浸透しはじめており、制度を採用する企業も増えてきています。しかし、令和4年6月、文部科学省・厚生労働省・経済産業省の合意による「インターンシップの推進に当たっての基本的考え方」(3省合意) が改正されたことにより、インターンシップの在り方が変わりはじめています。学生や若者を受け入れる側の企業も制度への対応を求められる時期が来ているようです。

現代社会におけるインターンとは

インターンシップは、現代社会の就職および採用活動において大きな注目を浴びている制度の一つです。インターンシップとは、学生や若者が職場において実習を行うことで、職業選択の参考にしたり、就職につなげたりすることを目的としたものです。

また、就職前に各企業での実際の業務内容や勤務状況、人間関係などを知ることができます。

そのため、インターンに参加した人が就職した場合、現場での教育機関を短くできたり、早期退職防止につながったりするなど、企業側のメリットも多くあるといえるでしょう。

このように、インターンシップは若者たちのキャリア形成に大きな役割を果たしており、現代社会においてその意義は非常に大きいものとなっています。

インターンシップの意義とは

インターンシップの意義は、さまざまな要因から生み出されます。学生側と企業側、それぞれの立場からみてみましょう。

まず、学生たちにとっては、実際に現場で働くことで、職種や業界に対する理解が深まり、自分自身のキャリアアップに関する目標の設定や進路の選択につながるでしょう。さらに、インターンシップを単位として認定する大学が増えており、学校側が制度への参加を積極的に推奨していることからも意義の高さがわかります。

また、企業側から見ると、学生たちに有益な経験を提供することで、将来の人材の育成や社会貢献といった観点からも高い意義を持ちます。加えて、時間とお金をかけて大切に育てた人材が早期に離職してしまう危険性を下げるという点も忘れてはいけません。

令和4年10月に厚生労働省から公表された新規学卒就職者の離職状況(平成31年3月卒業者)によると、就職後3年以内の離職率は、新規高卒就職者が35.9%(うち1年以内は16.3%)、新規大学卒就職者が31.5%(うち1年以内は11.8%)となっています。

3年以内に10人中3人以上が離職している現実は、企業にとって大きな痛手といえるでしょう。

株式会社パーソル総合研究所が2018年に行った調査では「入社後の3年離職率がインターン非参加者は34.1%のところ、参加者は16.5%」との結果が出ています。ここから、インターン参加者の定着率の高さがわかります。

インターンシップが持つ可能性と課題

学生たちにとってインターンシップは、自己実現の場でもあります。インターンシップで得た知識や経験を自らの内面に取り込むことで、就職活動の一環としての役割だけではなく、個人の成長に寄与することができるのです。つまり、学生たちにとっては、インターンシップが持つ可能性は非常に大きなものとなっています。

また、企業側においては、組織の中に入っていない若い世代からの忌憚ない意見を取り入れ、新しい商品やサービスの開発に活かすチャンスでもあります。流行の発信元となる世代との交流で、社内の活性化も図れるでしょう。

しかしながら、インターンシップには課題も存在しています。一部の企業では、インターンシップを延長した形で、過剰な労働を行わせるケースがあること、また、インターンシップの求人募集において、不当な条件があることが指摘されることがあります。このような問題を解決するために、様々な取り組みが進められているところです。しかし、これらの取り組みは、大手企業や都市部が中心で、全国的には浸透しているとは言い難い点も懸念されています。

さらに、前述の「インターンシップの推進に当たっての基本的考え方」(3省合意)が改正され、インターンシップにおいて学生は企業での就業体験が必須と定義されたことも企業側の課題となっています。

これまで、1日で行われた企業説明会などについても、インターンシップと呼んでいましたが、今後は実務体験を含む内容のみをインターンシップと呼ぶ必要があります。

機密情報も含まれる現場での実務ができないために、セミナーや講義をしてきたケースにおいて、どのような形でインターン生に実務体験をしてもらうかは、早急に対処しなければならない問題です。

なお、1日で行われる企業説明会やセミナーなどは、その目的により、オープン・カンパニーやキャリア教育と呼ばれ区分されます。企業や業界の情報提供をする場としての活用とともに、インターンシップにつなげる役割を担う場にもなりそうです。

まとめ

以上より、インターンシップは、現代社会において非常に重要な意義を持つ社会現象ではありますが、現状はさまざまな課題も抱えるものとなっています。今後、若者たちがより良いキャリア形成ができるよう、インターンシップが適切に運営されることが期待されます。

参考サイト:

令和5年度から大学生等のインターンシップの取扱いが変わります(厚生労働省HPより)

新規学卒就職者の離職状況(平成31年3月卒業者)を公表します(厚生労働省HPより)

株式会社パーソル総合研究所ホームページより