災害への備え、あなたの健康を守る7つの必需品

まだ記憶に新しい、今年元日に発生した能登半島地震。しかし最近も、また各地で大きな地震が観測され、台風の季節も重なり、災害への備えがますます重要となっています。災害大国である日本に住む私達ですが、皆さん、日頃からの備えは十分ですか?

今回は、国内外の被災地での人道支援活動を経験してきた看護師の私が、現地での活動を通して得た教訓から、災害時に健康を守るための備えについてお話していきます。

必需品①:常備薬、お薬手帳(お子さんがいる場合は母子手帳も)

人はいつ、どこで被災するかもわかりません。そのため、普段から最低3日分の常備薬は持ち歩くようにしましょう。また、災害時に限らず、お薬手帳(お子さんがいる場合は母子手帳も)を常に保険証とセットで携帯することを推奨します。

被災時だけでなく、例えば出先で事故に遭ってしまった場合や、怪我や病気の程度によっては本人がお話できない状態であっても、救急医療の現場では、お薬手帳が大きな手掛かりとなります。お薬手帳には、どのような薬が処方されていたかが記載されているため、患者本人がどのような病気を抱えているのかある程度推測ができますし、被災した場合でも、お薬手帳さえあれば支援に来た医療チームも薬の処方がしやすくなります。

お子様がいる場合は母子手帳もあると、予防接種歴等の確認に役立ちます。

必需品②:水(大きいペットボトルだけでなく、500mlのペットボトルも必須)

今年の能登半島地震では、長引く断水が人々の生活を苦しめる一つの要因となりました。

多くの家庭では、大きなペットボトルの水を備蓄していると思いますが、小さなペットボトルも用意しておくことをお勧めします。なぜなら、断水時に歯磨きや手洗いで使用するには小さい方が持ち運びしやすく、使い勝手もいいからです。

また、「水分」という括りで、お茶やスポーツドリンク等を備蓄している方もいるかもしれませんが、水であればこのように、飲み水や食事以外にもありとあらゆる場面で使用でき、汎用性が高いため、備蓄するのであればやはり水が一番いいと思われます。

発災後、数日すると給水車が来るところも多いため、折り畳み式の水ボトルも一緒に備えておくと良いでしょう。

必需品③:家族の人数分と日数を見越した携帯トイレセット

よくある非常用持ち出し袋に入っている携帯トイレは通常3セット程度ですが、実際に断水になると、それでは全然足りません。かといって、汚物をそのまま長時間放置し、何回分かを溜めてから捨てるようでは、自宅避難であったとしても、感染症のリスクを高めます。

もちろん個人差はありますが、成人の1日あたりの排尿回数は平均5~7回と言われています。家族の人数分×5~7回/日×3日~1週間分だとどのくらいになりますか?各家庭で家族の人数と日数を見越して、十分な数を用意しておく必要があります。

今は大容量タイプのトイレ用のビニール袋と凝固剤がセットになっているものも売られていますし、コスパを考えるのであれば、凝固剤だけ大容量タイプを、ビニール袋は大きめ(便器をすっぽり覆る大きさ)の黒ごみ袋を大目に用意しておくことをお勧めします。

必需品④:生理用品とサニタリーショーツ、おりものシート

災害に備え、生理用品(ナプキン、タンポン)を準備している方は多いと思いますが、サニタリーショーツもセットに含めていますか?災害が起こると、数日後には衣料品を含めた支援物資が被災地に届きます。しかし、下着や生理用品は残念ながら、後回しにされがちです。そして、生理用品(ナプキン)は届くようになっても、サニタリーショーツを支援物資で見かけることはほとんどありません。能登半島地震の際には、実際に被災者の方に「サニタリーショーツが欲しい」という声をいただくことがあり、私自身もハッとした次第です。

また、生理ではなくても、おりものシートも備えておくことをお勧めします。下着はできる限り毎日新しいものを身に着けたいところですが、断水していれば洗濯もできないですし、避難所での生活であれば、洗濯できたとしてもなかなか干すところがありません。おりものシートさえあれば、毎日交換することで下着は毎日変えられなくても、デリケートゾーンを清潔に保つことができます。

必需品⑤:アルコールタイプのウェットティッシュ

アルコールタイプのウェットティッシュがあれば、断水時でなかなか手が洗えない時や食事の前後にもサッと拭いて、手を清潔に保つことができます。また、避難所での共用スペースの使用前後や掃除にも活用でき、感染症予防にもつながります。

必需品⑥:食品ラップ

非常用防災袋には食品とともに食品用ラップも入れておくと便利です。食事前に食器にラップをかければ、食後に汚れたラップを捨てるだけで済むので、節水にもなるし、断水時でも困りません。

必需品⑦:非常食はカップ麺よりアルファ米

被災後数日すると、炊き出しが食べられる場合もありますが、ひとまず3日分は家族全員分の非常食を備蓄しておく必要があります。非常食として、カップ麺を用意している方も多いと思いますが、ただでさえ被災後のストレスフルな環境で生活していくのに、添加物が多く塩分の多いカップ麺は健康を害する恐れがあります。

特に高血圧のある人は、慣れない環境下でただでさえ血圧が上がりやすくなっている上に、普段飲んでいる常備薬が手元になく、さらに塩分過多の食生活をすれば、ますます血圧が上がり、頭痛や吐き気といった不調を招きかねません。また、高血圧は脳卒中や心筋梗塞等のリスクもあるため、甘く見てはいけません。水、またはお湯で戻せるアルファ米であれば、腹持ちもよく、カップ麺ほど添加物や塩分過多を心配する必要がなくなりますし、今は味のラインナップも様々なので、飽きにくいです。どうしても麺類が食べたいということでしたら、お湯で作れる、優しい出汁の味がきいた米粉麺タイプの非常食もあります。こちらの方が栄養バランスや塩分量を加味してもベターでしょう。

その他の備え

避難時はできるだけ動きやすいスニーカーにしましょう。地震の後だと、がれき等を踏んで足の裏を怪我する恐れがあります。

また、ご自宅にペットがいる場合には、どのようにペットと避難するのかを想定しておきましょう。アレルギーの関係等で、ペット付き添い不可の避難所もあります。残念ながら、ペット可の避難所開設には時間がかかる傾向にあるため、車中泊避難も想定し、準備しておいた方がいいと考えられます。また、大きな地震は人間だけでなく、ペットにも大きな恐怖心を植え付けます。能登半島地震の際には、しばらく恐怖心で建物に入れなくなってしまったペットもいたようです。いざという時に、自分も家族もペットも焦らずに避難できる方法を考え、家族でよく話し合っておきましょう。

おわりに

いかがでしたでしょうか?災害大国の日本だからこそ、日頃からの備えが非常に重要です。備えとは、モノだけでなく、「心構え」も入ります。通信手段が断絶または不安定な中で家族各々が違う場所で被災した時はどうするのか?道路が通行できなくなった場合にはどうやって、どこの避難所に行くのか?自分が被災者になってつもりで想定できうることはすべて想定しておくことが、発災時のあなたの命を助ける行動につながります。

女性活躍推進・ダイバーシティ推進  『福利厚生サービス』 資料ダウンロード【無料】

資料でこんなことがわかります

  • ✅妊活・不妊治療と経済損失
  • ✅当事者の抱えている悩み
  • ✅サポートした企業はこう変わる
  • ✅妊活・不妊治療サポートの標準化

資料を無料でダウンロード